表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/68

中 第十一幕 夢の続き

 私の夢はまだ続いていた。


 とにかく足を動かすが、両手に抱えた荷物で上手く走れない。


 それは皆同じだった。


 先程の口の悪そうな少女と年長らしい少年が先頭を走っている。


 対して私の身体は明らかに足が遅く、だんだん皆から取り残されていく。


「ここからはバラバラに行くぞッ!皆捕まるなよ!!」


先頭を行く少年が叫ぶと皆散り散りになり走っていく。


 私の身体はもう息が上がってきていた。


 本来の私の身体は丈夫で、走るのも早かったから余計にフラストレーションが溜まるが、相変わらず何も出来ない。


 私は路地に駆け込んで立ち止まってしまう。


 そこにあの私を起こした少女が駆け寄ってくる。


「れ、レイチェル!?……な、なんで!?」


 私の口がは戸惑いがちに彼女の名を口にする。


「シェリー!……ったく相変わらず鈍臭いんだからよ……なんでもクソもねーだろ、大丈夫かよ!?」


 口の悪い彼女らしい言葉に私……シェリーは思わず笑ってしまう。


「笑ってる場合かよ!いくぞ!!」


 言うや否やレイチェルは私の手を取って走り始める。


 レイチェルも私も荷物を落としてしまうが、レイチェルは見向きもせずに走る。


 力強く手を引くレイチェルを心強く思いながら私も足を動かした。


 私はシェリーの記憶らしきものが少しずつ流れ込み私の記憶と混ざっていくのを感じていた。


 私の身体の主であるシェリーとレイチェルを含めた先程のスラムの家にいたのは皆孤児で、肩を寄せ合い盗みなどで生計を立てている。


 年長の少年のバートとレイチェルが稼ぎ頭で私達はこの2人に世話になりっぱなしだ。


 私とレイチェルは面通りの人混みに紛れてようやく走るのをやめて歩くことができた。


「チクショウ!……ファミリーの奴ら……無茶な花代セビってきやがって……そのクセ守りもくれやがらねぇ……クソがっ」


 息を整えながらレイチェルが毒付く。


 可愛らしく綺麗な顔立ちのレイチェルだが、この口の悪さには閉口せざるを得ない。


 私達はあるマフィアの傘下に入っているのだが、最近彼らへの上納金が跳ね上がった。


 前にも増してバートとレイチェルは盗みをしたが、やり過ぎて領主に睨まれてしまったらしい。


 私達孤児はこうしてマフィアに怯え、時に憲兵に追われて、それでも肩を寄せ合い歯を食いしばってこの街のスラムで生きてきた。


 しかし、今回の件でこの街に居続けるのは難しい……混乱する頭の中でそう私は思い始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ