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出会い。社会人学生の二人

更新しました。といっても、文中の主任→班長、重複エピソードを削って語尾を整える程度で、内容の変更は有りません。

 朝の執務室の中は喧噪に包まれている。

 一年三百六十五日、常に動いている警察署内であればなおさらのこと。今から制服に着替えて仕事に取りかかるメンバーは当然として、当直上がりの引き継ぎを終えてこれから着替えて帰る者、仮眠明けでもう一仕事するために、まずは朝食をと、近くの店まで飛んでいく者。

 

 丹波春久(たんば はるひさ)も足早に挨拶の輪に入ると、小脇に抱えていた菓子箱を庶務の机に置いた。

 「適当に配って」

 「ありがとうございます!」

 軽く手を挙げて、そのまま窓際近くの席に着き、スーツの上を脱いで椅子の背に引っ掛けた。行儀は悪いしスーツの型が崩れる元とも判っているのだが、そのポケットには業務用携帯や個人の携帯、なにより身分証となる警察手帳や庁舎に出入りするための職員カードも入っている。手元から離すわけにはいかない。席近くに設置されているロッカーは、主に荷物と冬場のコート用だ。

 机の上のパソコンに電源を入れ、パスワード画面が表示されるのを待つ間に、再び立ち上がった。給湯室で朝のお茶を汲み、そこで話をしているメンツにも挨拶をして、自分の席に戻る。四日ぶりの出勤だ。メールが溜まっているに違いない。

 

 周知メールはさっと目を通してゴミ箱に捨てる。次にフィルタリングされて指定フォルダに入っているものを確認する。こちらは現案件が関わっているため、一通り読み込んでおく必要がある。電話をするほど緊急ではないけれど、出勤してすぐに処理をしておかなければならないものもあるのだ。

 ふと、人が近づいてくる気配に、顔を上げた。

 「丹波係長、おはようございます。久しぶりにゆっくり休めました?」

 休んだというか、走ったというか……。

 「リフレッシュさせて貰いました」

 相手は春久のすぐ下に付く班長の一人。とは言え、年上、経験も長い。だから基本、敬語で話されれば丁寧語で返す。

 「タンさん、白バイより走ってるんじゃないんですか? あ、でも三連休だから大学ですか?」

 敬称付で名字を呼ぶのが班長だけれど、それより下の班員たちはタンさんと、気軽に呼ぶ。だんだんと階級の垣根が取っ払われてきた、最近の風潮だ。班長は一瞬注意したそうな顔になったけれど、飲み込んで「土産頂きます」と口にしただけで自分の席に戻った。ヘタに口を突っ込むと、コンプラだのなんだのと突き上げられる元だ。

 

 以前彼が、地域課から異動してきたばかりの巡査に注意をしたところ、後日春久も一緒に課長から呼び出されて注意が入った。春久に対しては、部下の監督不行き届きだと。とは言え、課長も気持は判ると班長に同情的で、

 「出来ていないことを叱ってもらえてありがたいと、俺たちの時は上に言われて仕事を覚えてきたんだがなぁ。ただ、訴えがあった以上は確認も必要なんだ」と、溜息交じりに班長の肩を叩いた。

 班長はとばっちりを受けたようなものだが、以来、下に対してはいつも少しばかり間を置いてから口を開くようになった。時にはこうして、口を閉じてしまうことも。それが彼の負担にならないか、そちらの方が心配になる。

 

 机から遠ざかっていく背中を視線で追っていたが、

 「純粋に泊まりがけのツーリングだよ。キャンプ道具を背負ってね」

 と、声を掛けてきた相手に視線を戻し、笑って応えた。

 「お一人ですか?」

 「いや、友人と一緒に」

 「平日の三連休ですよ? ああ、同じ警察官」

 「土日祝日が休みの社会人だよ。繁忙期を乗り切ったからと、休みを合わせてくれた」

 余っているからと、有給を駆使してくれて。

 「タンさん、うちみたいな生活部より、白バイの方が良かったんじゃないんですか? 好きなだけ走れますよ」

 「走りたいときに走るので充分。それよりも、学校巡りのスケジュール作成頼んでいたよね? 出来ていたら見せてくれる? 班長たちともすりあわせしたいから」

 「あ……メールで送ります。なるはやで!」

 用事を口にすれば、飛んで自席に戻っていく。あれは、まだ出来ていなさそうだ。

 

 「丹波長、会議の時間です」

 班長に机をノックされ、顔を上げた。

 「十分前です」

 「ああ、ありがとうございます」

 急いで机の上の書類を引き出しに仕舞い、鍵を掛ける。パソコンも画面ロックして、右手で置きっぱなしに出来ない上着を掴んだ。左手は机に残しておいたノートを拾い上げ、声を掛けてくれたり執務室入り口で待ってくれていた参加者たちに礼を言いつつ、急いで会議室に向かう。準備に時間がかかることを知っているから、十分前に声を掛けてくれる。班長たちはそうやっていろいろ気遣ってくれるのだから、その下に付くメンバーも、自分が恵まれていることに気づいてくれればと、願う。もちろん良い関係を築いている人も多い。けれど、彼らが口を閉ざすことも確かで。言いたいことを言い合える職場作りが春久の仕事だ。

 

 会議室に入った途端

 「学校巡回スケジュール、届きました?」

 と、確認されて、首を振る。少なくとも、先ほどまでチェックしていたメールには無かった。

 「すみません。一度念押しはしておいたんですけど、俺も昨日は休みだったので、最終確認まで出来てませんでした」

 「同列で係長とは呼んでいるけど実質課長補佐から直々に声を掛けられて、直属の班長からも念押しされてたら、いの一番にやるだろう、普通」

 「後で再確認して、ダメなようなら自分がやります。本当の締め切り、教えていただけますか?」

 「課長には、明日の夕方にはと言ってます」

 「了解です」

 出来ないのを見越して早めに締め切りを設定した、わけでは無い。本人にも言ったように、班長間でのすり合わせの時間も考えての調整だった。確かに班長たちにやって貰えば相互連絡も取れていて確実で早い。ただ、それを任せられた意味を感じて欲しい。

 

 それぞれに飲み物を持って、他の係長や班長たちとも軽く現状の共有をしていると、課長が入ってきた。

 「丹波、リフレッシュ出来たか?」

 久々に取れた三連休、休み前にもしっかり英気を養っておけと言われていた。よほどのことが起きない限り呼び出すことは無いからと、離管届けも気安く受け取って貰えた。

 「できました。庶務に土産も渡してますので、よろしければ」

 「口に入ると思うか?」

 それは保証できない。一人一個は当たるように考えて購入しても、たまに、気に入ったのか、二個三個と取って行くのも居たりする。だから、上になるほど、諦めている。

 「丹波長のように若くて独身なら、女子もわざわざ机にまで運んでくれるんでしょうけど」

 「独身は独身でも、バツイチですから」

 にこりと笑った。

 「おっと。失礼」

 大学時代に付き合っていた彼女は、春久が警察官になったことを、安定した仕事だからと喜んでいた。二人の卒業を待って入籍した。けれど、最初の半年は警察学校で単身寮生活、それを過ぎれば仕事では昼夜逆転することも多々あり、勉強も必要でと忙しくしているうちに、妻は新しい相手を作った。一年経たずして、あっさり離婚。相手の浮気による離婚なのに慰謝料も取らなかったと耳にすれば、どれだけ人が良いんだと聞かれたりもするが。

 早い結婚と破綻は、春久が世間知らずだったことを吹聴するようなものだし、大学卒業してすぐに専業主婦を決め込んだ彼女に慰謝料を払えるとも思えない。仕事柄異動も多い。そうしているうちに、今の電話番号すら知らない関係になっていた。

 本当に、家に戻れば人の気配がする、それだけの時間だった気がする。春の異動で多くの同僚が住処を替わるのに合わせて、春久も引っ越しをした。警察学校時代は寮だったから、春久自身は半年間だけ住んだ夫婦用官舎から、その後独身寮に移ったのは、警察官になってちょうど一年目だった。

 

 昔のことだと意識を戻しつつ、手を振って席に着けば話も終わり、全員がそれに倣った。

 

 

 明後日からは夜勤番に回るのだから、定時で帰れよと言われてたので、ありがたく従った。休暇中に使ったテントや寝袋を干したり、着替えの選択をしたりとまだ後片付けが終わっていない。

 一緒に行動した三人も、今頃は仕事を終えて同じようにバタバタと片付けをしているだろう。一人暮らしだと誰かに任せておくこともできない。

 「それ、実家暮らしでも同じだから。趣味のものなんて、後始末まで自分でやるしかないじゃん」

 ふと、そうやって唇を尖らせた男を思い出して、口元が緩んだ。

 「片付けまでがキャンツー」

 後の二人も苦笑いをしながら同意している。と言っても、二人は妻子持ちで、洗濯だけは家族分纏めて彼らの妻がやることになるだろう。

 

 今回のツーリングの同行者は四人。

 妻帯者のうち一人は高校時代の同級生で、同い年。平日だからこそ、妻と子どもを放置できた、代わりに週末は家族サービスだと笑う。

 もう一人は元警察官。一回りほど年上ではあるが、班長になり自分の班を持たされた途端「無理だわ」と、さっさと辞表を出した。注意すればコンプラがパワハラだと言い出す新人たちには、自分から関わらないことにした。仕事の叱責とパワハラとごっちゃにされては、おちおち注意も出来ない。上司は形だけの口頭注意の後、正当な叱責範囲だったと書類を提出しなければならない。当然それが本当にハラスメントに値するかどうかの聞き取り調査や専門家への問い合わせも行ったあとでだ。

 今の職場に異動してくる前の前。春久のことは可愛がってくれていて、今もたまに連絡を取っている。その可愛がってくれた理由の一つに、春久が社会人学生だというのがある。

 

 大学は卒業している。が、昇格したいという意欲があれば、人より多く学ぶ必要もある。生活安全部配属になり、地域や学校巡りも増えて、心理学を学ぶことにした。自主的な学習だから、仕事に影響しない且つ専門分野を深く学べることを目算にして、通信制大学に入学の形をとった。授業形式は自主学習を行う通信授業と、年に数回の面接授業で、対面授業についても、自分で日程調整できるので、仕事との両立もできる。その元警察官が現職だったときに後押ししてくれ、主に土日が中心の面接授業のために休みも融通してくれていた。今も社会人学生を続けている。お陰で高齢者や子どもたちと話をするときに役立っていて、調整手腕を買われ、今の役職に繋がった。その意味でも頭の上がらない人だ。

 

 最後の一人とは、その大学で知り合った。春久より五歳年下。

 有名どころの大学で法律を学び、自分でも優秀な成績を収めていたと思う。教授自ら是非とも院に進んでとスカウトもされていたぐらいで。だから少しばかり自惚れていたのかもしれない。心理学は手強かった。

 心理学系のコースを取得していたが、専門分野以外の受講も自由に選べた。特に面接授業。なのでたまに、仕事とは全く関係無いけれど雑学としては興味深い授業を取って、気分転換も兼ねて新鮮な知識を求めた。

 

 最初に気になったのは、面接授業の始まる前。フルフェイスのヘルメットを腕に抱え、黒のライダースーツで教室に入ってきた。当時はまだ本当の大学生に見えた彼が、教室を間違えたのかと思った程だ。社会人学生の年齢は幅広いが、リタイヤ近かったり実際にリタイヤしていたり専業主婦のような人たちだったりと、ある程度生活や仕事に余裕が有って学び直すような人たちが多いこともあり、まだ社会に出てすぐの、仕事のことで手一杯だろうと思われる年代は目立つ。その中でいかにもバイク乗りといった風情が入ってきたのだから、同じくバイクに乗る春久は自然に目が行っていた。

 殆どの受講者が配られたレジメを見ながら講師の話を聞く中、きっちりとノートに書き込む後ろ姿。そこから足下へと目をやれば、手入れの行き届いている革のライダーブーツ。どちらからも彼の生真面目さが読み取れた。

 休み時間、駐輪場に目をやれば、原付バイクに交じって何台か、大きなバイクも並んでいる。 ビッグスクーターなら、ヘルメットは荷室に入れるだろうから、その中に見えるネイキッドのうちのどれか、なのだろう。

 

 ただ、それだけでは、そんな奴も居るんだな、で、終わった筈だ。

 

 別の面接授業。その時はジーンズに年季の入ったアウトドアブランドのジャケット。思わず「失礼。今日バイクは?」と、声を掛けていた。

 相手は怪訝そうな顔をした。唐突すぎたと、自分でも思う。

 「以前の面接授業で、赤いヘルメットに黒のジャケットを着ていたのが目について。俺もバイクに乗るので」

 外は天気の良い絶好のバイク日よりだ。春久も、彼の姿を見た途端、ああ、バイクにすべきだったかと思ったほどなのだから、前回もバイクに乗ってきた彼なら、こんな良い日を逃すはずが無い。ライダーズジャケットでなかったことの方が違和感だ。

 下心は無いと笑ってみせれば、それだけで相手もにこりと笑みをくれた。

 「残念ながら車検中。なので、今日は車」

 車検の必要なバイク。四百CC以上。こっそり脳にインプットした。

 

 「前回見かけたときはいかにもバイク乗りだったのに、今日は違うから、別人かとも思ったんだけど。丹波です」

 「秋津、秋津海(あきつ うみ)

 「俺は丹波春久」

 相手が名前まで名乗ったから、春久も名前を伝えた。

 「ははっ。春と秋だ。似てるけどどこか違う、真逆の季節ですね」

 同じ事を思った。名字と名前の差はあるけれど。

 

 近くに席をとって、休み時間に雑談をした。乗っているバイク、何処に行くのか、今まで行ったところは? そんなバイク談義と一緒に大学でのことも口にしているうちに、いくつか同じ面接授業を受ける事が判った。彼は高卒で、公私に少しずつ余裕が出来てきたため、仕事をしながら学位取得を目指している。なので取得必須単位・専攻数が多く、そこに春久の受講が重なっているというのが正しい。

 通勤通学がバイクなのは当然として、近県の施設を使う授業でもバイクで往復するという。

 「県外授業のホテルはどこを押さえている? 今度初めて県外授業も取ったので、参考までに教えて欲しい。施設の側とか、市街地の方が便が良いとか」

 「判らない。俺は往復するから。折角バイクに乗れるのに」

 「往復? 行って帰ってって意味ではなく?」

 と聞けばVサインを出された。ピースかと思ったら、二の意味だった。つまり土日の二日間で二往復。

 「一泊すれば楽なのに」と口にすれば「折角走れるチャンスなのに、そんなの絶対に後悔する」と言い切るほどバイクを走らせることが好きだ。けれど、実はドライブも好きで、荷物の少ないキャンプツーリングにも行けば、車に荷物を満載してのキャンプもする。けれど、ほぼソロ。ツーリングもキャンプも、ドライブも。

 「雨ならどうする?」

 「ん~。片方でも晴れればバイクと車? 両方雨なら両方車で往復かな」

 泊まる気はサラサラ無いようだ。高速料金にガソリン代を考えれば、泊まった方が安く付く。けれど「社会人には貴重なツーリングチャンス」と口にするぐらいだから、天秤に掛けた上で走ることを選んでいる。

 話の流れから、県外での受講が重なっているときは一緒に行こうと言い出したのはどちらからか。

 「授業を受けるのに、ツーリングを兼ねるという意識は無かったな」と、笑ったことだけは覚えている。

 

 以来、二年を越える付き合いになった。独身で実家暮らしの海と、同じく独身で寮暮らしの春久。お互いに自由が利く二人は、春久の休みがカレンダー上の休みに合致するとき限定ではあるが、一緒にキャンプだのツーリングだのと誘える友人だ。

 

 数回顔を合わせるうちに、いつの間にか「秋津君」から彼の高校時代のニックネーム「カイ」に替わり、春久も「丹波さん」から「ハルさん」と呼ばれるようになった。

 「うみ」の響きがなんとなく女の子っぽいから、「うみ」と待ち合わせをしていると言うと白い目で見られるんだと彼女持ちから自慢のような懇願のような、そんな事情を経てカイと呼ばれるようになり、以来高校の同級生は「カイ」呼びですっかり定着していると言う。そんな理由で嫌ではないのかと聞けば、ネットのハンドルネームやキャラクター名はカイトかマリンなので、最近はカイの方が慣れていると笑う。

 カイを愛称で呼ぶのに春久が「丹波さん」では堅苦しく、なんとなく壁がある気がする。社会人学生の年齢は高校卒業からリタイア後まで幅広く、そんな中では五歳の差など誤差の範囲だと思うけれど、カイは五歳年上を呼び捨てることは苦手なようで、なにが何でも敬称は付ける。かと言って「タンさん」はお断りだった。年下からそうやって呼ばれると仕事の延長のようで、純粋にリフレッシュ出来ない。カイとは、気楽な友人として付き合いたい。二人の妥協点が「ハルさん」だった。

 

 趣味がツーリングで、受ける授業傾向から興味を持つ分野も似ている。けれど友人付き合いが続いた理由の一番は、彼が側に居ても自分の集中力が切られないこと。春久から話しかけない限り、大抵静かに本を読んでいるかパソコンを弄っているかだ。

 趣味は読書とゲーム。ツーリングやキャンプも趣味だからアウトドア派かと思うと、インドアだと、胸を張る。

 「そこは威張るところじゃないだろう」

 苦笑すれば、カイも少しだけ顔を顰めて見せてから、ゆっくりと笑みを零した。職場が常に喧噪に包まれていることもあるのだろうけれど、その穏やかさが落ち着くのだ。

 

 春久は時間があれば体を動かしていたい方だ。ゲームだの小説だのというカイとは、インドアの趣味は合わない。バイクに車にキャンプにと、アウトドアでは、見たいところ行きたいところもよく似ているのに。

 だからカイと会うのは大学の面接授業が重なったときか、春久の休みがカレンダーと一致したときだけだ。ツーリングは基本ソロと言いつつ、日程さえ合えば付き合ってくれる。それでいてソロだと言うだけあって、世間一般の休日にも仕事の春久が良い天気だと空を見上げるような時は一人で飛んでいって、次に授業で合うときに小さな土産を手渡してくる。それも、少しばかり自慢げに。

 面接授業が合うのが年間二、三回、土日の二日間。ツーリングは日帰りメイン。平均すれば月に一度顔を合わせるかどうかの関係。たまに遊べる友人というのが、一番しっくりくる。

 「また一人で行ったのか?」

 「天気が良かったから思い立っただけだし。元々俺はソロだよ」

 そんな生意気な口を利く男との距離が少しだけ変わったのは、この冬、正確には昨年末がきっかけだ。


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