表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/75

冒険の始まり

そんな日々を戦々恐々と過ごしていた俺に吉報が入った。

お宝の情報が手に入ったって話だ。



小さな島に伝わる言い伝えらしく、ほとんど忘れ去られているらしい。

良く見つけてきたよな。



まあ、おかげで船長の機嫌が回復した。

ヤジスさんのおかげだ。



「生きてたか~?」

「ぎりぎり…。何回か意識飛びました。」

「お~。そりゃ危なかった。喜べ。行き先が決まった。」



「ホントですかっ。どこです?」

「それは船長に聞きな。それ持っていくんだろ?」

「あ。つまみ。やべっ。失礼しますっ。」



「…あの子も大変だねえ。」

「おかげであんたは解放されたでしょぉ?」

「まあ、そうなんすけどね。」



そんな会話が交わされてることも知らず、俺は早足で船長室まで移動した。

いくら機嫌が良くても船長は待たされるのがきらいだ。



怒鳴られるくらいは覚悟しないとな。



「戻りました。つまみです。」

「ずいぶんかかったな。」

「ヤジスさんに会いました。」



「ああ。聞いたか?」

「はい。情報が手に入ったって。」

「それだけか?」



俺の返事に船長が不思議そうな顔をする。

そんな顔しててもイケメンはイケメンだ。世の理不尽を感じる。



それは置いておくにしても、船長が何を不思議がっているのかわからない。

それだけ?もっと聞いてると思ったのか?



「はい。つまみを持ってたんで。」

「ああ。」

「どこに行くんですか?」



俺の答えに納得したらしく、船長はつまみに手を伸ばす。

それを見ながら、俺はヤジスさんに聞き損ねた行き先について聞いてみた。



「ハッシュつう小さな島だ。小さな村くらいしかないとこで、資源もない。役人もいねえくらいだ。」

「そんなに小さい島に洞窟があるんですか?」

「その辺は行ってみねえとわかんねえな。今んとこ、こいつの情報があるのはそこだけだ。」



そう言って船長は三日月型の魔石を手に取った。

綺麗な石だと思う。光沢があって、薄く緑色だ。



何だか蛍石みたいだなと思う。

暗くなったら光るとか?



「風も吹いてきてましたし、幸先いいですね。」

「吹いてたか?」

「ええ。少しですけど。」



「そうか。くくっ。」



笑い方が魔王にしか思えねえけど、船長の機嫌はかなり回復したな。

さて、行き先も決まったし、冒険の始まりだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ