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神々の紋章  作者: きりた
第二章 旅立ち騒動記
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第27話 リュウの実力

お久しぶりです。ちょびちょび書いてました。有言実行は無理のようです。

少しづつではございますが、これからの構想も色々と考えてますので、何卒宜しくお願い致します。


シルフォードがリュウへと物凄い形相で近づいてきた。


「そ、その武器はなんだ!」

「どうしたんですか。シルフォードさん。そんな血相を変えて。似合いませんよ」

「そんなことはどうでもいいんだ。その形態が変わる武器について詳しく聞きたいのだ!」

「ああ、こいつですか。神龍牙槍って言いましてね。俺の愛槍です」

神竜牙槍(・・・・)。神竜様方の文字が入っているのか…。もしやその方々の牙で作ったのか?」

「…いえ。さらに上です」

「さらに上?……もしや神龍王」

「ご明察です。シルフォードさん」

「…リュウ。君はいったい」

「シルフォードさんにはいろいろ教わった事がある。いずれ話しますよ」

「…そうか」

「まずはこの依頼を片付けましょう。ワイバーンのコロニーへと近づいています」

「ああ」


会話が終わると待っていたかのようにワイバーンが2体飛び出してきた。さらにその奥に何体ものワイバーンがひしめき合っていた。2人はどうやら本格的にワイバーンのコロニーに入ったらしい。リュウは2体を睨みつけ牽制し、さらに奥のワイバーンを見つめ、ニヤリと笑った。


「…いいねぇ。やっと本格的に動けそうだ」


リュウの容姿は神々しくもあるが、このニヤリと笑う顔は悪魔と言ってもいいかもしれない。普段の様子から戦闘に入った時の性格には大きなギャップがあるだろう。地球にいた頃からこのような性格だ。何故か絡まれることが多く、喧嘩を吹っ掛けられる時があった。しかし怯える様子もなく逆に楽しんでおり、そのポテンシャルの高さからことごとく返り討ちにしていた。不良たちの間では『静かなるドラゴン』という異名をつけられ、恐れられていた。当の本人は知らない。もし知っていたとしたら恥ずかしすぎて悶絶をしていたかもしれない。


「形態変化〝短剣”」

「…短剣にも変化するのか」

「それだけじゃないですけどね」

「しかし、あの巨体にその短い刀身でどう戦う」

「まあ、見ててください」


そう言ってリュウは先に飛び出してきた2体のワイバーンへと駆けだした。間合いに入る瞬間ワイバーンが両腕を大きく広げ、掴みかかろうとした。しかしリュウは半身を傾け、ひらりと交わし、ワイバーンの横腹

を斬りつけた。


「グギャァァァァァ!」

「致命傷じゃあねんだろ?」


間髪入れずにもう一体がブレスを吐こうとするが、リュウはすぐさま懐へと入り込み、核へと刃を突き刺した。横腹を斬りつけられたワイバーンは血を流しながらも腕を振り、リュウを斬りつけようとしたが後ろへ跳び避けた。着地する瞬間地面を強く蹴り、また間合いへと詰め寄った。


「ギャ!」

「おいおい、逃げんなよ」


詰め寄られたワイバーンは驚き、後ろへ跳びのくが、そのスピードよりも速くリュウが前へ出て肩からぶつかりに行った。浮き上がっていた巨体は勢いよく弾き出され、20m程飛び、岩場へと激突した。


「グギャッッ!!…グギャアアアアア!!!!」

「8、9っと」

「あの巨体があそこまで飛ぶのか。リュウはスピード、テクニックだけでなく、パワーも…」


リュウのタックルと岩場への衝突。前と後ろからの衝撃は計り知れない。ワイバーンの核をひび割らすことなど容易であった。しかし、光の粒子へと変わる直前の断末魔は仲間たちを呼び寄せた。その数はぱっと見では計り知れないほどだ。リュウの視界にある陸、上空をワイバーンに埋め尽くされた。完全なる包囲網だ。


「もしかして全員集合か?それならありがたい。こっちから探しに行く手間が省けた」


その中には上位種となるワイバーンも見受けられた。


「ロックワイバーンにラヴァワイバーンか。さてリュウはあの二種に対しどのような戦法を取るのだろうか」


ワイバーンの包囲網の外にいるシルフォードはリュウを遠目に捉えながらそう呟く。


ロックワイバーン。字のごとく体表が岩となっている。その岩によって弱点となる核が覆い隠されており、討伐難易度が格段に上がる。ラヴァワイバーン。こちらは体表がマグマのようになっており、周囲にとてつもない熱気を放っている。並の水魔法を撃ったとしても体に当たる前に蒸発してしまうだろう。どちらもA級モンスターではあるが、通常のワイバーンはA級の中では下位であり、この二種は上位に組み込むだろう。


「ただ体表が鱗か岩か溶岩かの違いしかない」

「他の冒険者はそれに苦労するのだが…」


声が聞こえる距離でもないのに会話が成立してしまう二人。


「形態変化〝鎌”」

「また武器の形態を変えた」


形態が変わった瞬間、リュウは鎌を横一閃薙ぎ払った。その先にいたワイバーンたちは何が起こったのかわからぬままリュウに向かって突撃しだした。その奥の岩がトマトの様に切れたかと思うと一気にワイバーンの体がずれ落ち、光の粒子へと変わっていった。


「あの技は『かまいたち』。鎌術スキルの技か。しかしこれほど広範囲で切れ味のあるものは初めて見たぞ」

「あああ!しまった。せっかく数えてたのに一気にやってもうたら数えれねえじゃねえか!」


そんなのんきなことを言っている束の間、後ろにいた数十体ものワイバーンたちが一斉にリュウへと襲い掛かった。


「あれを見た後によく来れるな。いいぜぇ。形態変化"棒”」

「次は棒術か。殺傷能力はさほど高くない。鎌などで一掃すればいいものの」


リュウへと襲い掛かったワイバーンたちは次々と棒で打たれ、リュウの射程からはじき出される。中には気を失っている者もいる。だがやはり棒だ。ワイバーンの致命傷とはならない。


「やはり、リュウのパワーとテクニックを持ってしても棒術ではあのワイバーンに致命傷は与えられないか」


致命傷にならないことは分かってる。力加減を考えてやってるからな。手加減の仕方も覚えないといけないし。さてシルフォードさんは俺の意図を汲み取ってくれてるだろうか。


「形態変化〝槌”」

「槌…。まさかリュウは」


リュウは槌が最も長くなる部分を持ち、振り回しながら回転をし始めた。


「あのような使い方は初めて見たぞ!ふざけているわけではないようだが」


近づいてくるワイバーンは見事に弾き飛ばされ、重傷を負った。自ら近づいてくるワイバーンがいなくなるとリュウの回転は止まった。


この技はピンク色の食いしん坊を参考にしている。目が回らないのはこの体のお陰だ。

さてだいぶ数は減ってきたんじゃないか?かまいたちの所為で序盤で数えられなくなったけど恐らく200体くらい倒しただろう。

よくもまあ、これだけ発生したもんだ。まだ少し残っているが、それ以外のワイバーンの気配は感じない。あと23体か。さっさと終わらせてドロップ品の回収をしないとな。


「武器を置いただと。やはりリュウは全ての武術スキルを所得しているということか。あの若さでどれほどの鍛錬を積めば…」


形状を槍へと変化させリュウは地面に突き刺し、深く息を吸った。


「さっきから何回もくらってるから、一つ覚えちまったよ。『威圧スキル』。俺が使ったらどんなもんか試させてもらおうか。すぅー。はっ!!」


リュウの周りを警戒しながら動いていたワイバーンたちは、リュウの威圧により動きを止めた。飛んでいたものは真っ逆さまに落ち、地面にいた者は、目を裂かむき倒れた。すると全てのワイバーンが一気に光の粒子へと変えた。


ふむ。殺せてしまうのか。一度威圧スキルの詳細を見てみるか。


 ======== 威圧 ========

  相手を威圧し、委縮させる。ステータス

    差により、効果が大幅に変わる。

  スキルレベルが上がるほどに、範囲拡大

   や対象指定ができるようになる。

  【詳細】

   効果範囲:自分中心に半径50m

   効果対象:無差別

  【備考】

   全ステータスの合計値が対象の合計値

   よりも64倍以上である場合、対象を

   死なすことが出来る。

 ====================


俺もつい最近知ったが、神眼によってスキルとか見るときに、目を凝らすようにすると、さらに事細かに表示される。神眼便利…。ってのは置いといて、ステータスの差が多ければ殺すこともできちゃうって事ね。なんで64倍以上かは知らんけど。ん?ちょっとまて。シルフォードさんは大丈夫だったかな。範囲外にいただろうか。


そう思いながらリュウが周りを見渡すと、序盤と同じような形相でリュウへと走り(・・)近づいてきた。それを発見したリュウは悪戯をした子供が親に怒られる前のようにアハハと口角を上げた。


「リュウ!今何をした!!」

「威圧ですけど?」

「ですけど?じゃないぞ!何故それでワイバーンを倒せるのだ!」

「ステータスに差があったから?」

「何故疑問形なのだ!……いや、少々気が動転していた。そういうものなのか」

「ええ、そうらしいです」

「まさかリュウは威圧スキルを使ったことがないのか?」

「今回の戦闘で所得できたので、試したんです」

「…今回のだと?ふむ、嘘は言っていないか。これまでのリュウを見ていればあり得る話だ。しかし、こうも容易く依頼をクリアしてしまうとは」

「これで合格ということでしょうか」

「もちろんだ。しかしA級で収まるものではない。魔法を禁止にしたうえでこの実力。あえて言わせてもらおう。恐ろしい力だ」

「はい…」

「君が私たち側で良かったと思っているよ」

「え?」

「いや、いずれわかる。君の力はこの世界に必要な力だ。これから先は忙しくなるだろう。さあ!昇格試験と依頼は済んだんだ!素材を拾っていくぞ!」

「はい!」


シルフォードとリュウは協力してワイバーンの素材たちを拾っていった。

今回の討伐数と手に入った物の一覧だ。


〈討伐数〉

ワイバーン   187体

ロックワイバーン 34体

ラヴァワイバーン 27体

合計      248体


〈獲得金額〉

43,499,200Zr

(この金額を数え終え、リュウはニヤリと笑っていた)


〈獲得素材〉

各種ワイバーンの羽〔通常ドロップ〕

各種ワイバーンの魔石〔レアドロップ〕

ワイバーンの核×187個〔超レアドロップ〕

ロックワイバーンの岩皮×34個〔超レアドロップ〕

ラヴァワイバーンの尾×27個〔超レアドロップ〕



「ふう、やっと終わりましたね」

「リュウは運のステータスも随分高いようだな」

「あはは…」

「しかし、空間魔法と言うのは便利だな。荷物が少なく済む。私も使いたいものだ」

「シルフォードさんなら、使えると思いますが」

「いや、私には適性がない。一度空間魔法を使える者に教わった事がある。全くできなかったよ」

「空間魔法を使える人に会ったことがあるんですね」

「故郷の国にいる。いずれ紹介しよう」

「エルフ族の方ですか。楽しみにしています」

「ああ。よし、一度フェステイオに戻ろう。その様子だと休む必要もなさそうだが、町長にも報告しなければならないからな。それからトーファスに向かうぞ」

「はい」


ワイバーンを討伐したからか火山の魔素の流れが通常に戻り始めた。数日後には元の火山と同じようになるだろう。しかし山頂付近の大きな気配は変わらず渦巻いていた。この気配の正体を早く見たくてうずうずしているのはリュウだけであった。この気配の事に気づいていたのもリュウだけである。トーファスに戻り、いろいろと事を済ませてから、ここに戻ってこようと考える帰り路であった。




リュウの性格について:神話などの竜は基本的に何もしなければ大人しい、もしくは寝ているというものが多く、しかし一度でも癪に触るようなことや、禁忌となるようなことをすると暴れ狂うとこから構想いたしました。

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