98・番外編6・静インターセクト・4
湯島天満宮方面に進む。
歩き慣れた道だけど店が全く違う。
(へぇーやっぱ異世界なのねぇー)
何とも変な気分だ。
妻恋神社を過ぎると左手に大きな門が現れた。
(工藤・・・あら!ここね!)
「お邪魔しまーす」
「はい、工藤記念館へようこそ!入場料500円です!」
「あっ!はい」
500円払って奥へ進む。
おじいちゃんの書斎、康義さんの部屋・おけ丸のハウス。
(うーん、ここにみんなが居たとは、想像出来ないなぁ)
ガレージに行くとセリカとクラウザードマーニがあった。
(はぁーなんか派手なバイクね)
受付のお姉さんが近づいて来た。
「今日は道場入れますよ!ご案内しましょうか?」
「はい、ぜひ!」
(旦那様の稽古して来た場所を見たかったんだよねぇー)
庭の西側に道場があった。
お姉さんが靴下は脱がなくて良いと言ったが、そういう訳にはいかない。
ましてや私は工藤家の嫁なのだから!
靴下を脱ぎ一礼をして入る。
分厚い板間だと素足を通して分かる。
(あぁ、とても心地よい・・・)
お姉さんが壁から木刀を取り差し出す。
「剣聖・義秋様はこれで稽古されてたんですよ!持ってみて下さい!」
「はい、ありがとうございます!」
おじいちゃんの木刀を受け取る。
(真剣よりは軽いわね。そりゃそうか)
下段の構えから軽く斬り込む。
(ディストーション)
道場の反対側まで一瞬で移動する。
びっくりしてるお姉さんのところに戻り木刀を返す。
「ありがとう!」
「はっ、はい!抜刀隊の方でしたか!それにしても凄いです!!」
お姉さんは目をキラキラさせていた。
「**+×÷<=!!!」
「!?、・+##!」
「*☆#!!」
「ん?何でしょう?なんか玄関の方が騒がしいですね?」
お姉さんと玄関に向かう。
外で人が激しく動いているようだ。
「事故かなんか?」
「何でしょうね?ちょっと覗いてみますね」
お姉さんが外を伺った。
「あっ!」
「どうしたの?事故?」
「外に出ないで!出ないでください!」
外を覗いたお姉さんの顔は硬い。
「どうしたの?」
「オリが出てます!」
「あら!大変!じゃ行かなきゃ!」
「大丈夫です!総理の護衛の方はお強いので」
「ん?、金子総理そこに居るの?」
「はい、ご自宅も近いので」
「そう?」
(杏のおじいちゃんじゃん。んー杏は身内だから、やっぱりほっとけないわね!)
背負ってた袋から六花白雪を出す。
お姉さんは何が始まるのか不安顔だ。
鯉口を切って刀身を抜く、静の顔から表情が無くなり戦闘モードになる。
「しっ、白い剣!?」
玄関を出ようとするとお姉さんに止められた。
「いっ、いけません!お客様は抜刀隊かも知れませんが今日は非番じゃないですか!当館のお客様を危ない目にあわせられません!」
「・・・・どきなさい」
「はっ、はい!」
お姉さんは静の目を見て金縛りにあった様にかたまり、小刻みに震えている。
外に出るとVipの前に5人の剣士が護りながら6体のオリと戦っている。1体は吹返しの様だ。
(・・・弱いわね、ウチの方だと目録程度かしら。まぁ、このままなら死ぬわね)
「そこの5人の剣士!黙って一歩退がりなさい!」
剣士達はびっくりして静を見る。オリの動きも止まる。
「2度も言わせるな!退がれ!!」
透明感があり美しい声だが、潜って来た修羅場の数が違う。
その迫力に押されて剣士達が本能的に退がる。
オリも本能的に強敵と認識し、6体が一斉に静に向かって襲いかった。
ジャャァァーーーーーーーーーーーーーーー!!!
ガラガラ蛇の威嚇音のような音と共に、地面から敵まで激しい火花が上がる。
オリと剣士の脇を火花・音・白い風が吹き抜けた。
その後には6体のオリが真っ二つにされ、12個の肉塊になって床に転がっていた。
静は金子総理の前に立つ。
顔に赤みがさしてきた。
「Bonjour Monsieur !」
金子総理に微笑んだ。




