プロローグ【夢だと思ってたら】俺はこうして、異世界に旅立つことになりました【夢じゃなかった】
俺の妄想があふれ出た
18禁にすると描写が面倒なので、R15レベルで
ん、なんか頭がふわふわしてる。
ここはどこだろう。
目の前には天使が一人と、その周りには球体の何か。
それ以外は、あたり一面真っ白だ。
「―――――――――」
天使が何か言った様だが、俺の頭が回ってないせいか、理解できなかった。
どうも、頭がすっきりしない。
周りがぼやけて見えるというよりは、寝起きの状態に近い感じ。
「――――――――」
まだ、天使が何か言っているようだ。
俺はそれを右から左に聞き流しながら、ゆっくりと意識を取り戻していく。
そんな俺の頭の中で、今現在分かっていることは三つ。
・意識はある(ようやく戻ってきた)
・ここは見たことない(なんか真っ白な空間。周りに球体がごろごろ落ちてる)
・目の前には美人の天使
そうして俺が出した結論は簡単だった。
これ夢じゃね?
しかもあれじゃね、夢だと分かってる夢っていうやつ。
何回か経験したことあるし、なんかそれっぽい気がする。
ちなみに前回の経験は、
俺=悪代官
相手=村娘
とかでしたwwwwwwww
まあとりあえずあれだ。
俺、これから目の前の天使さんとボーナスステージの時間ですか?
好きにしてもいいんですよねwwwwwwww
うはwwwwwwwwwwwっをkwwwwwwwww
「――――――――!!」
うんうん、天使君、最早君は我が手中にあるのだよ、諦めたまえ!
おじさんがいっぱい可愛がってあげるからね、うひひひひひ
「――――――――――!!!!!!」
天使がなんか叫んでいるが、これはきっとそういうシチュなんだろう。
割とはっきり聞き取れるのに、何言ってるかわからないしな。
それじゃあ早速
いただきまーーーーーす!!
「えっとなに、つまりここは神の世界で現実ってこと?」
「ええ、ご主人様の感覚ですと、そのように思われて間違いないと思われます」
今現在、俺は天使、というか天使の格好をした神(自称)のルナに事情を聞いていた。
というのも、延々数時間好き放題し、その後のスーパー賢者モードに入ったとき、俺はふと疑問を持ったのだ。
一つ、夢ってこんなに長々と続くものだったっけ?
一つ、夢を夢と認識できる夢といっても、ここまで明確な意識とか持ってられたっけ?
一つ、童貞の俺が、何であそこまでリアルな感触を味わえたの?
等など。まあ、細かいところまで挙げればきりがないが、そんな感じに疑問を持ったのだ。
とりあえず現状認識しようと思って、周りを見てみると、球体の何かが落ちてたのでそれを覗いてみたら何とびっくり。
中に世界があるんだけど。
しかも、なんか俺がいたような世界なんだけど。
え、あれ、もしかしてここって、上位世界的な何かですか?とか思ったんで、他の球体を見てみたら、出るわ出るわ。
SFっぽいのから、ファンタジーっぽいの、はたまたなんか良く分からないクトゥルフっぽいのまで。
ついでに、俺の言語じゃ言い表せないものなんかもあったわ。
多分あれは、確実に別の原理原則が働いてるね、間違いない。
あれ、もしかして俺、夢だと思ってやばすぎることやったんじゃね?
場合によっては、あの言葉では言い表せない世界とかに飛ばされますか?
あるいは、地獄すら生ぬるいとか言われそうな世界に飛ばされますか?
それとも、ここで存在から消滅とかでせうか……?
そう思っていると、天使がちょうどよく起きてきたわけだ。
「んっ……」とか、色っぽい声あげながら。
さすがに焦ったね。ちょー焦ったね。
焦ってどうにかしようと思ったけど、ここじゃどうにも出来ないことに直ぐ気付いたけど、でもやっぱりどうにかしたくて。
とか考えてもやっぱりいい考えが浮かばなくて。
だけど、そんな俺のことに気付いた天使の第一声が俺に光をくれましたよ。
「ご主人様、どうされたんですか?」
ってね。
……夢だと思って好き放題してたなかで、なんだ、まあ、そういう風に調きょげふんげふんしたのが幸いしたのか。
どうも天使の中で、俺と天使の位置関係が
俺=ご主人様
天使=奴隷
というのが確定しているっぽい。
つまるところ、このままの関係でいれば俺がピンチになることもないわけだ。
そこでようやく冒頭に戻る。
情報を持たないことにはどうしようもないから、俺は内心びくびくしながらも、偉そうに天使に色々聞いてみることにしたのだ。
その中で分かったのは以下の通り
・天使は、俺の世界で言うところの神みたいなもので、名前はルナっていうらしい。
・俺のいた世界は、あの球体の中にあり、ルナが観測して暇を潰すために作ったものらしい。
・その辺に転がってるのも全部同じようなもので、それぞれ別の世界らしい。
・俺がここにいるのは、どこか別の世界に放り込んで、その中であたふたするのを見て楽しむためだった。
・ちなみに召還当初喋っていたのは、俺には理解できない言葉みたいなものだったらしい。ルナはドジッコ。
あれの過程で気付いて、俺にも分かるように変えたらしいが。
簡単に言えば、以上である。
転生テンプレ乙と言わざるをえない。
正直バッチコーイですけどね、ええ。
「で、これからどうすんの?」
「えっと、あの、ご主人様はどうされたいですか?元の世界に戻すことも可能で」
「ファンタジーの世界に飛ばしてくれ!」
「ひゃいっ!」
どうしたいとか聞かれたから、即答しちゃったよHAHAHA!
俺のあまりの勢いにルナは驚いていたみたいだが、しょうがなくね?
だって、異世界にいけるんだぜ?
しかも、異世界に飛ばす神が俺のいいなりだから、俺の思い通りなんだぜ?
行くしかなくね?
ていうか、ここでNOって答える奴は、リア充だ。モゲロ。
「えっと、仕様というか、世界観というか、そういうのはどうしますか?」
「中世ヨーロッパ風味の剣と魔法の世界。
俺の容姿は黒い服の似合う黒髪のイケメンで。ただし、年齢は18あたり。
ヒロインの一人に黒髪で大和撫子な容姿の子ヨロ。
後はあれだ、俺に都合がいいように適当に」
神様だし、とりあえずこれだけ言っておけば十分だろう。
きっと、俺の頭の中とか覗いて、ばっちりやってくれるに違いない。
ちなみに黒髪で大和撫子は俺の趣味。
前の世界ではついぞ出会わなかったんだから、このくらいは許されるはず。
「はい、準備が出来ました、ご主人様」
「お、早いな。んじゃ早速頼むわ」
俺がちょっと黒髪の大和撫子と脳内で戯れてる間に準備が出来たらしい。
なんか早すぎる気もするが、そこはあれか。神だし俺の常識とか通用しないんだろう。
「それではご主人様、いってらっしゃいませ」
ルナのいい笑顔を見ながら、俺の意識がブラックアウトしていく。
ていうか、笑顔が良すぎて逆に怖いんだけど、信じていいんですよね―!?
こうして、俺の異世界冒険譚は始まった。