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4月5日 晴れ 4

 家の近所には桜の名所とはいかないが少し広めの公園がある。

 金の無い我が身としてはここを散歩すると軽い運動と時間つぶしにはピッタリだ。

 そう思い公園をぶらぶら歩いていると子供たちの楽しそうな声とおばさんたちの話し声、そして聞き覚えのある野太い声。


「おおーい、あ・お・い」

 振り返ると小学校からの友人で、しかも高校まで一緒という本当に腐れ縁の 卯月うづき 健史けんしだ。

「藍、一人暮らしはじめたんだって、うらやましいな」

「そんないいもんじゃないよ、けっこう苦労もあるぞ」

「いいじゃないか、俺も早く独り暮らししてー」

「立ち話もなんだ、お前ん家行っていいか?」

「ああいい…」

 そう言いかけた時あの封筒が無造作にテーブルの上に置いてあるのを思い出した、たしか他言無用、ばれた時は失格だった。


「いや、ごめん今日はちょっとまずい」

「どうした、もう彼女でも出来て同棲でも始めたか」

「バカ言うなよ、そんなうらやましい展開があるわけ無いだろ」

「冗談だって、藍が言うならなんかあるんだろ、また今度は行かせてもらうぞ」

 さすがに腐れ縁というか小学校から一緒だと俺の性格もわかっている、それに今来られるとまずいというのはウソではない。

「本当に行くからな、とりあえず8日の入学式で会おうぜ」

 卯月と別れてからも公園をブラブラし、ベンチでウトウトしている内にあっという間に夕方になっていたのであわてて部屋に帰ることにした。


 部屋に帰って、一息ついたところでちょうど夕方のニュースの時間ということもあり、テレビ(もちろん今度こそ俺の部屋の)をつけることにした。

御神渡おみわたり首相が外遊先のイギリスから帰国しました」とか、

「春の陽気に誘われて全裸男出現」とか、

「最近の流行は梅干」などで大きな事件は無いようだ。


「では最後に天気です。気象予報士の 月待つきもちさん明日の天気はどうですか?」

「はい、明日は低気圧が西からかかってき、今日の快晴とは打って変わって関東でも昼過ぎには雨が降り出しそうです」

「それでは各地の天気です・・・福岡 雨 降水確率90%、・・・、東京 曇りのち雨 降水確率80%、・・・、札幌 晴れ 降水確率 10% です。皆さん、お出かけのときは降っていなくても傘を忘れないでくださいね」


 おや、あの紙には絶対に雨は降らないと書いてあったが、天気予報では雨と言っている、まあいいか、とりあえず出発前に様子を見て決めるとするか。

 そういえばお腹が空いたなと思い、冷蔵庫を開けるが中にあるのは昨日もらったパンの耳と牛乳とマヨネーズだけだ。

 残念な食事風景の後は明日に備えてとっとと眠ってしまおうと横になってちょっと仮眠と思ったが、いつの間にか爆睡してしまっていた。


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