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異世界と私と時々ウサギ  作者: 酢昆布
第二章 勇者
39/51

寝坊

開け放たれた窓からのひんやりとした風で目が覚める。

習慣でイシュを起こしに廊下をぺたぺたと歩く。


「イシュー?朝だよー」


あの時気がつかなかったのが不思議。

布団をめくった先には、空っぽの布団が残ってるだけだった。

つまりは、イシュもう起きて出かけたって事。

...屈辱、寝坊した!


仕方なく、これもほぼ週間と化しそうだけどカイを起こしに行く。

ドアを開けると、エマとサラがベットを直してる所だった。

いつもお世話になってます。


「あ、2人ともありがとう」


「はいっおはようございます!薫様!」


2人とも笑顔で挨拶してくれる。あぁ、私、2人のこういうとこ大好きだわ。

カイの布団(変えてもらった)にチラリと目を向けると、カイはまだそこに居た。


「カイ?起きてー」


しっぽをパタンと揺らすだけでぜんぜん起きない。

なんで此処の人はみんな朝弱いの?少なくとも、人を起こす方法で頭を使ったのは初めてだな。うん。

まぁカイは取りあえず...


「イシュはもう起きたよ?カイ、起きて」


お兄ちゃんに張り合う幼稚園児のごとく瞬時に起きたよ。


「薫様、おはようございまっす...」


あ、まだ眠いんだ。

語尾がぐだぐだだよ、カイ君。


あ、そういやイシュはもう出かけたのかな?


「ねぇエマ、イシュってどこに居るの?」


「え?あぁ、イシュ様ですか?今日朝早く城とは違う方向に出かけて行きましたよー!薫様が寝坊なんて珍しいですね」


「うんまぁ、昨日遅かったから。不覚」


「お一人でお出かけなさるときはいつも馬で行くんですが、今日は馬車だった辺り、どなたかご一緒なのでしょうかねぇ」


今のはサラ。

ふーん、誰かと一緒なんだ。


「あいつ友達なんて居たんですね」


お、カイ起きたのね。

なんで、この2人仲悪いんだろう。ちょっと面白い。

だってこんなに対抗し合う人も珍しいよね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


昼間は、エマとサラとお菓子を作った。

今回はプリンだったから、皆に配る事は出来なかったけど、カイは気に入ったみたいで5個も食べてたし、楽しかったなぁ。


「カイお腹壊すから、やめなって!」


「大丈夫です!薫様の作る物に毒物なんて絶対にありませんから!」


「そうじゃなくてー!」


そう言えばそのお茶会でカイとエマとサラはすんごーく仲良くなった。

なんか、悪友みたいな。

そのうち、イシュに何かしそうで怖いけど。


あとは、魔法を使ってみた。傍聴、カイで。

ホントに集中すれば軽く家とか作れるくらい、何でも出来るみたいだったから問題は私の空想力みたい。ファンタジー系の本をいっぱい読んで、そういう知識をためる事を検討してみよう。


意見を募った所、出た意見は、


「矢がビューン!って炎と一緒に!いやむしろ炎が矢?うんそれがいいと思います!」


がサラ。何となくイメージは湧いたけど、ちょっと中二臭くないですか。

ちょっとそう言うのはさける方向で。


「使用者のスペックをめちゃくちゃあげるとかどうですかー?!パンチで地面へこむみたいな!」


がエマ。まぁサラより実用的だけど。怖いね。

もうちょっと威力を下げよう。うん。


動物アニマル型!薫様はやっぱりオオカミですか?!」


それカイがやりたいだけだよね...。

という訳で、検討が必要そう。


イシュは、夕方になっても帰ってこなかった。

いつもは帰ってくるのに。日もとっぷり暮れて、心配になって来た頃マーサさんが教えに来てくれたんだけど、今日は城に泊まるんだって。


今となっては、それが、ううん。今日の朝からが始まりだったのかもしれない。



イシュは5日経っても帰ってこなかった。


でも、仕事が忙しいんだと思ってたし、その頃はそんなに気にしてなかった。

ただ気になったのは、約束の明後日にも顔すら見せなかった事。イシュが言い出した事でしょ?


イシュが居ない間もカイや皆と遊んだりしてたけど何となく寂しかった。

イシュはもう帰ってこない気がした。


新章はいりまーす!

いやー長かった!


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