小さな人魚のベニーレ
【豆知識】
水中花・・・「すいちゅうか」。水の中で咲いている花のこと。
ある日のこと、ギフト君と親友のムルムルは魔法の森の滝壺へ遊びに行きました。
そこには、紫色の小熊、ワグマが泳いでいました。
「あれ?ワグマの胸の模様ってこんなんだっけ?」とギフト君。
「俺はツキノボシって言う種類だ」とワグマ。
「三日月の上に星がある模様ですね」とムルムル。
「星の数をかぞえてみよう!いーち、にーい、さーん、しーい、ごっ!星5個だ!」
「それで、今日は泳ぎに来たのか?」
「本で読んだ、小さな人魚のベニーレを探しに来たんだ」
「それなら、ここ『レイン滝の深い水溜まり』にいるぞ」
「本当っ?」
「あ。ギフトだ」
「マジだ、マジだ」
そこに来たのはカエルのきょうだいネイとテイで、ふたりは飛び跳ねました。
「「おれたち、カエル。お家にかえる。ギフトの無事を祈ってる~♪」」
どこかに去って行ったネイとテイを見送り、ギフト君はさっそく泳ぐ準備。
『深い水溜まり』に入ると、底の部分は水中花が一面に咲いています。
ギフト君はハナウタを歌いながら泳いでいました。
すると水中花の中から、小さな人魚ベニーレがふたり、ギフト君の前に現れました。
ベニーレを見つけて、くるくる回ってみたりするギフト君。
魔法の水玉で包んだベニーレふたりは、どうやら男の子と女の子でした。
男の子は青いうろこ、女の子はピンクのうろこをしています。
「ゲットだぜ~」
お家に帰り、金魚鉢に入ったベニーレたち。
男の子の名前をカエデ、女の子の名前をヤナギにしました。
本を読んだ知識からすると、ベニーレは『ボーロ』が好きなんですって。
「これからよろしくね」
ギフト君とムルムルがそう言うと、カエデとヤナギは嬉しそうに笑いましたとさ。