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冒険の準備2

船長のエールを持って戻ったら、船長室に戻ったとオルに教えてもらった。

すぐさま、きびすを返して船長室に向かう。



エールが温くなったら、蹴りがさく裂する。

さっき褒めてもらったこととエールは別だからな。



「船長、サイです。失礼します。」



ノックして入ると、中で船長は古そうな本をめくっていた。

何やらメモらしき紙片も散らかっている。



俺は間違ってもそれらに引っかけたりしないよう、慎重にエールを差し出した。

船長はジョッキを受け取ると、一気に煽る。



「ふうっ。おい、サイ。」

「はい。」

「赤い光ってのはどんな感じだった?」



どうやら船長は帰って早々にあの赤く光る罠について調べていたみたいだ。

オルが教えてくれたが、正規の鍵で光る罠は青が一般的で、他の色の発見例は聞いたことがないらしい。



「そこに行くときは僕も行くから。けが人が出そうだしね。」



なんて物騒なことを言っていた。

それだけ危険視されてるってことだ。



船長も直接見た俺の意見を聞いておきたいんだろう。

で、赤い罠だよな。たしか…。



「青より光が弱くて、血みたいに黒っぽい赤でした。道の真ん中や壁の手を着きやすい位置にありました。」

「それで?」

「あの道の半分くらいから増え始めて、奥の扉の前では青と赤とで足の踏み場もないくらい光っていました。爪先立ちで光ってない場所をかろうじて進める程度です。」



俺が見たことを報告すると、船長は険しい顔をして顎に手を当て考え込んだ。

船長がそういう顔するとちびりそうなくらい迫力あるんだよな。



「奥に行っても、赤は同じような場所で光っていたのか?」

「奥は…。」



どうだった?とにかく罠に引っかからないようにするのに一杯一杯だったからな。

そこら中光っていたし。あ、でも、足元に多かったな。避けるのが大変だった。



「足元に赤が多かったと思います。避けるのが大変でした。」

「そうか。なら…。」



俺の話に頷いて、船長がニヤリと笑う。

何かわかったのかな。猛獣の笑みにしか見えねえけど。

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