9 初仕事?
やっと9話です
進みが遅いと思いますが異世界に行った場合は、まず生活基盤を確認するのかな?っと思いましてそちらを書いております。
誤字修正しました。
牧野の立木打ちの音で目覚める。
丁寧な切り返しで打っている。
その音を聞きながら顔を洗い歯を磨くと、深い皿にオートミールを大さじ6杯入れ、永谷園のさけ茶漬けを入れお湯をたっぷり入れてかき混ぜる。
そのまま放置しオートミールが水分を吸ったところで牛乳を入れかき混ぜる。
オートミールリゾットもどきを素早く食べ、山専ボトルに2ℓベットボトルから麦茶を入れる。
ポロシャツの上から制服の紺のジャケットを羽織る。
なるほど、ジャージのようなストレッチ素材なのでとても着心地が良い。
ちょっと安っぽいのは仕方がないところだ。
ドイターのリュックに荷物を入れ背負う。
こちらの世界では「オリ」に襲われて逃げる時にリュックが防具となり、生存率が高くなるので推奨されている。
最近のリュックの背内側にはほぼほぼ、硬質軽量な樹脂板が入っているそうだ。
腰のベルトにピューマのボウイとスローイングナイフ2本を取り付ける。
棚にはこっち側の俺が買ったカシオGショックGWM5610とカシオF-91Wと、向こうの世界から俺が持ってきたSEIKOの自動巻きが置いてある。
左側に置いてあったGショックをポケットに入れ地下に降りる。
「おはようございます!」
牧野が朝からいい笑顔だ。
牧野から木刀を受け取り立木打ちを行う。
かなりいい才能をもっているので次の段階を教える。
「左肱の位置を拘束しなるべく動かさないようにて、身体を乗せるように右手を捻り打ち気味に投げ出す」
ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!
「この身体の使い方は左肱切断といって、修行が進むとともに斬撃力と速度が上がる」
「これから意識してみてくれ」
木刀を返すと真剣な顔で頷く。
「わかりました!」
木刀の破損が無いか確認させて壁にかけた。
「じゃ屯所行くか!」
「はい!」
◾️◾️◾️
裏から神田明神に入りお参りをして屯所に歩いて行く。
途中何人かに声を掛けられる。
屯所近くでは稽古をしたり、お茶を飲みながら談笑したりさまざまだ。
牧野と同じように屯所の入り口の壁にあった自分の名前の下ににかかっている十手を取ると、フックが上がり緑のランプが点灯した。
「俺と先輩とだけなんで気楽にして下さい」
「向こうの小部屋は護国省の総務科で、2名が6時から17時までいます」
「総務は夜勤は無し?」
「オリは明るいうちの発生が多いので日中のサポートを厚くしたいんです。我々の業務もサポートしてしてくれています」
我々の正式な所属は護国省輜重兵科といいます。別名は兵站と言っています、先輩は神田エリア1班主任です」
「部署名が向こうの世界だと聞き慣れないなぁー」
「そうなんですか?」
「世界大戦の時の日本軍で使ってたっぽい名前だな」
「・・・世界大戦って!?世界で戦争したんですか!何ですかその馬鹿げた大戦争って!?」
話を聞くとこちらの世界では世界大戦は無かったらしい。何やってるんですか人間同士で戦ってる場合じゃ無いでしょ?
・・・っという事だ。なんともその通り過ぎて何故か謝ってしまった・・・
(なるほど共通の敵がいるとこういう思考になるのか・・・)
勤務の体系だが、1つの班2名で組まれ6班12名で7日間24時間を回す。
1回8時間の勤務をしたら次の勤務は8時間ずれた勤務スタートとなる。4回目で待機になり5・6回目のシフトで休みに入る4勤2休体制となっている。
侍の方はかなり複雑なシフトになっている。
エリアで侍が足りなくならないように、シフトを組み立てる専門の総務科により侍に直接指示される。
体調なども考慮するので、かなりセンスが必要で特別に選ばれた職員があたっているそうだ。
もちろんこれも超専門職なので高額な特別手当も出ている。ちなみに我々には危険手当が出ている。
出動は屯所のメインモニターに緊急出動要請が出ると場所と必要人数が表示される。
この時にサイレンでなく曲がかかるが、ここは班で選べるそうだ。ただし他の班が使っている曲はバージョンが違っても使用出来ない。
1月に新しい曲にするそうだ、ちなみに今年のウチの班は牧野チョイスで、ナイトウィッシュのアマランス。去年は俺のチョイスでアルカトラスのジェット・トゥ・ジェットだったそうだ。
なんでそんな事をするかというと遊び心だそうだ。
心に余裕を!とのことらしい。
出動はまずは俺と小隊長と数人でジムニー5ドアの指揮車で先に出動し、牧野はその後移動用ワンボックスに侍を乗せ現場に急行する。
そして屯所での指揮は総務科に移り、追加依頼の人数に応じて総務科が車両を選択し、侍が自ら運転して移動してもらう。
神田明神には指揮車2台ワンボックス4台、ヤマハの屋根付き電動トリシティが10台ある。
小さい神社には屋根付き電動トリシティとダイハツミゼットの電気自動車が置いてあるそうだ。
(向こうの世界よりこっちの方が電気自動車があるようだな、色々乗ってみたいな)