役に立ちたい
その夜、ベッドに横たわりながら、僕はどうしたらいいんだろうと思った
この力が役立つと神官さまは言った
だから僕は出来るだけ、この力で役立とうとしてきた
でもそれなのに…
畑は耕せるけど、開墾も出来るけど、何だか違う感じがした
僕は寝返りを打ちながら、でもやり続けるしかないような気がした
目を閉じて、家の周りの土地を思い浮かべる
もっと小さな頃、母の畑仕事を見ながら遊んだ切り株だらけの土地がある
あそこを開墾したら、母は喜んでくれるだろうか?
そんなことを考えているうちに眠りについた
翌朝、いつものように収穫を手伝って母を送り出した
それから朝市が終わる前にと、切り株を抜いていく
やってみると根も石もとても多くて、想像よりとても大変だと思った
それでも少しずつ家の端に、切り株や根を積み上げていく
昼近くになって、そろそろ休もうと家に向かった
手を洗おうと家の端にある井戸の下に入ると、暖かな陽気に当てられたのかくらくらする
家は三段ほど高くなっているので、慎重に階段を登った
扉の向こう、目の前にはダイニングテーブル、右手に続いて炊事場がある
もうすぐ昼なのだが、何も食べる気になれない
左手には二つドアがあって、手前が僕の部屋だ
僕はそのまま自分の部屋へ行くと、ベッドに倒れ込み眠ってしまった