最終試験 課題発表
「以上が今回集まった者達です。いかがでしたでしょうか」
天空時氏は御神渡首相に持っていたファイルを渡しながら伺いを立てている。
「面白い、今回は人数は少ないが豊作だな、よし、全員最終試験へ進出だ」
御神渡首相はファイルを見ることなくこの結果を平然と言ってのけた。
ちょっと待て最終試験だって…と言うことは今の紹介が試験の一環だったのかよ。
下手なことをしてたら試験終了なんて事もあったのか、でも新幹線を降りるときに「これからが大変」なんて聞こえてはいけない言葉を着てしまったが、今のところ大して大変でもないよな。
「ではこれより最終試験の説明を…御神渡首相よりお願いします」
「何、私が言うのか、仕方がないのー、いいか一度しか言わんぞ、よく聞いとけよ」
その一言で俺を始めこの試験に参加している8人全員が固唾を呑んで首相に注目している。
「明日、昼の12時から私はとある要人と会うことになっている、しかし残念ながら天気予報では雨と言っている、それでだ、その方が官邸に入る瞬間に雨を振らないようにしてほしい」
おいおい、何か無茶苦茶の事を言ってなかったか、雨を降らないようにって天気をどうやって変えろってんだ。
「手段は選ばんからな何をしてもいいぞ」
そう言った首相は困っている顔をしている俺たち全員を見回して喜んでいるようだ。
しかしそれを可能にするとっても簡単な方法を思いついた。
あっ、それなら簡単だ、俺が雨は降らないって言えばいいんだ。
「そうそう、空賀、お前が『雨は降らない』と言うのは無しだからな、今の段階でお前の力で天気を無理変えるとどんな代償を払うか分からんぞ」
う~せっかくいいアイデアだったのに、次の手を考えないといけないのか。
「よし、言う事は伝えたし私はこの辺りで失礼するぞ、後は天空時君任せたぞ、明日を楽しみにしている、がんばってくれ」
そう言うと御神渡首相は先ほど入ってきた扉より手を振りながら出て行ってしまった。




