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4月6日 曇り 首相官邸にて

「こちらが目的地となっております、また私についてきていただけますか」

 そう言うとおじいさんはバスから降りると先導し歩き始め、さらに奥にある非常口と書かれた扉を開け中に入っていった。

 さらにその先にあった螺旋階段を下りると、奥にあったのは今までよりも重々しく、豪華な扉だった。

 その重そうなを開け、その先にあったのは薄暗い廊下と違い、明るく大きめのホールのような所へ出てきた。


「情けない、情けない、残ったのはたったこれだけか」

 入ったと同時に大きなどこかで聞いたことがあるような声が聞こえてきた。

 その声の方を見るとそこにいたのはなんと、ここの主である御神渡おみわたり首相が腕組をして立っていた。


「こんなチャンスはめったに無いというのに、応募して来た者も少ないが、ここまでたどり着いたのがたった8名とは」

「8名?俺たちは6人しかいないぞ」

 そう思ったが良く見ると部屋の壁際にすでに2人こちらに注目し、立っている人がいるのが見えた。


「天空時君、ここにいるのがで今回集まった全員か」

 首相があの求人サイトに書いてあった退職予定の人の名前をこちらに向かい誰かに尋ねている。

「はい、残念ながら二次試験を超えたのはここに残った8名です」

 そう答えたのは先ほどまで俺たちをここへ案内してきたあのおじいさんだった。


「どうだ、お前の目立てでは、いいのがいたか」

「まだ分かりませんが、ここに残った者達はみな面白い者ばかりです」

「ほう、それは良いな、ではどのような者が残っているか聞かせてくれ」

「はい、分かりました。では、ここまで残った者たちを東に住む者から順にお知らせいたしましょう」

「うむ、お願いしよう」

 そういうと首相はそばにあったパイプ椅子にドッシリと腕組みをして座った。


「皆様、これより本人確認をいたします、名前を呼びますのでお持ちいただいた書類をこちらに提出してください」

「書類なんか有ったけ、あの封筒には入ってたのは通過通知と注意事項の用紙、それと新幹線の切符だけだったが」

 そう俺が言うと。

「そうです、その通過通知の用紙です、それに特殊な仕掛けがしてありまして、皆さんの位置等も分かるようになっていました」

「ウソ、何の変哲も無いただの紙かと思っていたのに」

「ちょっと待てよ、プライバシーの侵害じゃないのか」

 あの金髪の男が叫んだ。

「確かにその可能性もあります、ただこの効力は24時間で切れるようになっています、それにこの力は場所確認のみになっていますのでご安心を」

 天空時氏は淡々と語った。


「気に入らないのなら帰っても良いぞ」

 首相はニヤッとした表情を浮かべ一喝して皆を黙らすと、さすがにここまで来て帰ろうというような気はないようで、これ以上反論をしようという者はいないようだ。


「よし、天空時君始めてくれ」

 首相の一言で本人確認が始まった。


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