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番外01.正直な公爵

『夫婦は一緒にお風呂も入るのが世間の一般的なルールなんだよ。街の人々はどうか知らないが』


夫にそう言われて羞恥で真っ赤になりながらも二人で風呂に入ったのは、二度目の結婚式が終わってすぐのことだ。


かつて暮らしていた部屋くらいの大きさの浴槽で夫に後ろから抱えられて、リシーはあっという間にのぼせそうだった。


(確かに以前の家では狭くて一緒に入れないだろうけど、貴族のお屋敷ではそうなのね。)


リシーは素直すぎる。


キリルはリシーを抱えたまま、その耳元で

「結婚してくれて、ありがとう。」

と何度目か分からない感謝を捧げる。


「こちらこそ、ありがとう。」


*****


数カ月後、まだ根回しの済んでいなかった新人メイドに夫の嘘を指摘されて、やっぱり屋敷を出ていくと大騒ぎになった。


夫の必死の説得に応じ、妻は(ほこ)を収めた。


「でも、3度目は無いわよ?」


「分かった。もう嘘はつかない。正直に言おう。

 世間ではどうか知らないが、私はリシーと毎日一緒に風呂に入りたい。」


「………」


公爵はそのとき人生で一番正直になった。

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