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4 武道具店

3日に1話は出して行きたいと思います!

昼前に牧野がご自慢のサニーVRで迎えに来た。

やや暗めのガングレーメタリックにオールペンされたボディに、ワタナベのホイール履かれていて精悍な印象を受ける。

最近の車と違いコンパクトなので、長尾やヤビツなどの狭いワインディングは楽しそうだ。


助手席のレカロに乗り込みシートベルトのロックをかける。


大通りを右に曲がり東京ドーム方面へと向かう。

向こうの世界では水道橋に昔から世話になっている武道具店があったのだが、その場所は2500台の駐車場を持つ5階建てビルになっているそうだ。

ちなみに向こうの世界の店名と全く違う。


東京ドームの30ゲートあたりの道を挟んで右に巨大な武道系大型ショッピングモール?が見えた。

「・・・これ全部武道具屋か!?」

前の世界ではあり得ないその大きさに工藤は唖然とした。

「ここは特別大きいですが武道具店は市内に結構ありますよ」

(前の世界のドラッグストア感覚か?)


入り口で駐車券を取り、サニーを1階の建物横の駐車場に入れた。とりあえず上の階から見るために、エレベーターで5階に上がる。


模擬刀が置かれている階のようだ。

奥の回転ドアが入り口のガラスで仕切られた大部屋は真剣の販売所らしい。

真剣・模造刀ともにフルオーダーも受けるそうだ。


前の世界と違うのは刀剣に関わる職人が圧倒的に多い事だ。

新作の刀装具など物凄い数があり、前の世界のような量産品で無く全て手作業のワンオフ。

縁・頭はほぼセットで3万からある。


デザイン、材質を指定してオーダーも可能だ。

例えば「飼っている犬と猫をモチーフに刀の金具を作ってくれ」といえば何人かのデザイナーが数パターンのデザインを出してくれる。


気に入ったデザインを買い取り白銀師にオーダーするという流れだ。

もちろん人気のデザイナーや腕の良い職人は高いらしい。

デザイナー・白金師・木地師(こっちの世界で拵え・外装を作る職人の事)・刀匠・研師・カスタムナイフメーカーになるための専門学校など非常に人気があるそうだ。


とりあえず真剣と模擬刀は必要が無いので飛ばし、エスカレーターで4階に降りると圧巻のショーケースが目に飛び込んで来た。


「凄いな!この階全てナイフ売場か!」

「40センチ以下なら合法なので凄く売れるんですよ!右手がファクトリーナイフのブースで通路挟んで左手がカスタムナイフのブースです、カスタムはオーダーも受けてますよ!」


前の世界では廃番となったガーバーのマーク1・マーク2・ボウイナイフやアーモハイドシリーズが売られている。

驚く事にアーモハイドの新作も見られ、アルマーデザインのタクティカルのTシリーズというのもあった。

(こっちではピートガーバー氏や馬氏が在命か?)


他のケースにはブラックジャックのマンバやコールドスチールのボウイナイフが飾られている。 

やはり大型が人気があるようで、ボウイ・ククリ・マチェット・剣ナタなどが多くディスプレイされている。とにかく圧巻の量である。


その中から使いやすそうなピューマの28センチほどのボウイナイフと、ガーバーフォールディングスポーツマンのドロップポイント・バスコウェアスチール・通称VスチールとガーバービックハンターとA425を購入する事にした。 その他にオイルストーンのアーカンサスソフトとハードと青棒をカゴに入れ、水砥石の方に行き但馬砥石・シャプトン刃の黒幕を5本購入した。


カードで支払いVスチールのフォールディングナイフを胸のポケットに入れ、ボウイナイフをベルトに通しながら3階へのエスカレーターに向かう。

どういう訳かこっちの世界でもそのままクレジットカードが使えたのは助かった。

昨日コンビニでスマホのバーコード決済も使えた。スマホの使用も今のところ全く問題は無いようだ。ただ登録の無い着信が1つめちゃ入っているが・・・


3階は暗器とプロテクター類になる。

どう使うのか?

初めてみるものが多くとても興味を惹かれる。

十手や鉄扇なども置かれており十手を眺めていると、

「十手は鋼の鍛造品が支給されているので買わなくても良いですよ」っと牧野が声をかけてきた。

(役人だから十手なのか?)

ここの階ではスローイングナイフを10本と200ミリほどの長さの馬針を10本購入した。


3階は木刀売場だった。

良い木刀が見つからず棒の方へ行くと色々なサイズの棒が何十種類も並んでいる。

白樫・直径40センチ・1メートルの杖を見つけ、軽く振ってみるとちょうど良い感じだったので5本購入する。


2階は衣類売場となる。作務衣やか稽古着やら忍者服やらが所狭しと並んでいる。モンベルの作務衣が着心地が良かったので色違いを2着購入した。


1階は稽古用品になる。

色々な稽古用品が置かれている。

立木打ち用と横木打ち用の台があったのでこれも購入する。

あとは木刀で叩くと戻るしなやかな細いかかり打ちというのを4本購入する。コレはペグかアンカーボルトで床に固定するらしいが、ウチの地下室はコンクリートなので後でホームセンターにアンカーボルトを買いに行く事にする。


その他にも刀掛けや向こうの世界には無いデザインの桐の刀箪笥を購入する。 

重量物なので運搬サービスに申し込むと、近いという事もあり本日の18時には届けてくれるそうだ。

木刀やナイフや砥石も一緒に届けてもらう事にした。


ここでの買い物を終え1階に併設しているカフェで休憩をする。

ニューヨークチーズケーキとほうじ茶を頼む。

牧野はタルトタタンとローズヒップティー注文する。


「稽古はいつから開始ですか?」

「明日の昼すぎでどうだ?」

「そうですね、我々は明日まで休みなので大丈夫です。」

「しかし買い込みましたねぇ、すみません色々と無理言ってしまって」

「いや構わない、それより色々教えてもらって助かっているありがとう」

「先輩やめてくださいよ!ところで明日はどんな格好で行けば良いんですか?ジャージとか?」

「何でも構わないぞ?ウチは平服でもすぐに戦えるように服装に決まりは無いからな」


「じゃあスーツで行きますね!冗談です!」

「ん?構わないぞ?」

「え!?」

「稽古は仕事の行く前に1時間ぐらいやってから行くから別にいいぞ?」

「はぁ、なるほど・・・まぁウチのスーツはストレッチだから動きやすいですけどね下もワイシャツじゃ無くてポロシャツでもオッケーですからね」

「あれ制服なのか!?」

「そうです支給品です。汚れる作業の時には侍と同じ様なバトルドレスユニフォームに着替えますけど・・・」

(牧野には色々聞かないとまずいな・・・)


「仕事は私がサポートするので絶対大丈夫です!1週間もやれば覚えられます!」

雰囲気から読み取ったのか牧野が強く頷く。

(良い相棒だな)

牧野が望む限りしっかり剣を教えようと思った。








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