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中 第四十幕 戦奴

『どうするつもりですか?見ての通り彼の命は助かりませんよ』


 レインフォルトの言葉が私の頭の中に響いた。


「大丈夫ですか!?」


 私はそれを無視して負傷兵に寄り添い呼びかける。


 アリアも私と同じ行動をとっていた。


『どう見ても大丈夫ではない……と私は言っていますがね』


『何を言っているの!?大怪我をしてる人がいるなら助けるのが人で……医師でしょう!?』


 私はレインフォルトに思念で抗議する。


『残念ながら彼に致命傷を与えたのもまた人ですよ……この世界の至る所でそういったことが日常的に行われています……私は幾度もこのような場面を見てきた……特段珍しくもない』


『何を言っているの!?あなたは医師でしょう!!』


 私は負傷兵をゆっくりと寝かせて傷の治療に取り掛かりながらレインフォルトに叫ぶように思念をぶつける。


『医師だからこそ、より色濃く視えてしまうのですよ……人の死が……』


 レインフォルトの言葉は冷たく重く私の心にのしかかる。


『そもそも戦場というのは殺し合いの場所です……騎士を名乗っていたあなたなら剣という物が何の為に在るのかは知っているでしょう』


 剣は……人を殺す為に存在する道具だ……

 

『……それに、先程の様子からして彼は脱走兵だ、どちらの陣営から逃げたのかは知りませんが軍から逃亡することは重罪です……彼は追われているはずだ……』


 治療の手を止めない私に対してレインフォルトはそう続けた。


 そんな私の肩にそっと手が置かれる。


「彼は気の毒だけどもう無理よ……ここから離れましょう……私達は亡命しようとしてるのよ……軍に見つかれば捕えられてしまう可能性が高い……」


「ここは危険だ……今すぐに離れるべきだ」


 肩越しにかけられたエレノアとカルロスの言葉に私の手が思わず止まる


 その時、負傷兵が何か言葉を発した。


 わずかに聞き覚えのある異郷の言葉……


『なるほど……あまり使いたい言葉ではありませんが戦奴ですか……代わっていただけますか……彼の言葉なら私が分かります』


 その後、私の口を通してレインフォルトは異郷の言葉で話し始めた

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