表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/75

冒険のお宝

しばらく待ってたら、船長たちを連れてヤジスさんが戻ってきた。

デカい奴らが文字通り肩身狭そうにやってくる姿は何だかおかしかった。笑えねえけどな。



「ここか…。罠で埋まってんじゃねえか。」

「多すぎる。」

「…確かに。」



船長だけでなく、イージスさんとクレックさんも顔をしかめている。

これだけ皆おかしいって言うんだから、ここって普通じゃねえんだろうな。



「で?ヤジス。」

「はいはい。ちょっと待ってて下さいよ。」



ヤジスさんが罠の無い場所をひょいひょいっと軽く移動して、松明を所定の位置に置く。

すると、お約束通り、扉がごごごっと内側に向かって開く。



「ほお。」

「あら。」

「ビンギス帝国の…紋章だな。」



船長以下驚いたように中の紋章をしげしげと見ていた。

あの紋章ってそんなにすごいのか。覚えといた方がよさそうだな。



うわ。船長がこれから獲物を屠る肉食獣な顔で笑ってる。

だから、あんた怖いんだって。後ずさりたくても下手に動けねえしな。くそ。



「中入って右奥が隠し部屋だな?」

「うん。端っこだけ罠がなくてね。今、開けるよ。ヤジス。」

「ほいよ。…ん~。罠の移動とかは無さそう。」

「そっか。ありがとう。」



そういって、オルはまた奥に行って下の方に手を差し込む。

すると同じように壁が回転して、隠し部屋が現れた。



「…欠片くらいはあるみたいだな。」

「でっかいのはないか。残念。」

「だが、あの欠片でも集めれば…。」

「ああ。それなりの額になる。」



船長たちも奥の部屋が現れたことに驚きつつ、目を眇めてきらめく小さな欠片を探している。

ヤジスさんから聞いてるからこんな反応なんだろう。



「周りに罠はないんで、大物だけ持ってって、欠片は放置ってやつだと思います。」

「となると、ずいぶん古いな。」

「たぶん。ここの仕掛けってアサイー帝の頃のだと思う。帝国初期のね。」



ヤジスさんの報告に船長が考え込む。

それに戻ってきたオルが追加で報告する。



帝国初期って、罠や仕掛けでそんなのわかんだな。

何か特徴があるんだろうけど、どっちもどうなってんのかさっぱりわかんねえんだよな。



「ふん。じゃあ、欠片は頂いてくか。ヤジス。念のため奥まで行って罠が無いか調べてこい。オルも仕掛けを見てくれ。」

「了解です。」

「わかった。」



船長の命令でヤジスさんとオルがまた調べに行く。

船長は厳しい顔でふたりを見送っていた。



こういう時の船長はすげえ船長らしい顔をするんだよな。

普段は暴君だけど。



…ウソです。睨まないで下さい。

何でわかるんだ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ