中 第十二幕 迫る危機
更新が空きました、すみません。
不定期になるかもですが、できるだけ頑張っていきたいと思っております。
よかったらこれからもよろしくお願い致します。
手術をして二日程かけて私達はアリアの故郷の町に着いていた。
私はただ馬車の荷台の隅で座っていた。
妙にリアリティのある謎の夢の意味を私は考えていた。
あれ以降は夢を見ていない。
知らない人物の記憶を見ていたような気がするが、考えても答えは出ない。
さっきからカラスが妙に騒いでいる。
幌越しに不吉に飛び交う争うような声音が私の心に浮かぶ不安を掻き立てる。
私は馬車の荷台でアリアと共に彼女の両親の帰りを待っていた。
私にはこういった嫌な予感がよく当たる傾向があった。
両親があの旅路に出た日も、言い知れぬ不安に苛まれて両親に行かないでほしいと懇願して泣き喚いて家族を困らせたことを覚えている。
結果旅立った両親は事故で亡くなってしまった。
長兄のアルバートもいつか目の前から消えてしまうのではないかと漠然と感じていた。
それらに近い不安が私の中に渦巻いていた。
アリアに目を向けると鎮痛薬は飲んだが痛みで眠れない夜を経て今は落ち着き寝息を立てている。
アリアの両親はレインフォルトの警告を振り切り街に着くなり"すぐ戻りますから"と告げて二人で家に帰っていった。
それからもう2時間半ほどが経っている。
(遅いな……どうしたんだろう?)
『少し、代わって頂けますか?』
私がそんなことを考えていると、不意にレインフォルトが話しかけてくる。
私は少し戸惑いつつも了承すると、私の身体は立ち上がって歩き出し御者台に腰掛けて馬車を発進させる。
『何をして……!?』
私は身体の主導権を慌てて取り戻そうとするが、それは叶わなかった。
『異端審問官がこの町にいます……』
レインフォルトの念話に私は心臓を鷲掴みにされたような感覚を覚えた。




