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4月5日 晴れ 1

新連載を開始します。

また最後まで力尽きないようゆっくりと地道にやって行きます、もしよかったら長~く気長に読んで下さい。

「本日の天気予報をお知らせいたします」

 テレビからアナウンサーの明るい声が聞こえてくる。

「本日は全国的に晴れて暖かくなるでしょう、一日中春の陽気に包まれ、絶好のお花見日和になります、それでは皆さん行ってらっしゃい」


 朝のいつもと変わらぬ光景だ、枕元にあった時計が7時30分を指している。

 眠そうな目をこすりながら、たった今起き出して来た俺がこの春に私立節気学園しりつせっきがくえんに入学する 空賀そらが あおい 15歳だ


 安アパートに一人暮らしの身としては隣から聞こえてくるこの明るい声が目覚まし代わりにピッタリだ、もちろん部屋にテレビが無いわけではないが、中古ショップで買った隅の方に置いてあった特価3000円でなり前の型だ。


 さて、朝にしなくてはいけないのは出かける準備・・の前に携帯(スマホを買えるような資金は持っていないのでガラケイだ)で求人情報の確認だ。

 親と喧嘩して飛び出したので生活費は自分で稼がないといけなくなってるし、前にバイトをしていた所は昨日首になってしまったばかりだ。

 さすがに稼ぎがいいのは年齢が引っかかる、そう思いつつもの1袋10円の食パンの耳で朝食を済ませながら求人サイトを見ていると隅のところに魅了的な記事を発見!


『このたび気象予報師の天空時氏が定年を迎えられることになり新たに候補生を募集します。

 年齢・性別・経験・学力不問。

 やる気と天気に深く興味のある方、

 給料は働きによって百万円以上も可能です。

 応募される方は本日中に以下の番号まで連絡をしてください。

 0120―177○○○

 日本気象予報師協会』


「怪しい、怪しすぎる、ひょっとした新手の詐欺か?しかも気象予報師って何だ?気象予報士の間違いじゃないのか」

 しかし今は失うものはほとんどないし、何より給料100万円以上は魅力的だ、などと考えるより先にすでに手は携帯のボタンを押していた。

 そして数回のコールの後に若い女性の声がしてきた。

「こちらは日本気象予報師協会です、ここに掛けられたということは候補生募集に応募の方ですね?では少し簡単な質問をさせていただきますがよろしいですね」

 そう言うとこちらが考える間もなく質問を始めてきた。


「では気楽に答えてくださいね、第1問晴れの日は好きですか?」

「はぁ、好きですが」

「第2問 雨の日は?」

「嫌いじゃないです。」

「第3問 雪の日は?」

「少しうれしいような」

「第4問 台風の日は?」

「ワクワクします」

「第・・・」

 そんなやり取りが数問続いたところで、

「ハイわかりました、結果はまた連絡しますね」

 と言うとこちらの連絡先も聞かずに切ってしまった。


 連絡先がいらないということは残念でしたということか、まあそんなにうまい話が転がっているわけが無いし、金銭を取られたわけでもないので詐欺というわけでもない、一体なんだったのだろう。


 ひとつ失敗したからといって何もしないわけにはいかない、とりあえず昨日の帰り道にあったコンビニに急募とあったはず、気乗りはしないが背に腹は変えられないし、いつもの悪い癖が出て首にならないよう注意してチャレンジだ。


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