7 彼女
基本20時以降に更新していきます。
「そもそも何で家に来ない?遠距離恋愛ってやつか?」
「彼女は侍で「天位]持ちなので出張が多くて今も滋賀県に行ってます。来週の木曜には帰って来る予定です」
何とも驚きの情報だ・・・現在4人しかいない最強クラスの侍じゃないか・・・
「そもそも俺はその凄腕の彼女とどこで知り合ったんだ?」
「家が隣りの幼なじみだそうです」
普通なら幼なじみが彼女というとても羨ましい展開なのだが・・・
(全く知らない人だから微妙だな)
「彼女は幼稚園の頃から剣の才能が見られたので、政府機関で才能ある武道者の育成をしてる[まほろば塾]に通ってたんです」
この世界のまたよくわからない情報が出てきた・・・
[まほろば塾]は各県に1ヶ所あるんですけどアクセスの良い場所に作られます。神奈川県は小田急と東名高速の関係から秦野市にありました」
「あぁ、それでか」
「先輩の実家は向こうでの世界でも秦野ですか?」
「ああ実家はな、湯島は祖父の家だ」
「静さんの祖父は江ノ島の近くの神社ですけど、塾に通う事も考えてご両親が秦野に家を買ったそうですよ」
(そう言えば秦野の家はどうなっているのだろう?誰も住んでいないはずだか・・・)
察したのか牧野は「お隣さんだから静さんのご両親が先輩の家の管理もしてくれてるそうですよ」っと言葉を続けた。
(それは申し訳ないな、何かお礼をしなくてはならないが・・・向こうは俺を知ってる人で俺は向こうを知らない人か・・・何ともこれは困ったな)
「まぁお隣に引っ越すぐらい仲が良いんだから静さんとは何とかなりますよ!」
牧野が壁を指す。
「彼女は隣りか!」
衝撃の事実である。
ここの家を買った2つの理由のうちの1つがそれだったらしい。
もう一つは職場の神田明神に近いからという事だ。
俺の職場は神田明神の本殿の裏にある屯所だ。
「オリ」の出現は突然で色々な方面に出る事から侍達の待機所の設置が急務であった。
魑魅魍魎改方により、神社・寺に詰所を置いた。その中でも大きな神社・寺には屯所という大き目の詰所を作り1小隊を置いた。
1小隊は50人で約10人で1分隊とし五人の分隊長と1人の小隊長の計56人から編成される。
100人〜150人が中隊で中隊長が率いる。
150人〜500人が大隊で大隊長が率いる。
それ以上を連隊と呼び連隊長が率いる。
大隊長は基本的に[免許]の侍が担当する。
[天位]はそれ以上の権限を持ち独自判断での行動も承認されている。
魑魅魍魎改方はのちに護国省となる。
牧野にスマホの着信を見せる。
「あーこれ、たぶん静さんですね・・・次は出た方がいいですよ」
(おいおい、何をどう話すんだよ)
「あーとりあえず帰ってきたらご飯の約束でもしたらどうですか?」
心のつっこみが顔に出てたらしい・・・
「そうするよ、ありがとう牧野」
突然、手に持ったスマホから服部克久の曲「花通り」のピアノが流れる・・・
(ヤバっ!?着信!)