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エピソード16

「あの···、なぜ母の出自を

秘密にする必要があるのですか?」


終わらない2人の攻防にしびれを切らして

クロエはハーツに疑問を投げかけた。


「それは···後で2人きりになってから

じっくり教えてあげるね?」


ーービクッ!!


『···また耳打ちっ!!

もう···!こんな時にまでハーツ様は···っ!!』


わざと軟派な態度を取って

不安な気持ちを散らしてくれているのは

もちろんわかっているのだが

どうしても男女のこの距離感に慣れない···


「ハ、ハーツ様?

後で、とはいつのことでしょうか?」


「ん?今からだよ?

公爵邸には私の馬車で向かおう。

その時···じゃ、ちょっと短すぎるかな?

やっぱり公爵邸を後にしてから、かな?」


『そうだ···馬車も使えないんだった···』


「何から何まで、ありがとうございます。」


「ま、待てっ!!」


「しつこいなぁ···

ロベルト?

君はクロエ嬢を貴族社会から追放したんだよ?

貴族令嬢にその罰を与えるということは

死ねと言っているのと同義だ。

ガイル帝国の流れを持つ者に

私が手を貸すのがそんなに不満かい?」


うんざりした顔を隠しもせず

完全に見下した態度でいるハーツに

ロベルトの焦りだけが増していく。


「しかしっ!

クロエはアース国で生まれ育ったアース人だ!」


「ははっ!

ロベルト?君落ち着いた方がいいよ?

今日の君は穴だらけだ。

君が、公爵家から除名したんでしょ?

ジェラート公爵家の人間でないのなら

アース人として入る籍もない。

ならば、母方の流れに入るのが道理だ。」


「公爵家の人間でなくとも···

平民として、この国に生きればいいっ!!」


「···しつこい。これ言うの2回目だよ?

これ以上の問答は無用。

君はすでに過剰なほどの裁きを行った。

ここより先に進むなら

ガイル人の保護を不当に妨害したとみなし

ガイル帝国皇子の名で抗議する。」


ロベルトは即座に口を開くも

少しの間を置いて、歯ぎしりするよう閉じた。


「クロエ嬢行こうか?」


終話に満足し、ニコニコ顔のハーツに

当たり前のように手を取られ

誘導されるがまま、くるりと身を翻す。


「あ、そうだ!

クロエ嬢、言い残したことや

思い残すことはない?」


「アイルと···まだちゃんと話せていません···」


「確かにそうだね!

アイル?君は今からどうするの?

ここにいる?公爵邸に行く?」


「······」


「···さっき教えてあげたでしょ?」


「···次期公爵家当主として

不正な持ち去りをしないか監視する。」


「よし、決まりだっ!」


取られた手が力強く引かれ

クロエとハーツは密着と言える距離で対面した。

情熱的なダンスを今にも踊りだしそうな体勢は

誰にも声が届かない、誰にも表情すら見えない

そんな距離だった。


「ちょっと行ってくる。

でも疑う必要はないからね?

クロエ嬢の隣に帰ってくるまでの間

私から出る言葉は嘘ばかりだ!

だから、ちゃんと信じて待ってて?」


ハーツはクロエをその場に残し

堂々たる皇子の風格で、ナオコの元へ向かった。

いよいよ(?)次回ハーツVSナオコです!

よく喋る2人なのでセリフ多めになりそうです!

見にくかったらごめんなさい!

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