生き霊2
「生き霊」と同じ現場での話。
その現場でトイレに入っていて、個室から出たら
ドアのすぐ外に若い女性が立っていた。
「わっ?!」
と、目の前にいきなり人がいたものだから驚いたら
女性の姿は消えていた。
それに
(ああ、また生き霊さんなんだ。ホント多いな、ここは)
と思っていたら。
数日後、現場の廊下でその女性とすれ違った。
(あれ?)
と振り返ってみると、その姿は今度は生き霊ではなく本当の生きている方の“実体"だった。
生き霊を見るのはよくあるが、その“実体"の方も見るのは初めてだった。
この現場においては他にも、
視界の端に黒い影が走ってゆくのを何度か見たり、
各階奥のフロアの同じ場所にあたるところに、毎年きちんと替えられているらしい、やたらと大きくて立派な御札らしきものが貼ってあったり、と。
妙な事が色々とあり、どうやらその現場の場所は、妙なものを引き寄せる“力場"になっている様だった。
実際、その現場のビルからひとつおいて隣には、お寺があった。
高層インテリジェントビルが建ち並ぶ谷間に、まさにぽつんと。
寺や神社が建つのは、たいがいその場所に建てないといけない理由があったからで、やはりそのあたりは何かいわくのある場所だったのかもしれない。
しばらく後に私はその現場での契約が終わり、以降そのビルには行っていないが、そのビルは今でもある。
後で聞いた話によれば、そのビルに入っていた某大手企業は作業場所を他に変えたとかで、そのビルから引っ越したらしい。
あのビルにいた生き霊たちも“実体"と一緒に引っ越したのであれば良いが、そうでない場合は
今もあのビルにいる……のだろうか。
しかも考えてみれば
私自身その現場での仕事が忙しい時、その現場で仕事をしている“夢"を何度か見ていたので、私の生き霊も、もしかすれば……




