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九条、自宅に穴が開く

後輩の波瀬忍(ハゼシノブ)に後から聞いて分かったことだがこの事態は世界同時に発生した。らしい。


テレビでは特番が放送されてひっきりなしに各地の映像が放映されていたが、

俺はそれどころではなかった。

なぜならその異常は俺の家にもハッキリと現れており、テレビどころではなかった。

遡ること1時間程前……






「…くそ。…今日も暑いな。」


狭い6畳1間のアパートの中で扇風機を浴びながら俺、九条誠《クジョウマコト》はそんなこと呟いたが夏の猛暑は一向に収まってくれない。

貧乏人である俺にクーラーなどというブルジョアなものは当然なく特化1000円で購入した扇風機を浴びていたが一向に涼しくならない。

毎年思うんだが夏なんてこなければいいといつも思いながらこうやって扇風機で誤魔化す毎日だったりする。




………グラッ


「なんだ?地震か?」


日本はどこに住んでも地震が起こるのだから少しくらいの揺れは慣れたもんだったけど、今回は違ったようだ。時間が経つごとにどんどんと揺れが酷くなってきた。部屋の照明が揺れクローゼットがミシミシと悲鳴を上げながら軋んでいる。


「…っ!…かなり大きいな…っ」


体感では震度5~6くらいか?とにかくここまでの揺れになるとこのボロアパートでは耐えられない可能性が高いので外に出ようとする。築50年は伊達ではない。

が、判断が遅く立ってられない程の揺れにまで発展しまい俺はその場で蹲ることしかできなくなってしまった。傍目ではクローゼットの扉がとうとう嫌な音を発して外れてしまった。

このままではマズイと這ってでも外に出ようとしたところでピタッと揺れは収まった。


「………ふーっ。」


かなり大きな地震だったがどうやら収まったようだった。

部屋の中には小物が散乱しており片付けに難儀しそうだったがそれよりも大きな、そして深刻な事態が発生していた。


「……階段だよな。これ。」


本来服が入っているだけのクローゼットは入口の扉が外れてそこからポッカリとした闇が広がっている。足元を見ると散乱した服のしたに石造りの階段が目についた。俺の部屋はあくまで6畳1間トイレ風呂なしの1Fなのと賃料が安いだけが取り柄のアパートでこんなところに地下へ続く階段など断じてなかったはずである。だが今は確かな存在感と共に入口は存在している。

地下室は気になるとは言え、まずは散乱した部屋を片付けることが第一なので問題を先送りにすることにした。






「…ふぅ。終わった。」


部屋の片づけは大体30分程度で片付いた。

そもそも狭い部屋なので物はそこまで溢れておらず面倒だったのが割れた食器類くらいだったのが幸いだった。クローゼットの入口も留め金が外れただけだったのでホームセンターで留め金を買ってくれば取り付けはできそうだ。


問題はこの地下室?だ。

中を覗き込んでみたところ奥のほうが薄っすらと光が漏れており奥に空間があるのであろうことは分かるが普通に考えて光が漏れているということはどこか外に繋がっているんだろうか?


「まぁ行ってみれば分かるか。案外戦時中の跡地とかだったりしてな。」


大家の婆さんに相談することも考えたが好奇心が沸いて階段の先を見てみたいという欲求を優先させることにしたがこれが後の人生を大きく変えることになるとはこの時は想像もしていなかった。


俺はスマホの光を頼りに階段を降りていくことにしてみた。

後に分かったことだがこれが初のダンジョン入りとなるのだった。





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