5 稽古準備
いいペースで更新出来ています。
武道具店を出ると牧野にホームセンターに行ってもらい、かかり打ちの台座を固定するアンカーボルトとベンジンを購入する。その他にも砥石固定治具やら水を入れておくプラケース。革のハギレや接着剤やアウトドア用品売場で見つけたバウルーも購入した。
途中の楽器店でヤマハの管楽器用のバルブオイル・ヴィンテージを10本ほど購入した。
「ベンジンとか楽器のオイルは何に使うんですか?」
牧野が興味深そうに聞いてくる。
「ベンジンはアンカーボルトを打つ前の下地で使うのと、刀の手入れで古い油を取るのに使うんだ、その後楽器用のバルブオイルを塗る」
「侍は刀の手入れで何かぽんぽんやってますけど?」
「打粉か?まああれでも古い油は取れるが、砥石の粉だからあまりやると下品にピカピカになるからな」
「セーム革が良いとか聞いた事がありますよ?」
「ん〜まぁ〜ピカピカが好きなら良いんじゃ無いのか?全くおすすめは出来ないが」
「楽器の油は刀に塗るんですか?よく売ってる刀油ってのはダメですか?」
「アレはブレントしてるんだけど、成分や配合割合が書いて無いからちょっとパスしてる」
「油の布は何を使うんですか?ネルとか?」
「まぁ1回洗ったネルもいいが、ティッシュペーパーが一番良いな安くて優秀だな」
「はぁ?ティッシュですか?いやぁ意外ですねぇ〜」
牧野はしきりに感心してる。
牧野が食料品を買い込むとの事なので便乗させてもらう。
冷凍食品・冷凍野菜・インスタント・缶詰・パックご飯と保存の効く物を中心に買い込み、サニーレタス・ハム・ベーコン・チーズ・卵・ボロニアソーセージ・バター・オリーブオイル・パリジャン・食パンなどとにかく色々買う。調味料はあったので買う必要は無かった。
何だかんだ2万ちょいも買ってしまいサニーのトランクとリアシートが荷物でいっぱいになった。
家の前にサニーを停めて荷物を家に入れる。牧野も冷凍食品を積んでいるので明日の時間を確認し官舎へ帰って行った。
まず冷凍食品や生ものを冷蔵庫にしまう。
納戸はかなり小さいが使いやすい棚が入っている為、無駄なく有効にスペースを使えるのでかなりの量が収まる。
片付け終わったところで玄関のチャイムが鳴る、壁の時計を見ると武道具屋の配達時間になっていた。
玄関の扉を開け荷物を地下室に入れてもらった。
「今後もご贔屓に」っと愛想を見せて店員は帰って行った。
左手に立ち木打ち右手に横木打ち台を設置し。右手の壁は半畳の畳を手裏剣用の的として置いた。
立木打ち横木打ちの反対派にランダムにかかり打ち台をセットする。
場所が決まったのでコンクリートドリルで穴を開け掃除機で粉を吸いとり、ウエスにベンジンを含ませ穴の中をきれいに拭く。
ケミカルを袋のまま穴に入れアンカーをセットし、ハンマーでアンカーのトップを強く叩く。
これにより穴内に接着剤が充填され、乾燥すると強固に固定される。
壁に刀掛けを壁に取り付け、今日買った木刀というか棒を掛けておく。
砥石は工作場の棚に置いた。
刃の黒幕1500番を水に漬けておく。
ベルトサンダーのスイッチを入れ、ピューマホワイトハンターの手前ブレード手前にある訳の分からないギザギザを落とし、普通にカッティングエッジをつける。
刃の黒幕をホームセンターで買った砥石固定治具で固定し、ホワイトハンターのブレードを押し付けた。
ブレードのポイントに行くにつれ、斜めに立てるように研ぐ。刃の黒幕は砥石そのもので研ぐジャリジャリした感覚が手に残る。
革砥石の道具は買ったがまだ作って無いので、ストロッピングはせずそのままにしておく。
ホームセンターで買った5センチ角の角材に接着剤で革を貼って、革面を作業台に押し付けそのままバイスで締めて放置する。
とりあえず終わったので上に行き風呂のスイッチを入れ、夕食を食べる事にした。
オーブンのトレイにクッキングペーパーをひきノルウェーの鯖の半身2枚をのせ焼く。
豆腐2丁を丼に入れそこに納豆を入れ食べ始める。
すぐに食べ終えるとパリジャンを開け、今日買ったガーバーVスチールで端の部位を削ぐように切り取り、ブレードで小岩井マーガリンをすくいパンに塗ってゆっくりと咀嚼する。
鯖が焼き上がったのでオーブンから取り出し、クッキングペーパーの上に乗せたまま箸でほぐして食べ始める。
鯖を食いながら左手でスマホを操作しこの世界に関して色々検索をする。
充電が20%を切ったので充電し風呂に入る事にする。
「今日も疲れたな・・・」
とにかく膨大な情報の更新があり知恵熱が出そうだ。
風呂から出て歯を磨きそのままベットに転がり、明日の稽古を考えながら眠りについた。