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【短編ホラー】幽霊さん、皿探してます

作者: ひろ右衛門
掲載日:2025/07/14

都内の築浅マンションに引っ越してきたばかりのサラリーマン・田辺。

荷ほどきもそこそこに、ワインを開けて一人祝いをしていると、壁の向こうから女の声が聞こえてきた。


「いちまい……にまい……さんまい……」


(おいおい、まさか隣、皿数えてんのか?)

夜中に数を数える声ってだけで、ちょっと気味が悪い。

けれど田辺は酒のせいもあって「変わった趣味の人だな」で済ませた。


翌晩。

今度は少し小声で、


「よんまい……ごまい……」


(……やっぱり皿数えてる。怖ぇな……)


しかし気になりだすと止まらない。

ついに我慢できず、田辺は壁に耳をくっつけて聞き入った。


「ろくまい……ななまい……はちまい……」


(そろそろ九枚か?次どうなる?)

ドキドキしながら待っていると、


「きゅうまい……あれ?ちょっと待って、どこいったっけ?」


突然、隣の女の声があたふたし始めた。


「ねえ、そこの人ー!うちの皿一枚、そちらにまぎれこんでない?」


田辺は慌てて飛び起きた。

(えっ、俺!?聞き耳してるのわかったの!?)


女はこちらの部屋に向かってトントンと叩いている。

「わかってるわよ」


「えっ!?し、知らないよっ!第一、壁の向こうだし!」


「じゃあ……ちょっと見に行っていい?」


「いや来るなって!!」


次の瞬間、インターホンが鳴った。

モニターには、血の気のない顔色の女が皿を一枚抱えて立っている。


「……あった。隣んちに落ちてた。ごめーん!」


ペコリと頭を下げると、そのままスーッと画面から消えた。


翌朝、田辺のドアポストにはメモが一枚。


「お騒がせしました。引っ越しそば置いときます。」


昨日の皿と共に置いてある…


(幽霊って……意外と礼儀正しいんだな……)


翌日…お隣。

「ろくまい……ななまい……はちまい……」


トントン…

「ねえ、そこの人ー!うちの皿一枚、そちらにまぎれこんでない?」


「いや、あんたが昨日置いてったんでしょ!!」


「ちょっと、そっち行くね!」


「いやいや、もう来るなって!」

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