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異世界と私と時々ウサギ  作者: 酢昆布
第三章 遠のく季節
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痕跡

あまりに苦しかった。

イシュはどこへ行ったんだろう。私を嫌いになった?

考えても考えても、結局最後に頭に浮かぶのはいつも同じ事だった。

イシュは行ってしまったのだから。



世界は真っ暗になった。



息の仕方を忘れそう、瞬きってどうやるんだっけ?でも、イシュの事は忘れられない。



毎日が他人のように過ぎて行った。

カイはいつもそばに居てくれた。エマもサラも毎日紅茶を入れてくれた。

毎日来ていたウサギさんは来なくなっていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アレから、しばらく。

このぼんやりとした虚無感にも慣れて来た。

落ち着いて来て、あの時の事を考える事も少なくなった。

その分、鮮明に思い出してしまっている気もする。

でもそのおかげで、ある事を思い出した。


イシュはあの時、じゃあまたって言ってた。またってことは、もしかしたら、また会えるかもしれない……でも、気分はあまり晴れない。

所詮は言葉なわけだから、もうずっと帰って来ないのかもしれないし、それより、私はさよならって言われたんだ。さよならは別れの言葉だ。


ああ、やっぱり思い出さない方がよかった。気分はどんどん暗く、沈んで行く。



「薫様...!やっぱり俺、城にっ」


「カイ、ダメだよ。来ちゃダメって言われたでしょ?」


最近カイは元気が無い私を気にして、城に行くというようになった。

理由を知りたい気持ちはあったけど、今行ったらイシュを確実に困らせてしまう。でもそれよりも、自分が心配だ。イシュの事を考えるとあの苦味が胸に広がる。


「薫様、カイ君、街へ行きましょう!」


エマがお茶を注ぎながら発案してくれた。

うん、いいかもしれない。気分転換は必要だし、前に考えてた事もあったし。

前に考えたのは…あ、イシュが絡んでたなぁ。


「うん。行こうかな?楽しそう」


「じゃあ、馬車を出しましょうか!」


サラが馬車の手配を始めてくれる。どうやら、みんなで行くみたいだ。


サラとエマは本当にいい人だと思う。

あの日から私にスゴく気を使ってくれて、2人は全ては知らないけど、イシュが帰って来ない事も考えて少しわかっているようだった。


少しづつ、また前に進み始めた。



夏休みに入りましたー♪───O(≧∇≦)O────♪

今までよりはハイペースでの更新を目指します!

次は街です( ´ ▽ ` )ノ


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