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主人公紹介(求聞史紀)&乙羅暗殺拳法超秘伝書

 

 乙羅葉裏 ~穢れきった玉兎~


 主な危険度:極高

 能力:注目を集める程度の能力

 人間友好度:低


 ◆特徴◆


 月人に反逆した玉兎。すでに存在が消滅しているが、異変の首謀者の一人としてその事実を資料に残す。

 おそらく月の兎であると思われるが、もともとは河童だったという情報もある(※1)。容姿は玉兎と同じである。少なくとも千年以上の昔から存在が確認されている。月人との間に深い因縁を持ち、並々ならぬ執念を抱いていたようだ。

 気が狂っている。以前はもう少しまともな精神を維持していたらしい。

 保有する妖力のほとんどが腐敗していた。その性質は、生への執着とそれに対となって生じる死への肉薄がもたらす毒であり、これを月人は「穢れ」と呼ぶ。地上に生きる限り誰しもが持っている穢れだが、彼女は自身の妖力が腐るまで穢れをためこんだ。そもそも妖力の腐敗という事例が過去になく、この現象の詳細な解析にはいたっていない。妖怪にとって、なぜこれまで生きられたのか不思議なほどの致命的な疾患である。

 忍者である。その秘術は彼女の死により喪失した。


 ◆目撃報告例◆


 「見えなかった」(匿名)


 彼女は能力によって、他人の注目を操ることができる。その優れた技術は、存在を感知させないほどである。


 「あれほどの穢れ、月の都なら大災害レベル」(永遠亭の姫君)


 月人は穢れをなによりも嫌うので、彼女の存在は無視できないほどの害悪であったようだ。


 「え、死んだの? また喧嘩したかったのに」(酔っ払いの鬼)


 過去には多数の妖怪との交流があったようだ。


 ◆被害内容◆

 

 幻想郷に大量の穢れをまき散らした。

 永遠亭襲撃を目的として外の世界から幻想郷に侵入し、かつての妖怪の知り合い数名(※2)と結託して異変を起こした。被害が拡大する前に討伐され、大事には至っていない。

 高濃度の穢れを浴びてしまった者は、熱に浮かされたように奇妙な言動や行動をとる。たいていは気分が高揚して活発になるが、中には吐き気や目眩などの症状が表れる者もいる。この影響により各地で妖精の異常活性化が見られた。また、生物の寿命を縮める効果がある(※3)。

 昨今の異変首謀者としては珍しく、スペルカードルールを無視した暴力的手段に訴えている。彼女の異常な精神状態ではしかたがなかったのかもしれないが、その危険性から見ても異変の平和的解決は困難であり、殺害処分されたことはやむを得なかったと言える。

 

 ※1:霊亀という説もある。謎が多い。

 

 ※2:この妖怪たちが何者であるのか不明である。関係者は皆、一様に口を閉ざしてしまった。


 ※3:異変の早期解決により、人間の寿命にして約一日程度の被害で済んだようだ。

 

 * * *


 乙羅裡裏 ~とろける擬態スライム~


 主な危険度:高

 遭遇頻度:低

 主な遭遇場所:永遠亭、命蓮寺、霧の湖、妖怪の山

 能力:注目を散らす程度の能力

 人間友好度:普通

 主な活動場所:永遠亭


 ◆特徴◆


 自称、乙羅葉裏の娘。しかし、種族はショゴスであるという。

 ショゴスとはクトゥルフ神話において、太古の地球を支配していた「古のもの」という地球外生命体により無機物から生み出された奴隷種族であるとされる。しかし、いかにも眉唾な話であり、真偽のほどは定かではない。

 姿は不定形で、伸縮自在の液状体である。亡霊ではなく、より物質的な存在である。自分の姿形を様々に変化させることができる。耐久力と再生力が非常に高く、物理的な攻撃に対しては並みはずれた強度を誇る。毒物への耐性もある。普段は、玉兎と同じような外形を取っている(※1)。

 乙羅葉裏とともに外の世界から幻想郷へやってきた。現在は永遠亭を活動拠点としている。


 ◆目撃報告例◆


 「漬物を上手につけてくれる点は助かります」(永遠亭のウサギ)


 漬物作りが得意らしい。気に入った相手に配る。


 「自分で作った罠に自分で引っ掛かるから世話が焼けるウサ」(永遠亭のウサギ)


 永遠亭に住みついているようで、妖怪兎たちとともに目撃されている。


 「写真に写せない」(鴉天狗の記者)


 写真機や鏡に姿を映すことを嫌う習性がある。


 ◆対処法◆

 

 いたずらが好きなので見つけても近づかない方がいい(※2)。

 そもそも、彼女は潜行能力に優れており、普段から周囲の景色と体色を同化させて行動しているため、被害(※3)に気づかないことも多い。しかし、その能力で人間に直接的な暴力を加えることはないため、基本的に無害である。

 他人の姿を模倣してなりすますことがある。これは低級の狐や狸の化かしと同様に、その人物の内面まで模倣する技能ではない。また、そこまで頭はよくないので、少し言葉を交わせば見破ることは難しくない。

 よほどのことがない限り、向こうから攻撃を仕掛けてくることはないが、彼女が日向ぼっこをしているときは注意が必要である。死んだように地面に倒れている姿を見ることがあるが、これは光合成を行っている様子である。このときに邪魔をされると怒る。里の妖怪退治屋を返り討ちにするくらいの実力はあるので、むやみに刺激してはいけない。

 

 ※1:乙羅葉裏と全く同じ姿を取っているので、生前の彼女を知る者たちから混同されることがよくあるようだ。

 

 ※2:特に幼い少女は狙われやすい傾向がある。


 ※3:覗きなど。


 * * *

 

 門外不出! 乙羅暗殺拳法超秘伝書!

 

 ●乙羅四訓●

 

 一つ、己の弱さと向かい合い、

 一つ、己の弱さを受け入れて、

 一つ、己の弱さを克服し、

 一つ、己の弱さを強さとする

 

 ●乙羅暗殺拳法とは?●

 

 初代当主、乙羅葉裏によって開発された戦闘妖術である。その歴史は古く、発祥の場所や年代はわかっていない。少ない妖力でいかに大きな攻撃力を得るか、という点に主眼が置かれており、その性質上、小妖怪にしか扱うことができない。『狂気』という危険な犠牲を伴う秘儀の習得が不可欠。現在、この拳法の正当な継承者は存在しない。

 

 ●狂気とは?●

 

 妖怪の持つ妖力は多かれ少なかれ、肉体と精神に関わってくる。この妖力を体内で微細に振動させる(過活性化させる)ことによって、精神構造の弛緩と収縮を高速で繰り返す。この振動させる技術を『狂気』と呼ぶ。これにより肉体構造も連動して瞬間的、内在的に崩壊と再構成を引き起こす。この反応によって得られるエネルギーを利用した技を体系化したものが乙羅暗殺拳法である。常に精神崩壊のリスクが発生するため、使用には細心の注意が必要である。

 

 ●活性化率と活性化速度●

 

 保有妖力に対する振動可能妖力の比率を活性化率という。高いほどより強力なエネルギーを得ることができるが、精神にダメージは加速度的に大きくなる。10%前後が適性値であり、これを越えると死亡の危険性が急激に高まる。

 この活性化率の上がりやすさにはタイプがある。ゆっくり上昇するタイプはエネルギーを引き出しにくいが、戦闘持久力が高い。急に上昇するタイプはすぐさまエネルギーを得られるが、活性化率上昇に歯止めが効きにくく、戦闘直後の反動も大きい。体質によってどちらに近いタイプかは決まっているが、訓練によりある程度のコントロールは可能である。

 

 ●分類●

 

 訓練次第で誰にでも習得可能な術を『共通式』、個人特有の能力による術を『孤式』、さらに孤式を極限まで昇華させた秘術を『孤式奥義』と呼ぶ。

 

 ●共通式一覧●

 

 ・殺法『黒兎核狩』

 難易度:☆

 基本三技の一つ。開放系の技。体外に形成した妖力によって、一瞬先の攻撃を形作る。そこに現実の肉体が統合化されることで爆発的なエネルギーを生み出す。拳で殴れば空気が破裂し、刀で切れば斬撃が伸びる。特に妖力に対して親和性が高い相手には、内部深くまでダメージを与える。


 ・殺法『黒兎空跳』

 難易度:☆

 基本三技の一つ。反発系の技。体外に形成した妖力を足場にして蹴ることで、超高速で移動できる。空中を蹴って飛行可能だが、常に高速で飛び続けなければ滞空できない。


 ・殺法『黒白閃兎』

 難易度:☆

 基本三技の一つ。圧縮系の技。妖力弾を作る際に、妖力を体外形成した状態の手の中で圧縮し、手裏剣状の鋭利な形にする。着弾と同時に圧縮が解かれて爆発を起こし、普通の妖力弾より強力なダメージを与える。難点は連射できないところ。


 ・殺法『狩跳連結・黒兎崩殻』

 難易度:☆☆☆

 「黒兎核狩」と「黒兎空跳」の合体技。妖力の開放によって発生した推進力をもって相手を蹴り、それと同時に本来は足場として利用する妖力の反発力を攻撃に転化することですさまじい威力を発揮する合わせ技。


 ・殺法『狩跳連結・黒兎鎖牢』

 難易度:☆☆☆☆

 「黒兎核狩」と「黒兎空跳」の合体技。掌底を敵の体に当てた状態で妖力を開放し、衝撃と妖力を体の向こう側まで浸透させる。それによって敵の背後から反発力の力場を作り、逃げ場を失くしたところに逆の手で「黒兎核狩」を打ち込み、挟み打ちにする大技。難易度は高い。


 ・殺法『狩白連結・華煉兎槍』

 難易度:☆☆☆

 「黒兎核狩」と「黒白閃兎」の合体技。妖力開放の衝撃を使い、相手を殴る。そのとき、極限まで圧縮した妖力の弾丸を拳の上に乗せ、この弾もろとも敵を殴りつけて爆発させる。砕け散った妖力弾はショットガンのように周囲に飛び散るので効果範囲は広く、威力が高い。自爆しないように注意。


 ・殺法『狩白連結・嵐貫兎槍』

 難易度:☆☆☆☆

 「黒兎核狩」と「黒白閃兎」の合体技。圧縮した妖力弾を、「黒兎核狩」で殴り飛ばす技。ピストルの弾が飛ぶ原理と同じく、妖力弾を開放による推進力で撃ちだす。その貫通力と速度はすさまじい。ただし、もともと不安定な不発弾状態である圧縮妖力弾を暴発させずに真っ直ぐ殴り飛ばすには、相当な技術が必要である。玄人向け。


 ・殺法『跳白連結・暗瞬兎跳』

 難易度:☆☆☆

 「黒兎空跳」と「黒白閃兎」の合体技。簡単に言えば、妖力弾を蹴って進む。妖力の足場と足の間に圧縮した妖力弾を挟み、爆発力と反発力の二つの力を併用する移動術。空気摩擦で体が焦げるほどのスピードが出る。この技を使って体当たりするだけでも相当な威力である。ただし、移動のたびに足場が爆発するし、自爆の危険も伴うので注意。


 ・殺法『跳白連結・空蝉躯投』

 難易度:☆☆☆☆

 「黒兎空跳」と「黒白閃兎」の合体技。狂気を最大出力にして自分の体を妖力弾で包み込み、圧縮する。そして高速で敵に突っ込み、体当たりする技。敵にぶつかる瞬間に、慣性を用いて巨大妖力弾を脱ぎ捨て、ぶつける。自爆は免れない。自分へのダメージは最小限に抑えること。


 ・殺法『三技一体・二重分身』

 難易度:☆☆☆☆☆

 基本三技すべてを合体させた奥義。まず、敵の周囲を高速で駆けまわり、撹乱する。その後、敵に向かって最大威力の「黒兎核狩」を放つのだが、このとき開放された妖力を「空蝉躯投」の要領で瞬時に圧縮しながら駆け抜け、敵の背後に回り込み、再び「黒兎核狩」による裏拳を繰り出す。成功すれば、術者でさえ自分の攻撃の残像を目でとらえることができることからこの名がつけられた。分身とは言うが、実際は超高速の連続攻撃である。

 とてつもない危険を伴う大技であり、使用すれば自身にも大きなダメージを負う。葉裏はこの技を一挙動で繰り出せるまでになり、「回避困難」の特性を持つ外法の域にまで高めた。

 

 ・殺法『一振三殺・三重分身』

 難易度:-

 上述の二重分身を、三連続攻撃にしたバージョン。これを使用するには活性化率70%以上のエネルギーが必要であるが、その状態で生存できる妖怪はいないため、実質的に再現不可能な術である。しかし、葉裏は死の間際、この術の使用に成功している。

 連撃回数はもちろん、速度、威力ともに二重分身を大きく上回る。「回避不可」の特性を持つ外法である。

 

 ・殺法『狂気相練』

 難易度:-

 活性化速度を急上昇させてから一気にブレーキをかけることで、高活性化率に達した状態を維持する技。速度タイプを急激に変化させる必要がある。実戦で使えるレベルには仕上がらず、使用に成功した例はない。

 

 ●孤式一覧●

 

 ・殺法『呪魂瘴』

 難易度:☆☆

 使用者:葉裏

 太古に滅んだ月の蛙の呪い。上級の呪術に位置する。使用には、術者自身がこの呪いにかかっている必要がある。恐慌を引き起こす霊的神経毒であるため、防御が難しい。また対象の妖力を乱し、活性化率を引き上げる効果があり、保有妖力が多い妖怪に対して特に有効。これを応用して、対象の妖力過活性化を促し、狂気を開眼させる技術も存在する。

 有効範囲は短く、相手に接触していなければならない。


 ・殺法『百見心眼』

 難易度:☆☆

 使用者:葉裏

 『注目を集める程度の能力』の応用。一度見てわからぬことでも、百度眺めれば見えてくるものがある。術者自身の視線を細分化し、多角的視点を得て洞察力を高める。また、周囲に存在する他者の視線を感知することで、高い索敵能力を得る。己の内面を見つめ直すことで、精神状態を安定させる効果もある。


 ・殺法『虚眼遁術』

 難易度:☆☆☆☆

 使用者:葉裏

 『百見心眼』の応用。敵の視線や意識を術者からそらすことによって、常に敵の死角をついて行動ができる。視線を誘導していることに気づかれてはいけないため、人体の視覚的情報認識に対する深い造詣と繊細な術のコントロール技能が必要であり、難易度は高い。そのため術の行使中は行動が制限され、突発的な事故が発生すると術を維持できなくなる場合がある。術者単独でしか効果を発揮できない。特殊な認識能力を持つ妖怪に対しては無効化されることがある。

 戦闘中に使用することで、敵の注目を一時的に変化させ、攻撃を鈍らせる効果もある。

 

 ・殺法『百見・虚眼操術』

 難易度:☆☆☆☆☆

 使用者:葉裏

 『虚眼遁術』の応用。敵の「攻撃意思」を感知して操作し、目標をズレさせる。認識と行動を強制操作する高度な幻術であり、対処は困難。意識的に出された攻撃は有体無体、無差別問わず必ず目標からはずれる。広範囲に渡る爆発攻撃や自律型兵器を使用しなければ破れない。

 実用化レベルには達していなかったが、葉裏は活性化率を危険値にまで上げ、脳への多大な負荷を代償とすることで使用に成功した。ただし、そのリスクのため使えば十中八九、死ぬ。

 

 ・殺法『千見・両面宿難』

 難易度:-

 使用者:-

 『百見・虚眼操術』の完成形。虚眼操術は発展途上の術であり、本来はリスク無しで多人数を対象として使えるようにする計画だった。しかし、そこまでの水準まで上げるためには『注目を集める程度の能力』では力不足だった。

 葉裏と裡裏が協力すれば、この術も使えていたかもしれない。

 

 ・殺法『暴れ玄武』

 難易度:☆

 使用者:葉裏

 鬼の鎖につないだ甲羅をハンマーのように振り回す技。甲羅の重量は半端ないので、たいていの物は木端微塵にできる。


 ・殺法『隠れ玄武』

 難易度:☆

 使用者:葉裏

 甲羅の中にもぐりこむ技。甲羅の固さは尋常でないので、たいていの攻撃はこれで防げる。葉裏は好んで使用しない。


 ・殺法『玄武パンチ』

 難易度:☆☆

 使用者:葉裏

 甲羅の中に腕を収納した状態から放つ「黒兎核狩」。全暗殺拳法中、単体では最大の攻撃力を持つ。使用すると、腕が破壊されて使い物にならなくなるので、一発限りの博打技。


 ・『三技一体究極奥義・双頭玄武二重分身』

 難易度:☆☆☆☆☆

 使用者:葉裏

 左右の腕を使った「玄武パンチ」二連発を「二重分身」によって行う技。葉裏が使える術の中では最強の技であり、威力だけなら三重分身をも上回る。使用後は両腕が破壊され義手化し、二度と使えなくなる。


 ・木遁『根付接合』

 難易度:☆

 使用者:葉裏

 義手化した腕が破損したときに備え、ストックしておいた完品の腕を緊急時に装着することができる符術。ただし、自然再生した腕よりも接合部が脆くなり、動きも鈍るために応急処置でしかない。木製ならば自作した義手もくっつけることができる。

 

 ・木遁『這いよるモヤシ』

 難易度:☆

 使用者:葉裏

 もやしの成長速度を上げる符術。本当は植物を急成長させて敵を足止めする術にしたかった。これはこれで便利。


 ・土遁『ぬかるみ地獄』

 難易度:☆

 使用者:葉裏

 瞬時に地面を泥水化させる符術。水遁の技術も一部含む。地上戦ではそれなりに実用的な術だが、空中戦が多い幻想郷では使う機会がない。

 

 ・金遁『妖鋼塊鳴』

 難易度:☆☆

 使用者:葉裏

 義手の表面を金属化させる符術。木製の義手の強度を大幅に上げるが、関節部を保護すると可動部ごと金属化してしまうために動きが制限される。関節部が一番脆いので保護せざるをえないが。

 

 ・水遁『念話符』

 難易度:☆

 使用者:葉裏

 テレパシーの術式を符に込める。五塵、声に属する。対象に持たせることで、言葉が通じない相手とも意思疎通ができる。距離制限はあるが、符を持っている相手となら遠く離れていてもテレパシーで話せる。

 

 ・水遁『濃霧注意報』

 難易度:☆

 使用者:葉裏

 濃霧を発生させる符術。敵の撹乱や身を隠すための目くらましなど、使い勝手は良好。ただし、乾燥した気候下では効果が減少する。事前の設置が肝要。

 

 ・水遁『毒霧煙幕玉の術』

 難易度:☆

 使用者:葉裏

 「呪魂瘴」を含んだ毒の霧を発生させる符術。その霧を吸引させることで、敵の体内に呪いを送り込むことが可能である。恐慌しやすくさせ、強烈な臭気および目や喉の痛みを引き起こす。煙幕としても使える。効果範囲が広いので自分も巻き込まれないように注意。


 ・水遁『雲集霧散・幻朧分身』

 難易度:☆☆☆

 使用者:葉裏

 水蒸気でできた自分とそっくりの偽物を作り出す高度な符術。分身体は符を中心に形成され、攻撃力はなく、強く触れられると術式が解けて消える。濃い霧が出ている環境でしか使えない。念話の術式も組み込まれており、声による敵の撹乱もできる。「百見心眼」を応用した技術で分身を制御している。プログラムされたパターンにそって動き、それを適宜切り替えることで操作する。何体でも作りだすことは可能だが、同時に操れる分身は二体まで。動きはぎこちないが、霧による視界不良と注目を集める能力で何とかごまかしている。


 ・水遁『十重二十重分身』

 難易度:☆☆☆☆☆

 使用者:葉裏

 「幻朧分身」によって作りだしたダミーに紛れて「二重分身」を繰り出す技。大量の分身による一斉攻撃に見せかけているが、実質ただの「二重分身」。それでも複数の術を同時に行使しなければならず、難易度が高いことは確か。


 ・水符『魔刀・水蛇』

 難易度:☆☆☆

 使用者:葉裏

 刀に水を纏わせ、水の刀身を作り出す符術。刀身の長さや形をある程度自在に変化させることができ、そのしぶきでさえ小さな刃と化す。「黒兎核狩」と併用すれば、すさまじい攻撃力を誇る。汎用性は高い。なんで本編で使わなかったんだろう。


 ・水遁『ウォーターヒーリング』

 難易度:☆

 使用者:葉裏

 止血効果のある符術。患部に貼ると、血の流れをコントロールできる。そのため逆に出血を促すこともできるが、攻撃手段としての有用性は低い。肩こりにも効く。

 

 ・水遁『涼水フレッシュ』

 難易度:☆☆

 使用者:葉裏

 体調を整える効果を持った水を作る符術。容器に符を貼ることで、中の水を浄化する作用もある。飲むと気分がスッキリする。切り傷程度なら、塗って治せる。病気や大きな怪我は治せない。

 

 ・変身『スーパー天才チルノアーマー』

 難易度:☆

 使用者:チルノ

 マスターズ・トリプルシックスの転生体であるチルノは、アカシックレコード修正者としての力を借りうけることにより、あらゆる攻撃を無効化できる氷の鎧を作りだすことができる。しかし、その強大な力の制御には時間がかかり、完装まで3分を要する(敵前でのみ使用可能)。

 なお、むしろ恐ろしいのは装着時間を待たずに攻撃を仕掛けてこようとする無粋な敵に対するチルノ氏の逆ギレ制裁である。このときばかりは普段は冷静な氏も大激怒。

 

 ・切り裂く絶対の太刀『最終百烈連理氷王凍結運命修正剣』

 難易度:☆

 使用者:チルノ

 宇宙に満ちるアストラルエナジーの特異点となる伝説の剣、レコドードブレイカーソードによる無慈悲なる一撃。しかし、レコードブレイカーソードを召喚するために必要なエナジーチャージには3分を要する(敵前でのみ使用可能)。

 次元さえも切り裂いてしまう剣の威力を目の当たりにした者は、その圧倒的存在感に震えあがる。その心境はさながら、二度寝していた日曜日のお父さんが朝アニメを見終わった息子の奇声とともに叩き起こされる感覚に似ている。

 

 ・睡拳『狸寝入りの術』

 難易度:☆

 使用者:ルーミア

 読んで字のごとき技、ではない。強大な敵を前に、無防備に寝姿をさらすことで保護欲をかきたてる術。天使の寝顔を見せてあざとくアピールすることがポイント。ただし、真のドSには通用しないことに留意しよう。

 

 ・封印『あかいリボン』

 難易度:-

 使用者:ルーミア

 封印された大妖怪、「宵闇のルーミア」を解き放つ禁断の呪符。乙羅暗殺拳の奥義を会得した彼女がかつての力を取り戻せば、何が起こるかわからない。解くなよ、絶対解くなよ。

 

 ・屹立『TNTNの目覚め』

 難易度:☆☆

 使用者:みすちー

 魅惑のTNTNボイスに取り憑かれた夜雀の悲しい末路。TNTNに近い音を聞く、もしくはキノコ状の物体を目にすることで発症する。活性化率を強制的に5%引き上げて力を得る代わりに、常識を捨て去って暴走する。自然に鎮静化するのを待つか、気絶させるかでしか暴走を止める手段はない。

  

 ・段取り『かませ虫アタック』

 難易度:☆☆

 使用者:リグル

 死亡フラグに見えて、実は生存フラグである。これはただ敵にやられているのではなく、熟練されたかませ芸であり、繊細な技術の上に成り立っている。真正面から敵の攻撃を派手にぶちかまされたように見えるが、それは自ら取ったリアクションであり実際は気絶する程度にダメージを抑えている。その後の出番を一切失うかわりに命を守る、汚い保身術。

 

 ●孤式奥義一覧●

 

 ・一式奥義『狂愛殺法』

 使用者:葉裏

 「ウサギ耳型インターフェース」により永琳に対して攻撃できない葉裏が考えた突破口。愛ゆえに殺し、それ以外の他意を持たずに復讐する。狂った愛を自分に騙ることで永琳に届こうとした。それも結局は狂気と執着が生み出した幻想でしかなく、葉裏の心に愛はなかった。

 最後まで完成しなかった、できそこないの奥義。

 

 ・二式奥義『ミッドナイトレスリング殺法』

 使用者:ルーミア

 食欲にとらわれたルーミアに足りないもの、それは三大欲のバランス。そのため睡眠欲と性欲を極める特訓の末、その二つを融合させた強力な奥義を編み出した。戦闘中に眠ることにより、すべてのしがらみから解放された無心の境地にいたり、殺気すらも起こさない暗殺拳『睡拳』と、あらゆる性戯に精通した魅惑の『ミッドナイトレスリング拳』とその亜種『大人のマッサージ拳』をつかいこなす。さらにそれらの拳法を融合した必殺技『迎春・催眠逝天昇撃』を受けた者は、めくるめく淫夢の世界に落され抜け出すことはできないだろう。

 

 ・三式奥義『料理之鉄人殺法』

 使用者:おかみすちー

 鳥としての宿命は、おいしく焼き鳥にされて食べられることなのか。人間に飼われる鶏を見て、自分の存在に疑問を感じるミスティア。食とは何か、被食者としての立場からその答えを求める。みすちーが作りだす狂気料理『夜雀の黒シリーズ』は、一度食べればほっぺたがこそげ落ち、わなわなと震える手で握り締める箸を放せなくなるうまさ。そして、お残しをする悪い子にはあらゆる手段を用いてその口に料理をねじこむモラルを兼ね備えている。

 

 ・四式奥義『痛寒洒落殺法』

 使用者:チルノ

 最強になることに固執するチルノだが、その技は冷気を操るというまあそれなりに強そうだけどなんかありきたりな能力だった。葉裏は最強たる者、いかなる強者よりまずユニークであることを説く。ダジャレにちなんだ独自の暗殺拳法を。

 得意の中二病ギャグの寒さによって敵を凍結させる奥義。ついにはネタいかんによらず、術者の醸し出す雰囲気のみをもってして絶対凍結領域を作りだすまでに至った。相手は死ぬ。

 

 ・五式奥義『蟲魂突貫殺法』

 使用者:リグル

 生きることは汚れている。だれかが生き延び、誰かが犠牲になることでしかない。ならば、最後まで生きることを諦めない者こそが勝者である。自然界において常に死の危険と隣り合わせの虫けらとして、どんな手を使ってでも生き延びる卑怯さを学ぶことで得た奥義。

 具体的には不意打ちの飛び蹴り。敵の口上を中断してでも繰り出すその蹴りは、二技連結奥義『跳白連結・暗瞬兎跳』を限定的に再現しており、威力は本物。その自爆覚悟の捨て身の攻撃は、思わずくらってあげないと気の毒になるほど。

 

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