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52 近江大掾藤原兼廣

タイトルがシンプル過ぎるのて副題付けました!

もうそろそろ、終わりに近づいています。

[フォーチュン]

運命の輪[ディスタニーホイール]とも希望[フォーチュン]とも言われるカードを折る・・・


強く念じなからカードを切り粉を振る。

空間が歪み2メートルの縦ひびが入る。


(どうだ!)

桐箱が現れた!


「成功だ引っ張れ!」

桐箱を引っ張った。


(何だ!動いている!?)

場に緊張が走り、全員抜刀する。


キャウゥー!


蓋をガリガリ引っ掻く音がする。

(おいおい!、おけ丸か!?)

制止する皆をなだめ蓋を少し開くと、白いモフモフが飛びだす。

無表情の静が剣で斬ろうとする。

康義の腕におけ丸が飛び込み顔を舐める。

尻尾をちぎれるぐらい振っている。


静が興奮しながらそのモフモフをこっちによこせと手を伸ばしている。

静に身柄を引き取られ、名前を呼ばれながらワシワシされているおけ丸は、ちょっとしょぼんとしている。


箱の字を見る。

祖父の力強い字が目に入る。

(じいちゃんの字を見るの久しぶりだな。ん?)

坂市総長が自分の名前をじっと見つめて怖い顔をしている。


「総長どうされました?」

「・・・私の名はお前が教えたか?」

(何の事だ?)

「「八重殿」と書いてあるが?」

箱を見つめる・・・


「あっ!」

(思いだした!)

「どうした?」

「いや・・・向こうの世界での私の祖母の旧姓が坂市で、フルネームは坂市八重(さかいちやえ)と言います・・」


「・・(えにし)だな」

「・・・世界は色々関わり、混ざっているようです」

(かなり驚きである、じいちゃんは字を見てわかったのであろう)


箱の中を覗くと総長個人宛の八重桜柄の着物とエメラルドの帯留めがある。

そして坂市家が元寇襲来の時に使った福岡一文字の薙刀で、その後脇差にした伝来の刀を総長は両手で恭しく持ち、鍔を左に目の高さにあげ刀礼をする。


大きめの早乙女鍔で柄が長目だ。漆黒に金の金具が何とも美しい。

「何故かとても懐かしい・・・」


それらは調査後に坂市総長に渡された。


ちなみに向こうの祖母は薙刀の師範で園部先生の再来か?などと言われたりしていたそうだ。

そしてこっちの坂市総長は現場を離れたが、実は天位持ちだったそうだ。

(知らなかった!只者では無いと思ったが・・・)


杏は人間国宝の日本刀に驚愕している。

関連書籍も見つけ研究者魂に火がついている。


剣術の本も一旦国でコピーを作り原本は保管、それぞれ合った流派の資料(コピー版)を各天位に渡された。

人間国宝の日本刀と金研刀・群水刀は国預かりとなった。


各天位宛のものは調査後、各自にそれぞれ配布された。

「工藤くんありがとー、向こうのおじいちゃんに会ったらよろしく言っといてー!」

っと興奮している杏に言われた。

いやもう多分、会わないですから・・・


酔芙蓉の横に置いてある宝石箱は、代々工藤家の女に伝わる宝石なので静が受け取るように。と祖父の手紙が入っていた。2枚目には[円(まどか)なれ]と墨で書かれていた。静は「これで向こうの世界でも正式に嫁!」っと興奮している。おけ丸も足元で跳ねている。


紅白の芙蓉が刺繍された袋から[近江大掾藤原兼廣]通称・酔芙蓉(すいふよう)を出す。

漆黒の柄と銀朱の鞘に銀地に金の北斗七星と破軍の星の金具が美しい。


「酔芙蓉ってなんで?」

おけ丸をいじっている静が質問する。おけ丸も慣れたらしくちょっと喜んでいる。


「酔芙蓉って花は知っているか?」

「知らない」

「朝咲いた時は白で、だんだん色が変わって赤くなって枯れる花だな」

「へぇー色が変わるってアレキサンドライトみたいだねー」

「白銀の光は白芙蓉の如く、斬り結べば赤芙蓉の如く」

「ん?」


「振ってきらめく刀身の色は白芙蓉のようだね。人を斬れば血が飛び散り赤い芙蓉の花が咲いたように見えるよ。斬られた人は枯れた酔芙蓉のようだよ」

「えー!なにそれ怖い!」


酔芙蓉の柄に手をかける。

(じいちゃんはこっちの世界で抜けるのでは。との事だが・・・)

親指を鍔にかけ鯉口を切る。

クッ!っと音がして鯉口から赤銅のはばきが見える。

(切れた!抜ける!)

刀身をゆっくり一定のスピードで抜く。

2尺3寸の刀身が姿を現した。







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