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8 電話

8話です。

物語の進みが遅くてすみません。

申し訳ありませんがお付き合いください。

m(_ _)m

牧野が目配せで早く出ろっと言っている。

覚悟を決め通話をタップする。


「はい」

「・・・あの・・・康義さん何かありましたか?」

文句が来るかと思ったら冷静な対応だった。個人的には好ましい反応ではある。

「あぁすまない、色々あったから帰ってきたら食事でもしながら話すよ。相談もしたいしな」

「・・・なにかあったようですね?引越しは終わりました?」

「ああ、ほとんど終わってるよ」

(たぶんだけど・・・)

「これで落ちつけるね」

「うん、そうだね」

この世界に居た俺と今の俺との違和感を感じたのか?

電話の向こうで何か考えている感じだ。

「では、任務に戻りますね」

「あぁ、気をつけて」

「・・・・はい」


通話を終え脱力する。

忘れないようにすぐに着信履歴を登録する。


牧野を見ると苦い顔をしている。

「どうした?」

「こっちの先輩は電話切る時に必ず「じゃあ明日な静!」って言って切ってたんですよ」

「はぁ?じゃ怪しまれた?」

「うーん、どうでしょうね・・・」

彼女と会うのに一抹の不安が残った・・・

こじれそうなら牧野にも立ち会ってもらおうと思った。


そのあと地下室に戻り立木打ち1時間、横木打ち1時間の稽古を行う。

稽古を見た感じでは牧野には良いセンスがある。握力もあるのはとても良いし立木、横木打ちを繰り返していると腰が落ち、いわゆる自然と居合腰をとっている。

走り込んでからの横木打ちも、重心が前後に行く事も無くちょうどいいバランスをとっている。

天性のものだろう、このようなジャイロのような動きをする人をごく稀に見る。


この重心の取り方は流派によって違うが、四門流では基本中心に取る。剣を使って身体を動かしたり、身体の重心を崩して移動しながら剣を使ったするので、常に中心に置けば対応が出来るからである。

 

稽古を終え明日から仕事前に朝稽古をする事を宣言して帰って行った。

俺はそのまま作業場に行き作った革砥に青棒を塗っておいた。


キッチンに行きスパ王の大盛りミートソースの冷凍食品をレンジに入れる。

できあがる6分の間にすぐ食べれるカット野菜を皿に移し、オリーブオイルと醤油を少しかけ食べ始める。


野菜を食べ終わるとミートソースも出来上がったのでそのまま皿に入れ食べ始める。

途中で少し緑のタバスコ・ハラぺーニョをかけ独特な風味を楽しんだ。

食後は牧野にもらったエメラルドマウンテンを淹れ、上品な酸味とフルーティな香りを堪能した。


今日の新下静との会話を思い出す。

やはり何か違和感を感じたようだ。

(さて、どこまで話して良いものか・・・)

牧野によると今は剣が使える事は言わない方がいいとの事だった。

洗い物と明日の準備をしてシャワーを浴び、こっち側での3度目の眠りについた。


◾️◾️◾️


やっと連絡がついたが・・・

何かがおかしい?

話の間の取り方がおかしい?

何か探っている?

それに「あぁ、気をつけて」の言葉だ。

「じゃあ明日な静!」その言葉を耳が待っていたのに「あぁ、気をつけて」に上書きされたのだ。

・・・でも、不愉快ではなくとても自然な優しい言い方で、悪くない・・・むしろ好み?


わからない・・・何があったのだろう。

「康義さんですよね?」そんな言葉が出かかってしまった。

(とっとと任務を終わらして早く会いに行こう・・・)

新下静は片手剣のフラムベルク・レイピアを抜き、愛刀[エンプレス]の炎のように揺らめくダマスカス刀身を眺めた。








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