7 小選挙区比例代表並立制なんすか
「と、いうことなんだ」
「何が、ということなんすか・・・・・・俺は魔界の選挙制度について教えてほしいって言ったんですよ」
「ん?」
アデルはキョトンとしている。ダメだ・・・・・・絶対に何も分かっていない。話にならんとはこのことだ。
「今回の選挙制度については私からお話ししましょう」
「うおっ!?」
「おお、シリウス! ちょうどいいところに!」
いつの間にかシリウスが俺の背後のベッドの上に立っていた--頼むから靴を脱いでくれ・・・・・・
「今回の選挙は『小選挙区比例代表並立制』で行います」
「まんま、日本のパクリじゃないですか・・・・・・」
「参考にしたと言っていただきたい。とにかく、選挙制度はあなた方の社会と同一です。そして、選挙後に『憲法』を制定することも決まっています」
「えっ!? 憲法、作るの!?」
「もちろんでございます。現魔王は、日本の選挙制度及び統治機構に大変感心しておられます」
「はぁ・・・・・・それはどうも」
「ですから、コウイチ殿には『マニフェスト』作成だけでなく、『憲法』原案の作成にも力を貸していただきたいのです」
「えっ!?」
何言ってるんだ、コイツは!? 何で俺が魔界の憲法なんぞ作らねばならんのだ!
「コウイチ殿の裁量で、魔界の未来が決まります。くれぐれも無責任な内容になさらぬよう」
「ちょ、無理ですって! そんな重いもん背負いたくないですよ! って、オイ!?」
シリウスは言いたいことだけ言ってしまうと、またしても俺たちの前から消え去った。