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前世の声のままで!お気楽?転生ライフ!  作者: storyteller
第2章.こうなると仕組まれていたと考えていなければやっていけない
5/5

2.こんなはずではなかった

ゴオオオオオ・・・


「・・・。」

“・・・。”

や、やっちまった・・・。


遡ること10分ほど前、


“声のした方は割と近くでしたね。”

だな。走ればすぐだろ。けど女の体も考えものだな。前世の俺と比べても明らかに身体能力が劣ってる。

“転生したてですし、エルフは長寿ですし、そのうち前世の身体能力なんか超えてしまいますよ。”

まぁ、それもそうか。これもトレーニングのうちっと。

“あ、あそこじゃないですか?”


そこは森を抜けて開けた草原であった。そこで大型のイノシシのようなモンスター2体と対峙するエルフの少女がいた。怪我をしてる様子はない。突然現れてびっくりしたといったところか。だが明らかに戦力は向こうの方が上だろう。おまけに驚いた拍子に腰を抜かしてしまったらしい。

と思っていたらイノシシが突進の構えを取っている。


「危ない!」


声がどうとかそんなの関係なしに、叫びながら少女とイノシシの間に入る。そして攻撃魔法のイメージを作る。手っ取り早いのは火かなと思い、火が起こる様子をイメージする。イメージしたのはガスコンロだ。下手に学校の授業とかで原理がよくわかってるガスバーナーとか思い浮かべて、ありえない魔法を使いたくない。そして次にその火が結果としてどうなるかをイメージする。ここは2つの火球だ。だいたいイノシシより少し小さいくらいを思い浮かべた。これなら大丈夫だろうと思っていた。しかし神様はもう1つ忠告をしていた。


“魔力に準ずる強さの魔法しか使えません。”


これはすなわち、魔法の威力は使用者の魔力量にも依存するという事だ。これを失念していた。俺はまだこの世界に転生してからステータスを全く見ていなかった。


そして今に至る。2体のイノシシは跡形もなく吹き飛び、平原には大きなクレーターが2つ重なり合ってできてしまった。この事態に神様も少女も開いた口が塞がらないといった状態である。俺は冷や汗ダラダラの状態で、やっとステータスを開いた。


名前 ケイ

性別 ♀

種族 エルフ

年齢 16

体力 30

筋力 16

知力 20

素早さ 18

器用さ 19


と書いてある。この世界のエルフの標準の能力がよくわからないが、筋力や素早さの数値と走った時の印象を合わせれば、大体平均なのではないだろうか。最後が魔力のようだ。とそこで俺は目を疑った。桁がおかしいからだ。


魔力 106342/213000


はぁ!?いやさ!大体のゲームも魔力の数値って他のステータスの平均値よりは多いよ!?けどさ!普通は、ほとんど体力と大差ない数値じゃん!!なんでこんなに魔力だけおかしいの!?何?俺は実はすごい魔法使いとか??そういう設定なの??


ブォン


と、ステータスバーになにか追加されたようだ、なになに?


職業 失われし大賢者 (ロストマジシャン)


・・・、えっと、状況を整理しよう。俺はまだ転生して半日足らず。変な魔導書も読んでない。そして、転生時にこんなの要求した覚えはない。・・・。ナチュラルにどういうこと?


ブォン


またステータスバーに追加された。今度はなんだ。


人物ケイの略歴 先の大戦で人間界に勝利をもたらした大賢者の生まれ変わり。戦争終盤に魔族の攻撃にて死に瀕するも、先の世を案じ、最期の力をふりしぼり、未来に転生する。しかし、魔族の攻撃の影響からか、新たな体にその魂は宿らなかった。時を同じくして転生した、五十嵐 慶太の魂が宿ることにより、ケイとして新たに生まれ変わった。


呪い 声呪縛(解呪難度 SSS) 解呪しない限り、何度転生しようとその者の魂固有の声でしか発声することが出来ない。


・・・。何これ。大賢者が転生した体に、偶然俺の魂が宿って、その体には前世の声でしか発声できない??これどこのチート物語?

転生ものの物語には色んな種類がある。まず転生時に、赤ん坊であるか、ある程度年齢を重ねた者に転生するか。そして、能力値の問題。大抵はチート能力を持って、ある程度年齢を重ねた者に転生する物語が多い。だが、今回に関してはチートにならないようにしたはずである。大体この手のチート物語は自分より強い敵が出てきて、それでも周りが弱くて自分しか頼りにならないからという状況に陥る。主人公がその困難にどう対処するのかというのがその物語の醍醐味だが、元ブラック企業のリーマンだった俺からすれば1番避けたいものだった。そんな精神すり減らすようなのは嫌だと思っていた。しかしこれはもうその手の物語なのだろうか・・・。


「・・・の、あの!!」

「!」


びっくりした。さっきの少女が話しかけていた。


「先程は助けていただき、ありがとうございました!」

「あぁ、いや、困っている人を助けるのは当然だからね・・・。」

「わぁ!声、どうかされたんですか?」

「いや、呪いにかかっているみたいなんだよね。」

「そ、そうなんですか。」


“え?呪い?なんのことですか?”

あんたには後で説明するよ。


「で、あの魔法なんですが。」

「あぁ、さっきのね。お・・・私も初めて魔法を撃ったからまさかあんなに威力が出るとは・・・。」

「初めて魔法を撃ってあれだけの威力!まるで先の大戦で伝説になった人間界の賢者のようですね!」

「え?その人の事を知っているの?」

「知っているも何も有名ですよ?あなたこそ知らないのですか?」

「あはは・・・。世俗の事には疎くて・・・。」

「そうなんですか。立ち話もなんですから。行きましょう。」

「行くってどこに?」

「エルフ領ですよ。お礼もしたいですし、あなたの家もエルフ領では無いのですか?」

「あー、実はワケありでね・・・。エルフ領で生まれた訳じゃないし、家もないのよね。」

「じゃあ、私の家に来てください!っと、私まだ名乗ってませんでしたね。」


そういえば、この娘は誰なんだ?(狩りの装備の上からであるが)服を見る限り、いい家の娘さんであることは確かだが。


「私は、エルフ領首長の娘、リーフ=ニルヴァーナです。」


はぁー、なるほど。首長の娘なぁー。そりゃいい服着てるは・・・。ん?首長の娘・・・?


「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!????」


投稿遅れて申し訳ありません!

ここまでお読みいただきありがとうございます!

まだまだ続きます!これからもよろしくお願いします!

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