花星
【豆知識】
流星群とは、毎年決まった時期に、空のある一点から流れ星が放射状に多数出現する現象のことです。これは、地球が彗星の軌道と交差する際に、彗星が放出 したチリの粒が地球の大気圏に突入し、燃え尽きることで起こります。
ギフト君のお家は、外側に本棚が彫ってある大きな木です。
木をのぼって、本棚の本を読んでいるのはニャーコ。
人の姿からたぬきに見える猫の姿に戻る時に、ポムンと音のするけむりがたちました。
「やっぱり今日、花星が夜空に流れる日だって本に書いてあるわ」
大きな布と網のトランポリンみたいなハンモックを準備中です。
「がんばるんだニャー」
人の姿のニャオタが、疲れて猫の姿に戻りました。
巨大ハンモックを階段みたいに移動できるようにしたい、ギフト君。
親友のムルムルがぼやきます。
「大きくなったところで、わたしには手伝いできないしなぁ・・・」
「そうだ、それだ!」
「「ん?」」
トッポ、クリオが同時にギフト君に振り向きます。
「僕がレジェルで大きくなればいいんだ!」
まだひとつめのハンモックをかけている途中です。
ギフト君は魔法の森の『広場』の木のうろに『レジェル』を取りに行きました。
レジェルを持って帰ってきて、ギフト君はレジェルをなめてみました。
にょにょ・・・すると、少し身長が大きくなりました。
またなめて、にょにょにょ、と身長を伸ばすギフト君。
それを続けて、いい感じに大きくなると、ハンモックをかける作業をしました。
――・・・夜。
元の大きさに戻ったギフト君は、みんなと花星を見るために起きています。
木をのぼってハンモック布によこたわります。
『花星』とはお花の形をした星のことです。
楽しみだなぁ、とクリオがつぶやくと、トッポが何度かうなずきました。
人型のニャーコにだっこされている猫の状態のニャオタは眠ってしまいました。
「あ。花星流星群や!」
とトッポが言います。
「ニャオタ、起こそうか?」
「そうねぇ、ニャオタ・・・起きたい?」とニャーコ。
「しらんのだニャー・・・むにゃむにゃ・・・」
とニャオタは寝言で答えました。
ギフト君とニャーコが笑い合っている時。
ムルムルは「綺麗ですねぇ」と空を見上げぼやきます。
空にはお花の形をした星がいっぱい。
「今日もがんばって良かったなぁ」とギフト君。
そうだなぁ、とみんなが返事をしてくれて、いつの間にか流星群は終わっていたとさ。




