こいのぼりまつり
【豆知識】
空魚・・・「そらざかな」。本作に出てくる架空の存在です。
コバヤシに聞くところ、ギフト君たちは「こいのぼりまつり」をすることにしました。
「空に魚が泳ぐ日なんだよ、ってコバヤシが言っていた」
みんなが不思議そうにしています。
ムルムルが、「魚って空に飛んでいたりしますよね」と言いますと、
みんなが「普通にいる」と答えます。
「コバヤシは空魚を知らないのかな?」
「「わかんない」」
「とりあえず、『こいのぼりまつり』をしてみようよ!」とギフト君。
「「さんせいっ」」とみんな。
――
――――・・・
おのおのが布でできた魚の形をしたかざりを広場にかざります。
ニャーコは魚の干物を持ってきて、「これもかざって?」と言います。
「なにそれ?それってありなの?」
そう言ったトッポはこいのぼりをズボンのように履いています。
「ちくしょう、イケてるわね」とニャーコ。
「どうや、まるで人魚みたいやろ?」トッポ。
「「ううん」」とみんな。
ギフト君が連れて来た、金魚鉢に入った小さな人魚ベニーレふたりが笑いました。
「指を差すな。笑いすぎやろ」と嬉しそうなトッポ。
「まだ言葉があまり通じないんだ」とギフト君。
ベニーレの前で腰をくねくねさせながらこいのぼりを脱いだトッポは
「もうわし人間とちゃう?」と冗談を言います。
ベニーレふたりが腰元に手をやって、くねくねとジェスチャーをして笑いました。
「なんて愛らしいんだろう」とギフト君。
広場にかざられた布の魚たちと干物。
ふだんは雲の中にかくれている空魚たちが、広場にやって来ました。
「なんだかすごいね~。大切な日だ」とクリオ。
「あとでみんなで、干物、食べようぜ」とワグマ。
「魚って僕の場合食べれるかなぁ?」と少し不安そうなハルシ。
「それは常にわたくしにも起こる問題です」とムルムル。
みんなが「分かる~」と大笑いをして、こいのぼりまつりは大成功しましたとさ。




