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2次試験通過者 雷音 ローク

「東京都出身 雷音らいおんローク16歳」

「へーい」

 車両基地で出会ったあの金髪の兄ちゃんがゆっくりと歩き出し、書類を天空時氏の前に放り投げ審査を待っている。

「かったるいから手短に頼むぜ」

「わかりました、では手短に言いましょう」

 天空時氏はやれやれといった表情で書類を見ている。


「雷音さんですが、母親ローザはイギリスの予報師協会の上位会員でした、父親は首相も知ってのとおりいわお氏です」

「巌の息子か、ならばあの怪力は継いだのか」

 首相は雷音の父親のことを知っているようだ。

「残念ですが、父よりも母からの影響が大きいようです、母親のローザ様は精霊を呼び出せますが、息子のロークですがまだ見ることしか出来ないようです」

「さすがに本場、イギリスの予報師協会の子供ということか…今まで日本には精霊関係を使える者はいなかったからな」

 首相は感心したように呟いている。


「おっさんなんでそんなに詳しいんだ」

 雷音君は怖いもの知らずというか遠慮なく首相に言っている。

「はははは、その辺の一直線さは親父譲りだな、よし、教えてやろう。私、そこの天空時、霧咲ハナ、雷音巌ほか数名が現在ならびに一代前の上位予報師だ、もちろん協会の職員はまだ他に多くいるがな」

「えっ、大婆様もですか、今までそんな話は聞いた事はありませんでしたけど」

 夢乃さんも首相に詰め寄っている。

「予報師であることは家族に秘密にしていたんだろう、その証拠に月に数日ぐらい家を留守にしていなっかたかな」

 首相はさも当たり前のように霧咲兄妹の方に向かって言っている。

「そういえば大婆様、時々仕事だから山に籠るって出かけて行ってたよな、夢乃」

 きっとこれは隼人君だろう、思い出したように夢乃さんに言っている。

「隼人さん、山のことは秘密にするようにって言われてませんでしたか」

「あっ」

 その後、隼人の姿を見た者は…。


 そんな騒ぎとは別に雷音君は残念そうにと言うよりは少しホッとしたように。

「それでか、親父が家にいなかったのは、浮気じゃなかったのかよ」

「当たり前だ、お前の親父は何があっても一直線だ、もちろんどんな時もだ」

 首相は雷音君を一喝した後、さらに聞いている。

「親父のことはいい、お前自身は予報師になりたいのか、その見える力はここでは役に立つと思うがな」

「予報師が何かしらねえが、俺は自分の意思でここに来たんだ、それに親父のことは今まで知らなかったしな」

 雷音君は迷い無く答えている。


「ははは、よし、考慮に入れておこう」

 その首相の言葉に続いて天空時氏が

「雷音さんのご要望に従いまして手短に済ませました」

 と言って天空時氏はこの場を締めていた。


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