『二条天皇の御時、にせプレスマンの怪のこと』速記談1097
二条天皇の御代、にせプレスマンが都中に満ちあふれ、群がっては、しきりにあらゆる人の言葉を書きとめていた。そればかりか、何万本のうちの二本が、互いに争って、紫宸殿の殿上に落ちてきて、天皇のひとり言を書きとめようとしたので、これを捕らえて、獄舎に入れさせたという。この怪異があったことがきっかけで、二条天皇はこの月のうちに御譲位、翌月崩御あそばされたとか。
教訓:二本のにせプレスマンが紫宸殿に落ちてきたのを、二条天皇親政派と後白河院政派との争いに見立てる研究者もいるが、パロディーの世界にそういうことを持ち込むのはどうかと思う。