19 荒下神社
本日2投目になります。
よろしくお願いします。
8時過ぎに朝食で起こされる。
朝の挨拶をして食卓に着く。
長い間朝食は1人だったからか、こういうのも懐かしくてホッとする。
(いいもんだな・・・)
茶碗を持ち、まず玉子焼きを頂く。
「うまい!」
昔からこの新下家のチーズの入った玉子焼きが大好きで、静にもねだって作ってもらっていた。
「相変わらず好きなのねぇー」
次に明太ポテサラに手を出す。
これもうまい安定のうまさだ。
泣けるほどうまい。
静の料理がうまいのは母の影響であろう。
「好きな物が変わらなくて良かったわ」
「そうなんです!康義さんは一途なんです!」
静がのろけ気味に自慢げに答えていた・・・
「はいはい、ごちそうさま仲良しはいい事ね」
いつものように両親に軽く流されていた。
安定の対応、平熱である。
少しお茶をして朝のラッシュを避けた頃、ご両親に挨拶をし静の祖父の住む江の島の神社に出かけた。
二宮を過ぎて国道1号線に出る。
途中で国道134号線に入り海岸通りを鎌倉方面へ進む。
左手に向こうでは無くなった老舗ステーキハウスが出てきた。
(店の外観の色がちょっと違うな)
ファーストフードのハンバーガーショップは向こうと同じだ。
その隣に神奈川県民お馴染みの探偵のマークのプリン屋もあった。
江の島が見えたあたりで右に神社が見える。
(ここは!?向こうの景色とは全く違うな)
両方の記憶があるので頭ではわかっていても、さすがにこれだけ違うと違和感がある。
向こうの世界では水族館になっている場所だ。
車を母屋の駐車場に停め、神社に行きお参りをする。
この荒下神社は時量師神を祀っている。
宝物はカルタだそうで、代々宮司しか見てはいけないらしい。
(神社の宝物って言えば剣・玉・鏡と言うイメージだが色々あるんだな)
そのあとは一旦神社敷地の外に出て、江の島と逆の烏帽子岩方面に歩く。
ここに工藤の両親の墓がある。遺体は発見されていないので無いが、両親が使用していた箸をこっそり入れている。
ここは静の祖父個人所有の土地で新下家の墓がある。
その横に工藤の両親の墓がある。
事故に遭った北海道旅行の出発前に親父はふらりと神社に来たそうだ。たわいも無い話しをして泊まって帰っていったそうだが、何か嫌な予感でもしたのだろうか?
父の仕事は「オリ歴史学」の教授だったが、向こうには無い学問なんで内容はわからないが、近所の神社や寺でも調べていたんだろうか?
こっちの俺は祖父もとっくに他界しており身寄りが無かった。あの時は両親の死を前にをして良いのかわからなかったが、新下家が家族の如く支えてくれた。全ての対応をしてくれて助かった。
両親の墓に祈り神社に戻ると静の祖父が甘酒を作ってくれていた。
結構多く作ったらしく参拝者にも配っている。
みんな思いがけない甘酒に嬉しそうだ。
静は飲み終わると新しい甘酒を2杯もらい、羊羹を切って荒下神社の詰所の侍に持って行った。
突然お茶菓子を持って現れた、新下天位に侍は驚き恐縮していた。神社の孫だと情報では知っていても、いざ本人が現れるとびっくりするだろう
祖父に来年籍を入れる話しをしたら、涙ぐむほど大喜びされた。
すぐに初宮参りの祈祷をしようとしたら静に「おじいちゃん、まず安産でしょ!」っと突っ込まれていた。
(いやいやまず「結婚報告」で次が「子宝」でそのあと「安産」じゃないのか?まぁめんどくさいから言わないが・・・)
お昼は3人で島内の行きつけの定食屋さんに行く。
俺と祖父は朝の漁で取れた本日のお刺身定食にする。静はアジフライ定食にしたので、お刺身とシェアして食べた。
「相変わらず仲いいのぉーいい事じゃ!」
3人でエスカーに乗り展望塔台に登って写真撮った。
展望塔台を出てサムエル・コッキング苑に行くと、
『オリだぁーそっち回れ!そっちを頼む!』
「こっちだ!4体いる2人いないか!」
『そっちに行かせるな!』
「オリ」が発生したようだ!
『むりだ!・・・痛い!』
「オリ」が出現した。




