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71 この素晴らしき世界

最終話です。

じいちゃんの話は胸焼けするほど重かった・・・

(やはり向こうの世界はパニックになったな)


「それにしても国が腑抜(ふぬ)けだな」

坂市総理が憤慨(ふんがい)している。

「それで義秋殿はどうされる?」

「じいちゃんはうちで一緒に住むから良いですよ」

「まぁ、そうだな康義におまかせだな。」



「・・・・・・」

坂市総理が黙りこみ天井を見ている。

「・・・・・何かありますか?」

じいちゃんが聞く。

「義秋殿」

「はい?」

「私の夫にならないか?」

坂市総理が真顔で言う。

「あぁ、もちろん構わない」

じいちゃん即答する。


「ただ、工藤家は子もいる康義を当主としたい。私は坂市でお願いしたい」

「それは助かる、坂市家は私しか居ないんでなこれで続く」


『ではこれから婚姻届を出しに行く車を回せ!』


全員唖然!その後てんやわんやだ!台風のような2人だ!恐ろしい!


◾️◾️◾️


こうしてじいちゃんは坂市義秋(さかいちよしあき)となった。

坂市の家は大通りの向こう、向こうの世界の湯島聖堂辺あたりになる。


車とバイクが欲しい!車はあの病院に乗って行ったのが良いとの事なので、ちょうど昭平オートに頼んでいたトヨタオリジンの車両整備が終わっていたので、そのままお祝いの品となり坂市家に嫁がれて行った。

バイクは2本の剣の名前を持つNIKEN(ナイケン)を送った。じいちゃんはその異形に大喜びだった・・・


車と言えば・・・昭平オートの社長がノリノリでさらにミラココアに魔改造(まかいぞう)を重ね、可愛いくて、でもちょっとワイルドになった姿をみて、麗子さんが一目惚れ。そのまま社家(やしろけ)に嫁がれて行った。大喜びで乗り回してるそうだ。麗子さんはとてもアグレッシブな人だった。ちなみにエンジンは1000ccが載っているので結構速い。


社長はうちのミラジーノも改造したがったが、静はなるべくノーマルで乗りたい派らしく断られていた。

ただし当時の純正オプションを色々探して付けてもらった。


うちは新たに昭平オートでワインレッドのコペルボニートを購入した。プリンセス号と名付けられ静と円のお気に入りになった。


じいちゃんだが、その後すぐ昇段審査を受けた。

免許皆伝者全員・天位全員に刀を使わず勝利し周りをビビらせた。

(正確には扇子は持っていたが・・・)


◾️◾️◾️


3年後

杏の新骨格2型(耐寒刀)3振が出来た。

これは耐寒性は従来の耐寒刀と変わらないが、強度が30%向上しているそうだ。


今ロールアウトしている耐寒刀だと、天位の剣技に耐えられず折れてしまうのだ。

なのでワンオフの特別仕様になる。

価格は一振り2000万ちょいぐらいだそうだ・・・

普通の10倍以上の価格になる。


新鋼材を使っているが、とにかくヒートトリートメントが難しいらしい。  

杏が言うにはどんな良い鋼でも、熱処理で全て決まると言っても過言ではない!との事だ。


そのテストを頼まれ、じいちゃん、俺、牧野は冬の北海道に来ている。

じいちゃんは残響(ざんきょう)。

俺は虎落笛(もがりぶえ)。

牧野は寒到来(かんとうらい)。

おけ丸はお留守番で今回は、オリの発生を知らせる防衛門犬の訓練を受けた長男と長女の?白丸(しろまる)と花丸(はなまる)が一緒だ。


最近はオリ出現が安定しているので、このように杏の所属部門のテストと剣の指導が多くなってきた。

社天位は2週間、関西方面の部隊をまわる出稽古に出ている。

まぁ仕事はこんな感じだ。


プライベートは・・・

あれからじいちゃんは双子の男女の父となった。

渉(わたる)くんと紡(つむぐ)ちゃんだ。

ちなみにこの名前は俺の両親の名前だ。

総理とは新婚なのだか、熟年夫婦にしか見えない・・・


坂市総理になってから国が色々安定した感がある。国内的には女性が働ける環境を本気で作った。それに類する雇用も生まれ広がりをみせている。色々働きやすくなったおかげで出生率も上がった。

そして今回の門の対応で国際的地位も上がった。

間違いなく後世の歴史に名を残す総理になるだろう。


うちは円の後、男の子が生まれ坂市ばあちゃん?じいちゃん?から一文字づつ貰い、重秋(しげあき)となった。

杏も同じ年に男の子を出産し、隼人(はやと)と名付けた。


清水天位の綾子奥様はレストランを開き、日本の女性初の2つ星シェフになった。現在は3つ星を目指してる。

やはりただものでは無かった・・・


静は仕事を辞め神田明神裏の空いていた土地を、全て買取り食堂を初めた。店の名は「湖南(こなん)」秦野の家が湖の南側たったからだそうだ。工藤さんが経営する湖南ってどうなの?っと思ったがこっちにはあのアニメが無いのでOKだ。


建屋は古い日本家屋風にし庭は酔芙蓉・八重桜や楓(かえで)と山茶花(さざんか)と一年中楽しめるようになっている。

出す料理は杏レシピの焼豚丼と静レシピのチーズ玉子焼きと、デザートの麗子レシピの温泉饅頭(おんせんまんじゅう)と玄米茶のセットのみだ。


従業員は仕事で怪我をし引退した侍達なのでセキュリティは万全だ。

坂市総理の案により引退した侍も帯刀許可は継続されたので、店にオリが出てもすぐに討伐され「世界一安全な店」と言われ大盛況だ。そしてもちろんおけ丸グッズの販売もしている。


レシピ提供者の杏と麗子は取締役として名を連ねている。麗子はその資金で箱根で饅頭屋を開く計画らしい。


白丸と花丸が吠えているな。

さて・・・

「オリ」が現れたようだ。

耐寒刀「虎落笛(もがりぶえ)」のテストを始めるか・・・


低い片手右脇構(かたてみぎわきがま)えの沈(ちん)なる身になり、破裂するように前に出る、剣が地を這うように走る。

地面の氷に触れジャッ!っと音を立てる。

体の伸びに剣を乗せる、さらに左手を大きく振りその力乗せる。


「四門流工藤派・ディストーション」

オリが真っ二つに割れ、その先に白い雪が舞う街が広がった。


完







終わりました!

結構なボリュームになってしまい申し訳ございません。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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