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冒険の食事

余計なプレッシャーに辟易しつつも、落ちた輝石はきっちり集めた。

他の部分も捜索したが、めぼしいものは出なかった。



まあ、放棄した遺跡に物が残ってるってのが珍しいよな。

結局、砂粒みたいな輝石と石のランドセルとシチューのレシピが宰相の部屋の戦利品となる。



並べると戦利品にはとても聞こえねえなあ。

でも、高価なものらしくて皆ホクホク顔だ。



「まさかここまでの物が見つかるとはね。」

「そうだなあ。まだ奥の奥まで見てねえのに、これだけのお宝たあ、幸先良いよなあ。」



いいものが見つかってホクホク顔のオルとヤジスさんの顔が輝いている。

オルって、あんな子供みたいな顔するんだな。



元が良いから、破壊力半端ないぞ。

周りとは別のことに関心してると、頭をガシリとつかまれる。



「メシにするぞ。」

「そうねぇ。この辺は危険な生き物もいないみたいだし、いいタイミングだわぁ。」



船長と副船長の言葉で食事になった。

つうか、船長。俺の頭に手を置かんで下さい。



一応、見張り役に4人立って、それ以外が宰相の部屋で食事になる。

見張りはオルを含めた先行組だ。



副船長以下、船長と行動を共にしていた面子で先に食事をしてもらう。

食事はおのおので持っているから、今回は俺は特別用意する必要はない。



何が起こるかわからないから、最低限の食事と水は各自で持つことになっているんだが、それって罠で分断されることもあるってことだよな?

いつもの軽い感じで、でも油断なく周りを見るヤジスさん達を見ながら、命かかってるんだよなあって改めて思う。



気合を入れ直して、周りの気配に気をつけていると頭をわしっとつかまれる。

え?もう終わりかよ!早ええ!



「交代だ。」



船長のシンプルなひと言でさっと交代して中に入る。

船長たちがこの時間で食いきったってことは、俺たちはそれ以下で食わないといけない。



持たされた袋の中身は硬そうな小さいパンと干し魚、干した貝柱にドライフルーツみたいなやつだった。

どれも乾燥してんなあ。



まあ、冒険の食事なんて保存第一だから、こんなもんか。

どうやって食えばいいんだろう?



「サイ。このパンはいつものと違って硬いから、真ん中で割って、水と一緒に口に入れるんだ。残りは一切れずつ食べるんだよ。」

「ああ。サイはこういう食事は初めてだったっけ。水は飲み過ぎるなよ。腹が膨れすぎて苦しくなるぞ。」

「そうそう。パン以外は口に放りこんで齧ってれば、そのうち柔らかくなるから。」



オル、ヤジスさん、ミランさんの順で食事の仕方を教わる。

どうやらひとかけらが一食分になるみたいだ。



硬そうなパンは口の中で水でふやかすみたいだな。

それで、魚介の干物は噛んでたら飲み込めるようになると。



みんなパンから口に含んでる。

まあ、確かに魚の干物とは合わなそうだから、先に食っちまうか。



うわ。すっぺえ。

保存用にレモンか酢でも入ってんのかもな。



成る程。これなら唾液もたくさん出るから、後から食べる干物も食いやすいわ。

考えられてんなあ。もぐもぐ。

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