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異世界と私と時々ウサギ  作者: 酢昆布
第二章 勇者
30/51

稽古場ってどこだぁ!

考えてるうちに門が近づいてくる。

あー、入れるかな?でもよく考えたら、サラとエマは何も言ってなかったし入れるよね!


「通行パスお願いします」


止められたぁー!!ダメじゃん!あかんやん!

パスって何?知りません!


後ろでめちゃくちゃ焦ってる私を気にもせず、トムさんがいつの間にかパスを渡していたようだ。

馬車がまた進みだす。


ふー、よかった。

焦る必要なかったじゃん!私!どんだけ緊張してんのさ!

いやしかし、稽古場にはどうやって行こう?


「トムさん稽古場どこか知ってる?」


「いやぁ、私は送り迎えだけなので分かりませんの」


知らないのかぁ。うーん。


結局、場所は分からないまま外に出る。いい天気だ。

お城は、門から少し入った所に石畳の道が続いていて、そこからすぐに入り口になっている。


入り口にはいつもたくさん人が居るから、そこで誰かに聞こう!うん!

おっよーし!ひと発見!


「あの、稽古場ってどこでしょうか?」


答えてくれたのは無精髭の優しそうなおじさん。

優しそうな人を狙いましたとも。えぇ。だって怖いじゃん!


「稽古場?突き当たり曲がって右。今日は確か7番隊だよな。お嬢さんも隊長のファンかい?親衛隊の人たち過激みたいだから、気をつけるんだよ」


なんていい人!教えてくれた上に私の心配までしてくれるなんて!

それにしても親衛隊...ほんとどこにでも居るなぁ。


…………………………………………………………


稽古場に近づくにつれ、活気のある声が聞こえてくる。そしてなんか男臭い。

お兄ちゃんの部屋もこんなにおいだったなー。


おじさんが教えてくれた通り、稽古場の周りはすごい人垣だった。

と、言ってもかなり離れた所で見ている。怒られるから?

人ごみの中にマリーナさんを見つけたから、手を振ってみるけど、ぷいっと無視されてしまた。ちょっとショック。


そのとき、人垣が割れて稽古場を一瞬見る事が出来た。


「あ、イシュ」


イシュは奥の方で他の人の稽古を見ながらなにかを叫んでいる。



…カッコいい。



なんか、男の人だなぁ…横顔とか。

そこらのモデルよりも全然カッコいいから、胸キュン倍増だし。


すぐに人垣がまた元にもどって見えなくなる。


…今思ったけど、こんなに人いたら渡せないじゃんっ!!

中には入れないみたいだし。うーん…どうしよう!

さっぱり思いつかないなぁ…今日は諦めるしかないかないかなぁ。


さっきまで聞こえてた稽古の音が消えた。

どうやら休憩に入ったって事らしい。

しかたがない背を向けて帰ろうとしたところに、声が響く。


「薫は?」


あ…イシュ、気づいてたんだ。

目があったようには思わなかったけどなぁ…嬉しい。

本当は今日、このまま帰りたくなんてなかったし。


「イシューココだよー」


イシュに向かって手を降ると、ゆっくりとこちらに歩いてきてくれる。

周りの "親衛隊" に睨まれたけど、止めるつもりは無いらしい。

認めてくれたとか!……いや自分で言っといて何だけど、ナイナイ。

だって皆さん強烈だし。アイドルの追っかけみたいな?



我ながら微妙な切り方w

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