100・番外編6・静インターセクト・6
「緊急!緊急!溢れました!2次特性発生です!」
「何!!マジか!」
「ウソでしょ!」
「・・・まずい」
上野公園は一旦収まり上手くカウンター出来収束に向かっていた所で、噴水のようにオリが湧き出した。
一旦収まり2回目に1回目を上回る大量発生が起こる。これが最近起こった2次特性だ。
この原因はもちろんお隣の国の核の誤爆である。
これがかなりタチが悪い。
そもそも3割増しでへとへとになっている所におかわりだ。
しかも2回目の方が多いのだからたまったもんじゃ無い。
日本国内でここ1か月この2次特性が3回発生し、5000人近い剣士が病院送りにされている。
死者もちょっと公表出来ないぐらい多い。
『バックアップ部隊と入れ替えていますが人数が足りません!規模がデカいです!』
「どこで吹き出している!裂け目は?吹き出しの中心は?」
『動物園出口不忍池です!』
「了!遊撃部隊直ぐに向かう!持ち堪えろ!」
兼廣は2本の剣を腰に差す。
「桜!2人共!出撃するぞ!」
『了!』
*********
「金子総理!」
護衛が何か報告している。
(・・・何か緊急事態かしら?)
「何!遊撃部隊だけで持つのか?」
「長くは無理かと。周囲から抜刀隊を集めて不忍池に向かわせていますが、さすがに数が多すぎで・・・」
「むぅ・・・」
「杏のおじいちゃん、どうしたの?」
「不忍池でオリが大量に湧き出しまして、兼廣君達を向かわせましたが・・・」
「それ、出現してるのは吹返?」
「ほぼ、硬種・柔種・変種です」
「あら、ゴミね」
「は?」
「私が出ます」
『え?!』
「いえ、静さんにお怪我があると・・・」
「は?ゴミ相手に怪我なんてするわけありません。そこの剣士案内しなさい!」
「静さんしかし・・・」
「杏のおじいちゃん、私は天位ですよ。任せて下さい」
周りの護衛が天位と聞き敬礼する。
「分かりました、すみません工藤静天位、そのお力お借りいたします」
「はい!任せてちゃって下さい!ちゃちゃっとやっつけてきます」
「君達、工藤天位をお連れしてくれ!」
『了!』
*********
「くぞっ!多い!双天ノ剣!」
(これ.応援が来るまで持つか?)
「もう、ウンザリよ!アルルカン!」
(やばいそろそろ限界かも・・・やばい腕上がんない)
「まだ行けます!金剛夜叉」
(これはきつい・・・きついな、応援はまだか!)
「ディストーション!」
「飛燕剣!」
「モジュレーション!」
(モジュレーション使えるようになったけど、あたしの技って広域殲滅技じゃないから辛いわ、あたしもう限界・・・)
裂け目からのオリの吹き出しがやっと止まったが・・・これはキツイ・・・
遊撃部隊は4人中天位が3人と言ってもこの数はさすがに無理だ。
我々4人で100体近くは斬ったと思うが、まだ150体?いや、200体近くいるんじゃないか?
桜・大気・蘭の3人を見る。
肩で息をしている。
かなり疲労しているようだ。
(まぁ俺もだが・・・ん?!)
白い車が公園に突っ込んで来た。
(金子総理?)
*********
「あの真ん中に突っ込みなさい!」
「はい?戦闘中ですが?」
「見ればわかるわよ!命令!行きなさい!」
「りっ、了!」
戦いの中心に、総理大臣用のシルキーホワイトのセンチュリーが乗り込んで来た。
真ん中で停車すると後部座席から真っ白な服を着て、白い剣を持った女性が出てきた。
女性は車の屋根の上に乗った。
その凛とした佇まいから、只者でないオーラが出ている。
まるで雪の女王の降臨だ。
雪の女王が口を開いた。
「抜刀隊退がれ!」
透明感がある美しい声だが恐ろしく迫力ある。
女がこっちを見る。
「兼坊!桜・蘭・大気、貴方達も退がりなさい!」
「しっ、しっ・・・静姉様かしら?」
「へっ?姉様?静姉様なの?」
「邪魔よ!早く退がりなさい!」
『はい!』
静の圧に押されて退がった。
オリは本能的に恐怖を感じ、集団となって静に襲いかかって行った。
ジャッ!、ジャャャャャァァァーーーーーー!!!
剣が地面を削り、身長程の火花が上がり白い風が抜けて行く。
「ディストーション」
前の敵がごっそり居なくなり道が出来ている。
モーセの十戒のようだ。
前面のオリが大量に殲滅された。
「モジュレーション」
左右の敵がごっそり殲滅された。
「飛燕剣」
歩きながら前後を塞いだオリを一瞬で斬り捨てる。
「四門流・花風」
アルルカンの倍・・・いや何倍もの速さで敵を殲滅していく。
静はもう一度車の屋根に乗り辺りを見渡す。
「静姉様!」
蘭が駆け寄って来る。
転がっていたオリが急に起きあがり蘭に襲いかかる。
「きゃぁ!」
間一髪逃れた。
オリにはフランベルジュ型の短剣が刺さっていた。
「蘭、残心・・・留めなさい」
「りっ、了!」
静は周りをを渡す。
その時、応援部隊が到着した。
「殲滅終了!応援部隊はまずオリに止めをしなさい。その後怪我人を回収!」
部隊に静が指示を出す。
『了!』
静の顔が赤みを差してくる。
「姉様これ・・・すみません油断しました」
蘭がオリに刺さっていたエンプレスを差し出した。
蘭の頭を撫で抱きしめる。
「蘭、見てたわよ良く頑張ったわね。その短剣あげるわ」
「姉さまぁーー!怖かったですぅーー」
蘭が泣きはじめた。
桜も静に飛びつく。
「静姉様!もうダメかと思ったですぅーー!」
桜も泣いてる。
2人を抱きしめる。
(ひゃー妹ちゃん2人!かわいいーーー!)
ご機嫌の静だった。
(長くは無いわね・・・このままだとこの子達すぐに死ぬわね・・・姉として何とかしなきゃいけないわ!)
兼廣と大気は唖然としている。
「兼廣さん・・・静さん1人で150体?200体?近く、屠ましたよね・・・」
「あぁ、目の前で起こった事が信じられ無いよ・・・」




