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異世界と私と時々ウサギ  作者: 酢昆布
第二章 勇者
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契約

激しい風に立っているのもやっとの中、

風の中におぼろげだけど、何か大きな影が見える。


数分後、飛び出して来たのは…オオカミだった。

先程の遠吠えも気のせいではなさそうだ。

私が乗っても大丈夫なぐらい大きい。毛は雪のように白い。


…めちゃくちゃ可愛い!いますぐ近づいて行って、抱きつきたいモフモフしたい!


今の言動で分かると思うが、薫は相当な動物好きである。


オオカミがこちらをじっと見ている。

あ、目が青い。


風は止んでいる。


「ご主人?」


のわっ!喋った!見間違いでは無い。絶対、今喋ったのはあのオオカミだ。


「薫さん、返事をしなさい」


どうしようかと戸惑っていると、パルカさんが小声で教えてくれる。


「はい?」


「貴方が僕のご主人ですね。では、契約を」


契約?え、何それ。おいしいの?

だってパルカさん、ちっとも教えてくれなかったじゃないですかぁぁぁ!

しかし今度は、何か教えてくれそうな気配は無い。……困った。

分からない時は素直に分からないって言おう!うん。


「あの…できたら、契約の仕方教えてくれたらなーっなんて」


オオカミはじとーっと私を見ながらも、答えてくれた。


「名前を教えて頂ければ良いんですよ」


「なんだー名前かー。…薫と言います」


「僕はカイルです。カイって呼んでください。薫様、よろしくお願いします」


そう言って下から見上げて来るカイ。……ズッキューン!…かわええ。

思わず抱きついてモフモフしそうになる。…危ない危ない。

この子なんとなく厳しそうだから、そんな事したら嫌われそうだ。それだけは嫌だ。

私のすぐ下にいるカイは、さっきから私をじーっと見ている。


「何?さっきからじっと見て」


「……薫様!!大好きですっ。さっきは緊張してたんです。冷たくしてごめんなさい」


「…!そうなんだ。良かった。嫌われてるのかと思ってたから…」


「薫様を嫌うなんてあり得ないですよ!大好きです」


……なんなんだろう。カイはさっきから、大好き?私も大好きだよ。…じゃなくって!何で大好き?


「何で大好き?」


これにはパルカさんが答えてくれた。


「使い魔っと言うのは、主人が大好き、と言うのは有名な話なんだよ。薫さん。でもそのカイくんはびっくりする程、薫さんが好きな様だね」


「薫様は可愛いし、魔力は大きいし、優しそうだし、大好き!」


「…おい。薫は俺の物だ」


そう言って来たのはもちろんイシュだ。何、言ってるのーっ!!


「薫様、こいつ誰ですか?」


「イシュだよ。えっと…付き合ってるのかな。うん」


「何でこんなヤツと?」


とか言いながら、イシュを睨みつけるカイ。睨み返すイシュ。

何なんだ!


睨み合う2人をなんとか引き離して話を続ける。


「それで、カイってどんな事が出来るの?」


薫様の為なら、僕は何でもできますよ!と言うカイはほっておいて、パルカさんに話を聞く。


「使い魔と言うのは基本的に愛玩動物なんだよ。でも、ここぞと言う時に、主人を多いに助けてくれる。しかも、普段魔力を使わない分、強力だ」


なるほど、だからウサギさんは使い魔を勧めたんだ。


「それから、白い使い魔と言うのは、非常に珍しい。大抵、黒だ。別に白だからどうとか言う事はないがな」


へぇー。でも白、可愛いもんな。


「まぁ、仲良くやりなさい」


「はい!ありがとうございました」


「薫、行くぞ」


パルカさんに御礼を言い部屋を後にする。

もちろん、カイも連れて。


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