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海賊船!?

「目も黒か。こりゃ、二つとないな。」

「あら本当ぉ。可愛い顔してるし、売られた船から逃げ出したのかしらぁ。」



さっきから聞こえてたお姉口調の人が覗き込んでくる。

紫の目に藍色の髪で、耳が少し隠れるくらいの長さの前髪を真ん中分けにして、残りの長い髪はポニーテールにしている。



顔はかなりのイケメンだった。

切れ長の目はクールな印象で女性ウケが良さそうだ。くそっ。



でも、お姉なんだよな。

いや。偏見はねえよ?友達にもいたし。



ただ、ここまで色男なおねえは見たことなかったから、驚いたっつうか。

俺の周りのお姉なやつは、可愛い顔や恰好してるやつが多かったしな。



「二人とも。顔が怖い。ほら、手を離して。」

「ああ!?」

「どういう意味よぉ?」



少し高い声がしたと思ったら俺の髪をつかんでた手をパアンッと小気味よく叩いてくれた。

助かった。二人の眼力が半端なくて泣きそうだったんだ。



俺は荒事には縁が無かったんだっつうの。

髪だって何本か抜けたはずだ。ハゲたらどうしてくれる。



礼を言おうと顔を向けると、今度は艶やかな銀髪が目に飛び込んでくる。

何だ?ここには普通の髪色のやつはいないのか?



そんなことを思いつつも目を合わせると、今度は空色の青の瞳に見惚れる。

綺麗な色してるなあ。顔も綺麗な顔してる。でも男。ちっ。



「ありがとう。」



「もう大丈夫だよ。苦しい所はない?」



「ありません。大丈夫です。」



礼を言うと銀髪は俺の顔を見て質問をしてきた。

息はもう普通に出来るようになっていたし、さっきまでの胸の痛みも無くなっていた。



普通、溺れたらこんなに回復は早くないはずだが、大丈夫なのは確かなので丁寧に答える。

イケメンは滅べというのには賛成派だが、目の前のイケメンたちは恩人であることは間違いないからだ。



「いっちょ前に話せんじゃねえか。」

「しっかりしてるわねぇ。やっぱり奴隷船から逃げてきたのかしらぁ?」

「う~ん。それにしては身なりがいいよねえ。」



三人は俺を見ながら好きなことを言っている。

っていうか、やっぱここってあれか?



異世界ってやつか?赤い海とかそれしかないよな。

でも馬鹿正直に聞いていいもんか…。



頭おかしい奴とか思われたら終わりだしな。

ここ船の上だよな?降ろされたりしたら、また溺れる羽目になる。



「あら。大人しいわねぇ。気づいちゃったかしら。」

「ああ。大丈夫だよ。ここは怖いところ…。」

「海賊船だからな。そりゃこえーだろ。」



あ?海賊船!?マジか。

死んだな。俺。

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