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涙 1
今夜は裕太郎と食事をするため、新宿に来ている。仕事帰りのビールは本当に美味しい。今日、裕太郎はわざわざ夜景の見えるこのお店を選んでくれていたらしい。ここは前にも一度裕太郎と来たことがあったけど、前は内側の窓から離れたテーブル席だったことを、ふと思い出した。正直夜景でお腹が膨れるわけではないけれど、ちゃんと私のことを意識してくれていることがわかって少し安心した。
「ここのお店ってたしか2回目だよね。初めて連れてきてくれたときは夜景の見える席がいいなぁ、って言ったの私覚えてるもの」
「いやさ、それを涙が言ってたのを覚えててさ。ちょっとリベンジじゃないけど、せっかくだし今日は夜景の見える席にしたよ」
「さすが、裕太郎。覚えててくれて嬉しいな」
優しい裕太郎。ちゃんと覚えていてくれていた裕太郎。こんな私を大切に思ってくれる裕太郎。今日なら……大丈夫そうな気がする。そんな予感がした。




