背が伸びないわけ
それから彼女は、僕の成長がどうして止まったのかを教えてくれた
以前も教えて貰ったが、僕たちの周りを僕たちが出しているエネルギーが覆っていると彼女は言った
僕は、そのエネルギーが多く漏れ出してしまっているらしい
だからエネルギーがうまく自分に使われずに止まってしまったのだと
ただ、それは神官街や上の街にいる人の特徴で、彼女はまさか、農村部にそんな人がいるとは思わなかったと言った
「とりあえず明日になったら、上の街に一緒に行きましょう」
それからようやく名前を聞かれたので、僕はデイルだと答えた
彼女はカルミンと名乗る
僕はそれから湯を沸かすのを手伝い、彼女はその間に食器を洗っていた
神官街では、以前見せてもらった湖からそれぞれの神殿に水路が引かれていた
風呂場も上手く工夫がしてあって、火さえ燃やせば容易く沸くようだった
僕は物珍しさにきょろきょろとしてしまい、お礼を言うのも忘れていた
「カルミンさん、色々とありがとうございます」
ようやく眠る前に、寝具の敷かれた床に座り僕は彼女にお礼を言った
困っている人を助けるのは、神官としては当然なのかもしれない
けれど、僕はとても特別なことをされているように感じた