何なんだ
「はっはっはっ。こりゃいい。お前の魅力が通じねえか。」
「あらまぁ。サイちゃんって本当に珍しい子よねぇ。」
「コーネルに微笑まれて顔色を青くするなんて…ある意味正解だね。」
船長、バクス、オルの順でいいたいことを言う。
恐る恐るコーネルと名乗った超絶美形を見ると、目を真ん丸に見開いてると思ったら、その後船長に負けず劣らず豪快に笑い出した。
「はっはっはっ。これは面白い。オスカー。どこでこんな面白い物拾ったんです?」
「霧の島の辺りだな。霧が晴れたら落ちてたんだ。」
「…成る程ねえ。サイ。あなたが気に入りました。今度遊びにいらっしゃい。」
「え?え?」
「うわー。面倒なのに好かれちゃったね。」
「やっぱり、サイちゃんってこういうタイプに好かれる子なのねぇ。」
どうやら叱られないらしい。
だが、何でか気に入られたらしい。何でだ?
とりあえず、どう答えていいものかわからないから船長を見る。
すると、「おや。」とコーネルが面白そうな顔で船長を見た。
「よく躾けてますね?」
「こいつは自分の立場をわかってるからな。」
人を犬か猫みたいに言いやがって。
知らない人間にホイホイ懐くほどガキでもアホでもねえっての。
思ってても口には出せねえから、大人しく待つ。
今の俺は船長の所有物。無駄口は叩かねえ。
言ったら蹴られるしな。
余計な口をきかず、大人しくやり過ごすのが海賊ってやつらと上手く付き合う方法だ。
そんな俺をコーネルは面白そうに見ている。
青い瞳に吸い込まれそうだが、何とか耐えながら真っ直ぐ見返す。
目力なら負けねえ。
昔から目つきが怖いだの、目だけ迫力あるだの言われてたからな。
だから、普段はあまり視線に力をいれないようにしている。
でも、今日は全力だ。来るなら来いっ。
「ふふっ。ならオスカーとなら遊びに来れるでしょう?今度美味しいお菓子を用意しておきます。」
「あらぁ。サイちゃん、すごいじゃなぁい。」
「はあ。本格的に気に入られちゃったか。運がいいのか悪いのか。」
コーネルの誘いに今度は頷く。
船長がオッケー出したからな。
そしたら、何故かバクスとオルが大げさに反応した。
何なんだよ。次来たら美味い茶菓子出してくれるって話だろ?
どうせ子供に見えてるだろうし、美味いもんは食える方がいい。
俺に文句はねえよ。




