表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Distant eyes  作者: 山田サンタ(hideaway)
12/29

12話 Love Of My Life

少し性的な描写が含まれています。

挿絵(By みてみん)


 夕食はペペロンチーノと豚肉の香草焼きを作り、テーブルワインも用意したので

ちょっとパーティのような雰囲気になった。BGMはもちろんジャズだ。

まずはビールで乾杯。

「神田さん料理上手なんだ。私あんまり凝った料理作れないもん・・あっ、このお肉

美味しい。何の香りかしら?いい匂い」

「色々入れたけど・・・多分ローズマリーが一番強いんじゃないかな?

ベランダで育ててる」

「そんな事もやってるの?素敵」美味しそうに料理を食べながら言った。

「そうそう。今日はちょっと面白い事があってね。このあいだのジャズクラブで

よく一緒になる画家が居るんだけど、今日彼の個展に顔を出したんだ・・」

「いいなあ、私も一緒に行きたかった。でも、良くないよね?一緒になんて・・」

「なんで?別に悪い事してるわけじゃないから良いんじゃない?」

香は多分私の立場などを考えて言っているのだろう。先日会ったばかりで既に

恋人であるかのように行動するのは軽率に見えるのではないか?そう思ったのだろう。

「今週の日曜日までだから香は休めないなあ。また違うのを見に行ってもいいし」

「それでどんな感じだったの?」ペペロンチーノを美味しそうに食べながら聞いてきた。

「それがだ、その画家が・・高木ってヤツなんだけどね。毎回というほど違う女性を

連れて来るんだ。ずっとモデルか何かだろうって思ってたわけ。そしたら・・・」

食事中に話してもいい話題だったか、少し躊躇していると香が言った。

「何よ、途中でやめちゃうなんて余計に気になるでしょ?言ってよ」

パスタはすでに二人ともたいらげていたので、ワインと香草焼きを持ってソファーに

移る事にした。

「驚いちゃいけないよ。その作品というのは・・・・」

個展であった一部始終を香に説明した。少しの沈黙があった。

「神田さんはそれを聞いてどう思ったの?」少し酔ったのかうつろな目で香が言った。

「自分の恋人が他人に抱かれるのをじっと見てるなんて、想像できないし

もしそんな状況を作らなければ作品が出来ないのなら、絵を描くのを諦めるかも

しれないな」

「そうかしら?私のこと少しも焼きもち焼かなかったじゃない。平気なんじゃないの?

それとも・・・私の事好きじゃないの?」痛いところをついてきた。

確かに香の過去の恋愛に対して嫉妬や詮索をする気はなかった。

もちろん付き合っている期間が短すぎるせいもあるだろうが、それらすべてを含めて

現在の香を好きになったのだ。そう言いたかった。

「それとこれとは状況が違うよ。香こそどうなんだい?ボクがそうしなきゃ絵を描く事が

できないって君に頼んだとしたら・・・」

暫らく黙って考えているようだった。そしてサイドテーブルにワイングラスを置くと

いきなり唇を求めてきた。それはいつにも増して激しく濃厚なものであった。

「どうしたの?酔っちゃったのかい?」そう聞く私に更に激しく抱きついてきた。

そのままソファーに倒れこみ二人は激しく身体を求め合った・・・・

 

 私の静かになった鼓動を聞きながら香がつぶやいた。

「私もあなたの為ならきっと抱かれると思うわ。嫌だけど・・・・」

香の言葉を聞いてまた身体が熱くなるのを感じた。

「喉が渇いたよ・・・何か飲んでくる」私がそう言うと、香は上体を起こしワインを

口に含み口移しでそれを流し込んできた。

「美味しい?」そのまま二人はもう一度お互いの気持ちを確認しあった。

私はその激しさの中で、香に溺れてゆきそうになる自分を感じていた。




Love Of My Life

  Santana←サンタナ

 http://www.youtube.com/watch?v=R_aqe1wu7eE


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ