オークキングとの戦い
4話目です!どうぞ!今回は結構長い?です!
「助けに来たぞ!生きているものはいないか!」
「い、います!!助け…」
ブッ!
骨が、全身が砕ける音が聞こえた。さっきからオークに相手にされていた女性が吹っ飛んだ。
「助けてくれぇぇ!」
ドスンッ!
「「キャァァ…」」
グシュッ
「う、うわあああ…」
グギギィキ…
俺はなにが起きたかわからなかった。次第に状況を理解する。日本人である俺にこの光景は地獄でしかなかった。そしてこれから起きる恐怖。自分もこんな姿になるのでは?
そう考えるだけで頭がいっぱいだった。
こんな状況でスキルをぶっ放すニートがいるわけない…。やはりラノベなどすべて架空だと分かった、いや思い知った。いつの間にか俺の前には虹物が大量にあり、全身から液体が漏れ出していた。正直30を超えるサラリーマンだし、恥じらいがあったといえばウソではない。
「ゼンタイ!コウゲキセヨ!」
「「「「「「「「「「「「「「ブブブブブブッヒイイイィィ」」」」」」」」」」」」」」
「ひぃッ…」
ウソです。恥じらいなんてありません。
俺は今すぐにげようと走った。とにかく走った。そんな気分だった。しかし現実は甘くなかった。オークキング、いやこのクソ豚に手を捕まられ逃げることができなかった。腕力は圧倒的にあっちが上。俺は当然…
「あああぁぁぁぁあああぁ!!るぁあぁぁっぁあっ…ッ!…lガァ!」
貧弱な腕は剛腕な腕に潰された。その痛みに俺は意識を失いそうになる。しかしここで気絶をしたらそれこそ終わりだ。よくある気絶回避なんてない。起きたらあの世だ。
「ぐぁぁぁ!…」
俺は痛みに耐えながら必死に頭を動かす。
…
「ブヒ!ブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブ…ブ…ヒぃ…」
オークキングが突然ブヒブヒと連呼しだす。そうしているうちに呼吸困難になったのか力が抜け俺の手を握っていた手が離れる。
これは俺が確率変動をすこし応用させた技?だ。
簡単に説明すると、このオークキングはやはり王だ。王がブヒとはそうそう言わないだろう。で、俺はそこに確率性というか規則性があるのではないかと思った。王がブヒというタイミングや状況。その状況が訪れる確率…それを100%にしたことでこいつはその場でブヒ!と言う。それを何回も繰り返した。
そう。呼吸する暇も与えず…。
しかしオークキングもこれだけでは倒れない。呼吸困難で倒れるボスなんているわけないだろう。
ズギッ!ズギズギ!
「かぁっはぁっ!…ぐぅあああぁぁぁ!」
急に頭痛が走ると同時に中性な声が頭を走った。
【レベルが上昇しました。現在10レベル】
【変動系スキル、加速変動、ソウルイーターを取得しました。】
そういうと次第に頭痛が治っていった。それと同時につぶされた右腕が少し回復したかのように痛みが薄れていった。
しかし…
「加速変動?ソウルイーター?しかも変動系スキル?特殊系スキルじゃないのか?」
「…オマエ…!コロスゥゥ!」
その言葉が俺の耳に届いたころには俺の頭に刃が通りかけるところだった。
人間というのは死に直面しかけると走馬燈を見るらしい。俺にも走馬燈が見える。というか刃がとても遅い。今なら自分もよけれるのではと思えるほどに。しかしこれは走馬燈。自分も遅いとわかっていた。
最後の悪あがきか俺は自然に体が動いていた。’通常のはやさ’で。
「やっぱり、動けないもんなん…は?」
俺はオークキングの方を見る。やっと刃が地面についたころだった。
周りを見ると冒険者かわからないが人とオークが普通のはやさで戦っていた。そうしているとオークキングは叫んだ。
「ナ…ワレノコウゲキヲヨケレタダト?アリエナイ…ハヤスギル…」
オークキングは通常の速さでしゃべる。
つまりこいつは俺が超高速で動いたようにみえたということだ。
まさか?と思い俺は新しく手に入れた加速変動をオークの足に遅くするようにかけた。なにかよくわからないもの、MPではないものが減ったような気がするが気にしていられない。しかもだるみも痛みもおそってこないし確率変動よりも良心的なのかもしれない。
そんなこんなで考えているとオークキングは叫びながら突進してきた。
まずいっ!と思ってオークキングを見たらオークキングは転んでいた。
そしてオークキングは泣け叫ぶかのようにいう。
「ナゼェェェッェダアアァァァ!ワレノアシガァァウゴカン!アアアァァァ!」
もうなんかかわいそうにみえてきたので変わりに肩に加速変動を使い、足の方は解いて上げた。
またよくわからないものが消えたが、先ほどよりは消えていない。
「ッ!?ガァァァッァ!」
急に足が動けるようになり驚いた様子のオークキングだったがすぐに俺を襲いに来た。
オークキングは斧を振り上げようとする。
…
「ウゴカン!!!ナゼダァァ!ナニヲシタ!」
やはり加速変動というスキルはその空間というか発動させたい場所をゆっくりさせるようだ。いや変動と言っているからには早くできるのかもしれないがそれは後で確かめるとしよう。というよりさっき俺は無意識で使ったことになるんだよな。人間てこわいとつくづく思う。
で、こいつの処理だが、加速変動を獲得した時点で俺の勝ちは確定したもんだ。
まず俺はこいつの全身を遅くさせる。ものすごい量、なにかが減ったが俺の体にはなんの影響もないので俺は無視した。
遅くなったこいつは困惑するが口も遅くなっているのでまともにしゃべることもできない。部下たちは、冒険者らしき人たちと戦っている。誰もこいつを助けることはできないわけだ。
「さっきの腕の分とおまえの部下がしたこと、お前が今までしたこときっちり返させてもらおうか。」
そういって俺はそいつが持っていた斧を取り上げる。そして…
「ふんっ!」
と、遠心力と重さに任せて振った。
「ガァッァ・・・・ナゼダ・・・ナゼ・・・」
なぜ自分が死んだのか。なぜ自分が動かないのか、困惑と恐怖が混ざったような顔をしながらこいつは生き途絶えた。それと同時に俺も急に自分の一部が引っ張られる感触がして、気を失った。
【レベルが上がりました。現在のレベル49】
【速魂 残量:0 速魂…加速変動に使うエネルギー。このエネルギーが尽きた場合、本人の魂 残量:1000から引かれる。獲得方法はソウルイータ。獲得する魂は現在速魂のみ。】
【本人魂 残量:987】
【ソウルイータで獲得した魂数:332】
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