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異世界と私と時々ウサギ  作者: 酢昆布
第二章 勇者
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大人げない

イシュは私を見るなり、満足そうに頷いて稽古場の方へ私を促す。

その時、さり気なく手をつないでくれるのが嬉しい。


「あのね、レモンパイ焼いたんだ。だからコレ、差し入れにと思って...」


「ん。ありがとう」


返事は素っ気ないけど、耳は真っ赤だ。

うっわー。イシュ可愛いー...普段魔王なくせに。


「嬉しいけど...あんまり一人で外を出歩くな。心配だから」


心配させたみたい。ちょっと反省。

あぁ。もしかして、なんだか静かな理由はそれ?


稽古場に目を向けると、全員こちらと言うより、私をじっと見ている。

好奇の目は稽古場に入るとより強くなった。

居心地は悪いけどイヤな感じはしない。ただ純粋に興味を持たれてる感じ。

もちろん中にはルシファールさんもいる。


すると一人が前に出て来て、何かを言おうと口を開く。周りの人が何も言わず見守る辺り、代表、と言う事らしい。


「隊長!それが噂の、か、か、か、薫ちゃんとか言う…」


いやいやいや。どんだけ噛んでるのよ。隊長としてのイシュは怖いとか……うん、ありえる。普段だって怖い時あるもの!


「そうだ」


と、イシュが肯定した途端。今まで張り詰めていた空気が嘘の様に、わぁっ!とコメントの嵐が巻き起こった。


「っマジかよー!!隊長に彼女!」


「隊長すごいっす!薫ちゃん可愛いっす!」


「噂じゃなかったー!だから言っただろー、マジだって!」


今まで女性の影が見られなかったイシュに私は特例ってことはわかって来た。分かって来たものの……コレは恥ずかしい。

だんだん熱くなるほっぺたを隠すようにイシュの後ろに隠れると、イシュが手をやんわり握ってくれた。


「うるさい。20分後に再開するからな!」


『は、はいっ』


ほっ、やっと私への興味がそれた。悠長にそんな事を思ってたら視線は再び私に集まる。

否、レモンパイに集まっている。


「薫ちゃん…そのカゴの中身は…」


そう聞いたのは、ルシファールさん。


「あ、レモンパイです」


そう言うと皆、目を輝かせてカゴを見る。こんな分かりやすくていいのか?


「あの、もし良かったらソレ、俺たちにも…「俺のだ」


イシュ!どんだけ大人げないのあなた!!これは、みなさんに、です!でもなるべくそっと説得を試みる。なんでってだって、怒っちゃうとあとで面倒くさそうだし。


「沢山あるので皆で食べよ?ね。イシュ」


「ヤダ」


あー!めんどくさい!


「イシュには家にも作ってあるから!」


イシュはそれでも悩んでいたけど、悩んだ末に折れた。


隊長が折れた!とかなんとか聞こえてきたけど、イシュっていつもはどんな人なんだろう。本当に分からない。


「あ、じゃあ1つずつどうぞ」


そう言った途端に食いつく人達。

甘いもの好きなんだー。スイーツ系男子と言う言葉を思い出しました。


○○系男子(女子)っとか言うの流行りましたよねー!

え?もう流行ってない?

ちょっと気分転換に新しい小説たちあげましたー。

気分転換にどうぞー!

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