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2話 異世界召喚

 (まぶ)しかった光が収まり、目を開けると、そこはさっきまでいた学校の教室ではなかった。

 ここは一体何処だ?そう思っていると、


「よくぞ、我らの世界へと来てくれた。異界の者たちよ」


 その言葉を聞いた瞬間にその場にいたクラスメイトたちが響めく。雫もクラスメイト程ではないが、少し動揺した様子を見せる。

 クラスメイトたちが瑛二が質問をしたい事を質問しようとする様子が無かったので、質問をする事にした。


「質問をいくつかよろしいでしょうか?」

「許そう」

「この状況から察するに、貴方はこの国の王で間違いないですか?」

「そうだ。私こそがこのゼルフォート王国の国王、マゼル・ナサ・ゼルフォートである」

「なるほど、では2つ目に私たちを異世界召喚した目的を聞いてもよろしいですか?」

其方(そなた)は話が早くて助かるな。其方達をこの世界に召喚したのは、人間の支配を企む邪悪な魔族、その頂点たる魔王リリアを討伐して欲しいからだ」

「なんでしょう?この国王、やけに胡散臭いですね……」


 瑛二は、誰にも聞こえないような小さな声でそう呟く。


《警告、国王マゼルは嘘をついております。信用しないで下さい》


(なんだ今の女性の声は……)


 自分の呟きにそう言い返すような声に、表情には出さないものの、内心では驚きを隠せなかった。


《私は固有能力(ユニークスキル)、メーティスです。これから貴方のサポートを行います》


(これはまた便利なスキルですね。ところで先程は、どのようにして、嘘を見破ったのですか?)


《エクストラスキル、真偽眼にて虚偽を見破りました》


(それは凄いですね。ところで、それらの能力を自分で見れたりはしないのですか?)


《可能です。【ステータス】と唱えれば、自分のみに表示され、【ステータス/オープン】と唱えれば他の者達も見ることが可能です》


(そうですか。ならとりあず、小さな声で唱えてみますか)


「【ステータス】」


(なるほど、これが私のステータスという訳ですか)


「あの国王陛下、自身の実力がこちらの世界ではどれくらいのものなのかわからないのですが、それを確かめる方法はありますか?」

「あるぞ、【ステータス/オープン】と唱えれば、見ることが出来る」


 そう国王が言うと、みんな揃って唱える。


「あと、最後に良いですか?」

「なんだ?」

「魔族が人間の支配を企んでいるって言うのは嘘ですよね?」

「無礼な!国王陛下に向かってなんて事を言うんだ!」

「私のエクストラスキル、真偽眼で貴方の話を聞きましたが、ほとんどが嘘でしたね。魔王リリアの討伐の部分以外は」


 ちなみに瑛二のステータスはこの様になっている。


《ステータス》

【名前】久遠瑛二

職業(ジョブ)】使徒

【種族】ハイヒューマン

【性別】男性

【年齢】17歳

【レベル】100

【体力】19820/19820

【魔力】不明

固有能力(ユニークスキル)】メーティス 創造

【エクストラスキル】真偽眼 鑑定 隠蔽(いんぺい) 絶対切断 ストレージ

【スキル】剣術レベル8 魔法レベル7 狙撃レベル9 体術レベル8 暗殺術レベル6 索敵(サーチ) 記憶探査(メモリーサーチ) 魔力操作 

【常時発動スキル】物理攻撃耐性 魔法攻撃耐性 精神攻撃耐性 言語理解

【魔法適正】全属性(火、水、風、土、光、聖、闇、無属性)

【称号】伊集院雫の側近兼執事 異世界人 召喚者 神童 神々の使徒 人間を超えた者

【加護】創造神の加護 武神の加護 剣神の加護 魔法神の加護 狩猟神の加護 技能神の加護 生命神の加護


(これが私のステータスなのですが、どう見てもおかしい。それになんですか!このハイヒューマンとか、神々の使徒って!?こんなのになった覚えないのですが!!……一旦落ち着きましょう。よし、さっきの話の続きに戻るとしましょうか)


「大体の予想はついてますよ。大凡(おおよそ)、私たち異世界人の力を利用して魔族領の侵略をして一気に国力を上げる事が目的ですよね?違いますか?」

「その通りだ。だが、それの何が悪い!」


 国王はそう言って開き直ったように聞かれてもない事を話し始めた。


「大体、魔族を殺して何が悪い?下等生物の分際で国を起こすなどという生意気な行動をしなければ異世界人召喚などという面倒なことをしなくて済んだものを」


 その言葉に瑛二は、もの凄く腹を立てた。そりゃあ当然だ。なんせ、自分たちの都合で勝手に召喚して、自分やその仕えている主である雫の生活を邪魔した挙句、更には面倒などとほざいたのだ。腹が立たない方がおかしい。

 

「そんな戯言(ざれごと)で許さられるとでも思っているのですか?だとしたら貴方は相当な馬鹿か、無能以下の存在ですね」

「あ、あの瑛二がとうとうキレた」

「いい加減にしなさい!!大体、こんな事になったのは貴方たちが私たちを勝手に召喚して巻き込んでタダで済む思わない事ですね」

「この異世界人はハズレだな」


 ボソッと小声でマゼルがそう呟く。

 するとマゼルは、玉座から立ち上がった。


「我が名において命じる!その異世界人を排除せよ!!多少、他の者も巻き込んでも構わん!」


 その瞬間、瑛二の堪忍袋の緒が切れた。自分だけならばともかく、主である雫を消そうとしているのならば、問題なく動くことができる。

 瑛二を含めたボディーガードには、そういった権限が与えられているので、護衛目的などでの正当な理由での発砲は、許可されている。

 瞬時に懐に仕舞(しま)ってあった拳銃(SIG SAUER P229R)取り出し、襲いかかって来た騎士に対して撃つ。

 そして、その騎士は地面へと血を流して倒れ込む。どうやら脳を貫通して即死だったようだ。


(お嬢様に襲いかかって来たのです。その蛮行(ばんこう)、その命で償わせてもらいますよ)


「じゅ、銃……!?」


 生徒たちが瑛二が銃を所持していたのと、躊躇(ちゅうちょ)なく撃ったことに驚く。


「な、なんなんだ今の攻撃は!?」

「言ったはずですよ。ただでは済まさないと。さあ、死にたい人から来なさい。この私がまとめて相手をしてあげましょう」


 瑛二は、殺気のこもった目で、マゼルを睨みながらそう言い放つ。


「ひ、(ひる)むな!相手はたった1人だ。数で制圧しろ!!」

『はっ!』

「お嬢様達は、戦闘に巻き込まれないところまで急いで退避して下さい!」

「ええ、わかっています」


 雫たちは、後ろ側の柱に急いで隠れる。

 騎士がこっちに向かって来るなかで、瑛二は近くに置いておいた大きめなバッグに入れておいたH&K MP7を取り出して、向かって来る騎士達目掛けて撃つ。

 その光景は最早(もはや)、一方的な虐殺(ぎゃくさつ)に見える程の差があり、1分もしないうちにマゼルを護る騎士は誰1人として残ってはいなかった。

 そして瑛二は、その光景を唖然(あぜん)とした様子で見ていたマゼルの元へと近づき、銃を額に突き付ける。


「貴方を護る騎士は全員ご覧の通りです。これで貴方を護る騎士は全員いなくなった。ここにはどうやら防音の結界が張られているようですね。ですので、貴方をこの場で射殺しても、全員がこの場から逃げ出したとしても誰にも気付かれないでしょうね。貴方が死なない唯一の方法だったお嬢様へ危害を加えないというのが、貴方自らの手によって壊しました。よって、貴方にはこのまま死んでもらいます。良いですよね?お嬢様」

「瑛二が良いのなら、私は許可します。ですが、必要な情報は確保して頂戴下さいね」

「ご心配には及びません。この者が死んだとしても、私のスキルを使えば、脳内にある記憶を読み取って必要な情報を得られますので」


 それを聞いて、少しでも長く生き延びれるチャンスだと一瞬でも思っていたマゼルの顔が青ざめる。


「や、やめてくれ!」

「それはできません。貴方の死はお嬢様に危害を及ぼそうとした時点で既に決定していました。それでは、永遠にさようならです。ゼルフォート王国国王マゼル・ナサ・ゼルフォート」

「や───」


 マゼルが何かを言おうとしたが、それを遮るようにして、瑛二はマゼルの脳を撃ち抜き、射殺した。

『良かった』、『続きが気になる』などと思っていただけたなら、評価やブックマークをしてくださると、とても嬉しいです。投稿日時は、特には決めていませんが、どうぞこれからもよろしくお願いします。

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